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胃腸が弱い人の日常。
ずっとお腹が弱かった。胃腸どちらも。
まず直面したのが「ヨーグルト、牛乳、納豆、シリアル」
朝の定番ともされる錚々たるメンバーは朝一番のお腹には厳しい食材だった。
ヨーグルトや牛乳は食後トイレに走りたくなるほどお腹をくだす。
シリアルもだめだめでびっくりするほどお腹が張った。納豆はお腹が張るだけでは飽き足らず一時期おならが止まらなくなった。
多感な時期である、中学生の時のこと。どれも嫌いではないのでトイレ覚悟で休日に楽しんだ。好きなものは諦めたくない。
そもそも冷たいものは全部だめ。
アイスにかき氷、冷凍みかん、ドリンクの氷もすぐにお腹が冷えて痛くなる。朝にオレンジジュースやりんごジュースなんてもってのほか。
ホテルの朝食ビュッフェはさほど食べていないのに、たまにしかできない朝からオレンジジュースという行為に目がくらんでトイレに直行。大人になるまでは毎度のことだった。
逆に食後すぐは問題なく過ごせているのにしばらく経ってからお腹を壊すこともある。
それが「スパイス」だ。日本で販売中のカレーも大体はお腹が弱りだす。まだどの香辛料が私のそれを引き起こすのか定かではないのだが、いつかは突き止めてお腹を壊さない自分流のカレーを完成させたい。一人暮らしをしていた時、近所にネパールのカレー屋さんがあった。大好きで大好きで配達もよく頼むくらいだった。トイレに行く時間を前もって計算して大好きなほうれん草カレーを食べる。それがとても幸せなのだ。時間を気にせず食事ができる幸福を噛み締めることができる。こんな幸せに気づけるのはお腹の弱さゆえだなぁと思う。
時たまある”和風キムチ”なんかは辛味も少なく腸が刺激されることは少なかった。
ただ韓国直輸入の本場キムチはだめ。韓国料理の唐辛子入りは基本的に覚悟がいる。ケランチム(韓国の卵焼き)を気休めに食べてすぐにトイレに向かう。
マナーとしてデザートまでは席を立たないのが基本とされているがこのような緊急事態は例外だ。毎度の食事がトイレとセット。海外旅行は何よりもまずトイレの位置を確認してから行動するのがベテランというもの。旅慣れた頃にトイレのない観光地に赴いて夏の日差しの中冷や汗をかいたことが何度もある。人はこうして成長するものかと他人事のように感じていたが今は国内旅行がほとんどで、そのどこにでも大抵は赤と青の人型マークが鎮座している。ありがたい限りだ。
それから、「カフェイン」にも弱かった。
こちらはくだすことはないにしろ、どうも胃にくる。
学生時代に憧れのコーヒーを自宅で飲んだ時は午前中ずっと胸焼けがした。
その後に大事な予定がなくて良かったと心から思った。
朝の一杯に緑茶や紅茶も比較的危険。基本的に空っぽの胃にカフェインは禁物だ。
3〜4時間は対処のしようがない胃痛と気持ち悪さが残る。腸とは違って何もできないのが辛い。ただ苦しむことしかできない。
そのため基本的な飲み物は常温の水か白湯になる。冷えた水や氷入りの水は外食の時のみ。18歳まで暮らしていた実家に常備されているお茶は麦茶。カフェインがないのでお茶への耐性ができなかったのかもしれない。
カフェインを含むお茶は小学生の頃から大学生くらいまで茶道を習っていたこともあり抹茶を嗜む習慣があったくらい。
そんな私が社会人になってから紅茶にどハマりすることになったのだ。
カフェインは相変わらず苦手なので1日2〜3杯までを限度に茶葉を買って楽しんでいる。(現在進行形)
時々自宅で限度量まで飲んでしまい出先のカフェメニューに紅茶しか飲めるものがない時がある。そんな時はもったいないけど一旦紅茶を頼み飲み切らずにその店を後にする。ここであぁ胃の強い人はガブガブ飲めるんだろうなぁと羨ましく思う。
アフタヌーンティーなども危険が多い。ティーフリーという言葉を人生初めて挑戦したアフタヌーンティーにて初めて知った。好きなお茶が交換制のように飲み放題なのだ。恐ろしいのが、ホットティーはグラスではなくティーポットで提供されるのだ。1種類のお茶あたり3杯分ほど飲まないと次のお茶に辿り着けない。カフェインに弱い人は慄いてしまうだろう。結局その時は3種類のお茶を楽しむ…飲み切ることができた。もちろんその後は胸の辺りがずっとモワモワと気持ちが悪かった。同時に食べたパフェが甘かった&冷たかったことも影響していたかもしれない。
こんな不調続きな日々は気を抜けばずっとずっと続いてしまう。
弱くて繊細な自分に辟易するが、合う合わないをしっかりと見極めて万全な体調をキープしたい。好きなものを好きなだけ、というわけにいかないからこそ楽しめることもきっとあるはず。誰かの当たり前を幸せに感じ噛み締められる体質なのだと思う。