こういうのでいいんだよ『Stellar Blade | ステラーブレイド』
ゲーム概要
プレイ状況
プレイ時間35時間で1週目クリア
トロフィー獲得状況:35/45
サブクエスト、魚、缶はコンプ
以降ネタバレありです。
様々なコンテンツのいいとこどり
本作をざっくり言えばスタイリッシュ美女SFアクションだ。
そして様々なコンテンツから影響を受けていることも明白だ。
例えば、主人公であるイヴはリアル寄りのモデリングでありながら美しくセクシーに作られている。
さらに本作の登場人物のほとんどは体組織が機械となっていたり、荒廃した地球を舞台にネイティブと呼ばれる敵と戦っていく構成、そして黒幕がAIであるという点など、明らかにニーアシリーズを彷彿とさせる。
また、ゲームシステムにはソウルライクな回復アイテムの補充制や篝火的システムが取り入れられているし、アクションのスピード感やパリィ、体幹要素はSEKIROの操作感にだいぶ近い。
その他にも世界観や設定、システムなどの随所に様々なコンテンツ(例えばエヴァとか攻殻機動隊とかメタルギアライジングとか)のいい要素を取り入れている一方で、テンポを損なわないインタラクションや適度な規模のダンジョンなど、小綺麗にまとまっているのでカジュアルにSFアクションを楽しむことができる作品となっている。
ではオリジナルな要素がないかというとそうでもない。
個人的に特に気に入っているのは髪の毛の挙動だ。
本作ではポニーテールのショートかロングを選択可能だが、ロングの時の髪全体の挙動がとてつもなく細かく作られている。
風にたなびく様子や体に対するコリジョンもあり、自然な動きをできるだけ再現しようとした努力を感じる。
それもそのはず、以下のインタビューではロングポニーテールがなければ開発が1年間短縮できたかも、と開発者に言わしめるほどだ。
またそのほかの収集要素も充実しており、釣りはもちろん、旧時代の飲料缶の収集、そして色違い含めれば70種にも及ぶコスチュームなどゲームプレイを飽きさせず、かつプレイヤーの好みに見た目をカスタマイズできる要素も充実している。
さらに演出面でも完成度が非常に高く、キャラを引き立たせテンションを上げるシーンづくりが抜群にできている。
👇例えばこれ、最高のボス戦導入シーン
音楽も個性的で、フィールドやボス戦BGMは印象的なものも多い。
ただレイヴン戦BGMはちょっと面白さが勝ってしまった(サイバーパンク2077のPONPON SHIT思い出した)
妥協点はあるが初コンソールゲームとしては十分
とまあ本作は「こういうのでいいんだよ」という要素を様々取り入れ、さらに独自のこだわりも込められた良ゲーだ。
一方で、少しずつ痒いところに手の届かない要素もなくはない。
具体的には以下の点だ。
ミニマップがない→アプデでコンパスの常時表示は可能になりました
一部のメインストーリーのダンジョンで武器が銃に限定され、スキャンができなくなる
一部の落下死などが直前リスポーンではなく、セーブ地点からの復活になる(高所でのジャンプギミックで失敗したときのリトライが辛い)
バトルでのパリィやジャスト回避のタイミングはギリギリだと間に合わない。ちょっと置きパリィ、置き回避気味になる。
シナリオの既視感が拭えない。イヴたちがアンドロエイドスだというのもネイティブが元人類だというのも、アダムがエルダーネイティブだというのも、何一つ驚きをもたらさなかった。シナリオ上のオリジナルさはもう少し欲しかった。
と気になるところはあるが、そもそも開発元としてはこれが初のコンソールゲーム、それも本格アクションでありながらこれだけの完成度のものを出してきた時点で十分に評価できる。
ボリュームもアクションゲームとしては多いほうだと思うし、周回要素もある。
(エンドコンテンツは欲しいかも。DMCのブラッディパレス的な)
続編があるかはわからないが同開発元の今後のゲームにも期待したいところだ。