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とんび

最近もっぱらNetflixレビューになっていますが。。。

不朽の名作、重松清の大ベストセラー小説を映画化。


先日、『とんび』を観ました。

あらすじ

日本一不器用な男・ヤスは、愛する妻・美佐子の妊娠にも上手く喜びを表せない。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、“家族”は何よりの憧れだった。時は昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。アキラと名付けた息子のためにも、運送業者で懸命に働くヤスだったが、ようやく手にした幸せは、妻の事故死によって脆くも打ち砕かれる。悲しみに沈むヤスだったが、人情に厚い町の人々に叱咤激励され、彼らの温かな手を借りてアキラを育ててゆく。
時は流れ、高校3年生になったアキラは、東京の大学を目指し合格を勝ち取る。だが、別居の寂しさを素直に伝えられないヤスは、「一人前になるまで帰って来るな!」とアキラを突き放す。そして昭和63年、久々に再会したヤスと大人になったアキラだったが──。


日本一不器用な男・ヤスを阿部寛(最高)、
ヤスの愛する妻・美佐子を麻生久美子(最高)、
アキラと名付けた息子を北村匠海・・・
この家族を中心に、
薬師丸ひろ子、安田 顕、大島優子、そして麿 赤兒らどっしり構える俳優陣が素晴らしくちょうどよくて、とてもよかった。

阿部寛がヤスさんにしかみえない。いや〜〜〜
不器用だけれどやさしい。ヤスさん、泣かされました。とてもとても。

正直、息子役の北村匠海、その恋人(妻)役の杏は、好みの問題だろうけど、じゃなくてもよかったなぁ〜〜〜と思ったんですけど。


子どもを守って亡くなってしまった最愛の母、それを息子に隠したい父、
父子を支えるまわりのあたたかいひとたち。
わたしもひとり親なので、子どもを育てるのには、たくさんの手があったほうがいい。そう思いました。
実際に、まわりのひとに助けられて、子どもを育てているし。




さて、この物語のタイトル。『とんび』。

『とんびが鷹を生む』という言葉がありますが、これは平凡な親(とんび)から優秀な子ども(鷹)が生まれることを意味しています。
ヤスがとんび、アキラが鷹・・・ということなのでしょうけれど、ここで思い出したのが、バラエティ番組で見た東大生の女の子。

いろいろな仮説を実証する『水曜日のダウンタウン』。
その日の放送では『トンビがタカを生むにも限界がある説』を検証していました。
学歴に焦点を当て、東京大学(通称・東大)に通う学生たちにインタビューをします。
多くの東大生の親も高学歴という声が上がる中、「父親が中卒」という女の子。
『トンビがタカを生む』ということわざについて問われた彼女は、笑顔でこう言いました。

突然変異的なことではなく、トンビが生んだものはトンビなんだけど、トンビがすごい育てかたがうまかったからタカっぽくなった…っていうのが正しいと思います。

今日の私があるのも親の育てかたのおかげだし、みたいな。多分、トンビ側がタカにするか、トンビにするかってのは決めてると思います。

水曜日のダウンタウン

親トンビが上手な子育てをして、子トンビがタカみたいになった。
なんてすてきな考え方なんだろう。

親の育て方、子に与えた影響は、良くも悪くも、子に現れると思います。

アキラは立派な大人になったけれど、それもやっぱり、ヤスさんや、まわりのひとの愛情をたっぷりたっぷり注がれたからなんだろうなぁと、鼻を啜りながら思ったのです。


映画『壬生義士伝』ほどではありませんが、苦しいほどに泣きました。
観終わったあと、ほかのいろいろな方のレビューも読んで、
『原作にはかなわない』と書いてらっしゃる方がいて、重松清さんの作品は読んだことがないので、これは是非とも読んでみよう、と思っています。


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