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私とあなたの違いを面白がる

こんにちは、"_dawn_"です。
先ほど「体験談にその人の感性が宿る」という内容で投稿したのですが、書きながら、もう一つ面白いと思ったことを思い出したので、勢いのままそのことについても書いてみます。

何かというと、話し手の感性が千差万別なのと同様に、聞き手の感性も千差万別なのであり、なにか体験談を話せば、話し手と聞き手とで異なる感性から違いが生まれる面白さがあるということです。

場面は、僕がコーチングを好きになったエピソードを同僚に話したときのことです。そのとき、私と聞き手とで感情が動くポイントが異なっていることが浮き彫りになりました。

私の体験と感情が動いたポイント

突然の役割変更でモチベーション迷子になる

まず先に、どんなエピソードを話したかに触れます。私は前職に就いた際、「協力会社に頼らず、自分の言葉で提案営業をしたい」という思いで、自社商材一本で商売するスタートアップに営業職で入りました。

入社後はやりがいを感じて働いていましたが、2年ほど経ったある日、突然役割変更になります。新人教育の担当でした。当時上司からは、自分に何を期待しているのかなど説明がなく、「新しい営業が沢山入ってくるからやってくれ」といった必要に迫られてのオファーでした。

当日の私は、急な配置転換に戸惑ったのはもちろん、正直悔しいと思ったんです。戦力として期待されていないような気がして。トップセールスでもなんでもなかったけど、変なプライドがあって、何となく外された感があったんです。だから、モチベーションも低かったんですね。

コーチングで価値観を見直し新しい意味づけができた

でも、ちょうどそのときコーチングを受ける機会があり、そこで「仕事を通して自分は何をしたいの?」と価値観を深堀りし続けました。そこでわかったのは、自分は「自分が本気で価値があると思うものを人に伝える」ことが燃えるんだということです。それが、たまたま転職した時は自社プロダクトを自分で営業するってことだった訳です。

それがわかった上で、コーチに「じゃあ今、あなたが本気で価値を伝えたいものがあるとすれば、それは何ですか?」と聞かれ、自分の中で考えがアップデートされました。

「今は自分で営業しなくなったけど、これまでの経験でわかった。営業は才能じゃなく技術の世界だ。それを身に着けることは専門性であり、価値あるキャリアに繋がる。それを、一緒に営業チームで働く仲間に得てほしい!」と思ったんです。それが、自分が新人教育をやる意味だと。

ここまで考えが整理されると、自分も仕事とやりたいことがしっかり繋がりました。めちゃくちゃモチベーションが上がりましたね。前職で一番燃えていたかもしれません。結果が出ているか否かに関わらず、夢中で仕事しました。

体験を間に置いて違いを面白がる

感性が異なれば注目する点も異なる

私はこの体験を通して、自分の中で「自分が本気で価値があると思うものを人に伝える」という望みが明確になり、今度はそれが「営業スキルを身につけることで価値あるキャリアを仲間に伝える」ことになったんだと気付き、感情が動きました。

一方、このエピソードを聞いた同僚は、私の内面で起きた変化にはあまり共感が起きなかった様子でした。どちらかというと、コーチとターニングポイントを迎えるような対話が起きたこと自体や、「じゃあ今、あなたが本気で価値を伝えたいものがあるとすれば、それは何ですか?」というセリフに感情が動いたそうです。

共感ではなく違いに注目する面白さ

このことから私が感じたのは、体験談に対する感性の違いによって注目するポイントが異なっていることが浮き彫りになった面白さです。私自身はその出来事を通じた自分の内面に起きた変化にフォーカスし、聞き手はその出来事にフォーカスをしていたのです。

つまりこれは、私は「私の内面に変化が起きた」話をしたけど、同僚は出来事に注目し、自分だったらどうだろうかと考え、「話を受け取った同僚の内面での反応」で感情が動いたのです。そのことがありありと感じられて面白かったのです。

違いを発見して対話を面白がってみる

自分は内面世界というか心の動きにとても興味が湧くので、それを体験の結論に置きがち。けれども、聞き手によっては出来事というか、何が起きたかと言うことに興味を持って、そこに後から解釈を加える。なので、体験を話すにしても、話し方って工夫の余地がめちゃくちゃあるなと思ったのです。

つまり、「こんなこと感じたんだ、というのもこんな出来事があって」という話っぷりで内面を話題のメインにおき、共感し合うというのも一つ。だけど、「こんな出来事があったんだ。あなたならどう思う?私はこう思う。」と体験を間に置いてお互いの感性の違いを楽しんでみるのもいいなと思うわけです。

前者は共感が生まれて安心できるけど、「わかって」しまっては話がそこで完結してしまう。後者は違いがあるからこそ、そこに謎があり、探求する面白さが生まれるということです。それを探求する中で、目の前の人のまだ知らない考えを知ることができたら、きっと楽しいですよね。

体験を間において異なる感性を持ち寄り、違いを発見してお互いがどんな人なのか再発見する。そんな豊かな対話が沢山生んでいきたいと思った一幕でした。
ではまた!

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