【サクライ雑記】温故知新なユニット、SILK SONIC
こんにちは、サクライです。
先週、二大アーティストによるコラボレーションユニットの楽曲が発表されたので、今日はBruno Marsと、Anderson .Paakという二人のアーティストについて、そして今回のコラボレーションユニットSilk Sonicをご紹介していきます。
Bruno Mars
既に日本国内でも説明不要なほどの認知と人気を誇るBruno Mars。
「ネクストマイケルジャクソン」の呼び声も高く、2009年末に客演したB.O.BのNothin' on Youのリリース以降は各種音楽賞の常連となり、世界的権威とも言えるグラミー賞においては11回受賞(27回ノミネート)という化物ぶり。
当時のサクライはというと、「こういうの聴いているやつがモテるんだろうなぁ」という感じで、そこまで自分の中ではヒットしておらず。笑
約一年後のデビューアルバム「Doo-Wops & Hooligans」収録曲で、先行リリースされていたシングルの一曲にDamian Marley(ボブ・マーリーの息子)の名を発見。
「Welcome to Jamrock」をはじめ、「Guru' Jazzmatazz vol.4」への客演、そしてNasとのコラボレーションアルバム「Distant Relatives」のリリースなど、親の七光りなんて言葉が浮かばないほどにコンスタントにその実力を発揮していた中、まさかのBruno Marsのアルバムへの参加というのが気になり、聴いてみると超衝撃!
ルーツレゲエ、そしてダブのマナーに乗っ取りつつも、オリジナリティを発揮するという素養の深さとスキルの高さに脱帽。
「これは今後もチェックしとかないといかんなぁ」なんて思うようになりました。
ちなみに同アルバムの収録曲、Just The Way You Areにて男性ポップボーカルパフォーマンスソングで、さくっとグラミー初受賞。
その後も音楽シーンの中心で活躍を続けている最中、代表作Ooh Weeで知られていたMark Ronsonのタイムレスなファンクポップサウンドにフィーチャーされ、グラミー二冠を獲得し、その存在感は決定的なものに。
(ちなみにこの曲は類似性の指摘が多く、訴訟が絶えない楽曲という不名誉な称号も)
そして圧倒的に認知度が広まったのが3rdアルバム「24K Magic」とその収録曲「That's What I Like」にてグラミー主要賞を含む7冠という大偉業を達成。
常に耳目を集め続け、時代の寵児として、まさに世界の音楽シーンになくてはならないスーパースターとなったのです。
Anderson .Paak
一方対照的に、妻子を持つ身でありながらホームレスも経験するほど苦労を重ねて成長してきた叩き上げのアーティストであるAnderson .Paak。
スペイシーサウンドの代表格とも言えるSa-Ra CREATIVE PARTNERSのShafiq Husaynにアシスタントとして雇われたことで、音楽漬けの毎日を送ることに。
2014年のファーストアルバム「Venice」、そしてアングラシーンにて絶大な人気を誇る音楽レーベルであるStones ThrowからKnxwledgeとのコラボレーションユニットNxWorriesのリリースと着実にキャリアを積み上げていきます。
その直向きな活動により、2015年に満を辞してリリースされたLAの最重要人物とも言えるDr. Dreの待望の(前作「2001」から約15年ぶりのリリースで、挙句の果てには出る出る詐欺呼ばわりをされて、実際にリリースされるまで誰も存在を信じないという)アルバム「Comton」への6曲参加という破格のフックアップを受けて一気に注目を集めました。(他にも過去Dr. Dreに見出されて活躍したアーティストとして、Snoop DoggやEminem、Kendrick Lamarの存在は言わずもがな)
その後も通を唸らせる精力的な活動は続き、2ndアルバム「Malibu」においてグラミー賞ベストプログレッシブR&Bアルバム、そしてベストニューアーティストにノミネート(残念ながら両方とも受賞はならず)。
Mac Millerのアルバム「The Divine Feminine」の収録曲「Dang!」での客演は、お互いにとってもターニングポイントとなるような名曲です。(2018年、Mac Millerはその才能を惜しまれつつ他界)
個人的にとても推したいのが、AppleのガジェットHomePodのプロモーションビデオ。
監督に巨匠Spike Jonze、主演には自身もアーティストとして活躍するFKA Twigs、そして音楽にはAnderson .Paakという顔ぶれ。まさに映像に引き込まれる素晴らしい作品です。
そして遂に、3rdアルバム「Oxnard」と「Ventura」を立て続けにDr. DreのレーベルAftermathからリリース。
2020年には「Ventura」がベストR&Bアルバム、Andre 3000を客演に迎えた収録曲Come HomeがベストR&Bパフォーマンスソングで初のグラミー賞をダブル受賞!
まさに「西海岸にその人あり」というイメージが遂に確立されました。
(ちょうどサクライが長野に引っ越す頃に上記の2枚はリリースされ、通勤の車で良く聴いていました)
Silk Sonic
ようやく本題。
3月5日に発表された楽曲が、この上記の二人によるコラボレーション。
お互いが積み上げたものが一つになるような楽曲に期待値が高まる中、年内にアルバム「AN EVENING WITH SILK SONIC」がリリース予定とのこと。
Bruno MarsはThe Hooligans、Anderson .PaakはFree Nationalsという、両者共にその才能を支えるバックバンドを有しているという共通点もあり、この新たなユニットでの化学反応がとても楽しみです。
James Brownのバックバンドを経てP-FUNKの中心人物となった、御大BOOTSY COLLINSもスペシャルゲストホストとしての参加とのことで、往年のファンたちも咽び泣くようなエモーショナルなアルバムを期待してしまいます。
老若男女がタイムレスに楽しめる名盤の予感しかない本作、早く聴きたいのはサクライだけではないはず。
2021GRAMMY AWARDS
今月14日に開催される第63回グラミーアワード。
先日、式を彩るパフォーマーが発表されたのですが、それに対してSILK SONICの二人が自分たちも出演させて欲しいと直談判。
各種SNSでファンを巻き込んだ大盛り上がりを見せて、なんと最終的にグラミーの公式アカウントから正式オファーにて追加決定。
デビューライブがグラミーアワードのパフォーマンスという恐ろしい幕開け。
ちなみに、Anderson .Paakは昨年BLACK LIVES MATTERの抗議活動として発表したシングル曲「LOCKDOWN」にて、ベストメロディックラップパフォーマンスとベストミュージックビデオの二つの賞にノミネートされています。
そしてバックバンドのFree Nationalsも昨年リリースしたアルバム「Free Nationals」にて、ベストプログレッシブR&Bアルバムにノミネート。
ThundercatにJhene Aiko、そしてRobert Glasperと大大激戦区の同賞ではありますが、もしダブル受賞ともなればSILK SONIC旋風に拍車がかかること間違い無し!
今年も見どころ満載のグラミーアワード。
「政治的な絡みを感じる...」という意見も一方である中、ノミネートされているアーティストたちの受賞発表の際の狂喜や落胆からは、自分たちが込めてきた本気というものが否応無しに伝わってきます。
年に一度のお祭りとして、せっかくなので楽しみましょう。