ミッドサマーをやっと見た。
タイトルにある通り。
ミッドサマーをやっと見た。
公開時、ツイッターやネットで怖いとか不快とかめちゃくちゃに煽られていた本作品。ああいう強くてシンプルな言葉で勧められるものってすごく見たくなるし、普段映画を見ない層が見に行くきっかけにもなるので場合によってはいいなと思うけれど、このタイプの作品はきっと難解だし、説明がほとんどないし、行間を読み取らなければならない映画だと思う(まだ見てなかったけど)ので逆に見たことで映画離れや疎遠になる人もいるのかなと思っていた。なんか面白そうな映画があるらしいよ!なんて言って、初デートでこれを見て自爆したカップルは何組ぐらいいるのだろう。めっちゃ気になる。意味深なことを言うが、アリアスターありがとう。
数カ月前にヘレディタリーを見て、不快感や違和感は感じたものの怖いとは正直思わなかった。映画だけではないが、作品は鑑賞する人の価値観や経験値、死生観でだいぶ感じ方が変わるものなので私自身は悪魔崇拝とかが特にはまることができなかった。韓国映画のコクソンもその理由であまりはまりこめなかった。激渋な國村隼と踊り狂うファンジョンミンを見るための映画だと私は思っている。
最近驚いたこと:コクソン劇中に出てくる気の毒な牧師見習いみたいな人、新感染ファイナルステージでカンドンウォンのお兄ちゃん役の人だった。
あと見る人によってはめちゃくちゃ怖いと聞く、黒い家も私はあまり怖いと感じられなかった。感じ方は本当に人によるものである。
話を主題に戻すが、単刀直入にいうとめちゃくちゃ面白かった。
面白かったというと不謹慎だが、面白かったし、知識がないなりにも興味深く楽しめる映画だったと思う。
ネットで書かれていた失恋セラピーの意味がようやく分かったし、ああいう家族の形を欲していたのかと思うと腑に落ちた。
ミッドサマーを見て、思ったのは蝉の一生みたいだということ。
数年間、土の中で暮らし、外界へと出てきて蛹を抜け出すと、次の子孫を残すためだけの数週間を生きる。
オスはメスを惹きつけるために鳴き続ける。
メスは元より、鳴くための器官をもっていない。
オスは何度でも交尾ができるが、メスは一度しか交尾をすることができない。
こうして限られた(選ばれた)蝉だけが、次の生へと繋いでいく。長くて短い一生。
そんな儚さと空虚な雰囲気がたちこめる映画であるし、ゴア表現やホラーの要素も楽しめる。ゴア部分はハウスジャックビルドやドラマ版ハンニバルを思い出させた。
なにより音がめちゃくちゃ怖かったので、これは映画館で見るべきだったなと少し後悔している。また再上映の機会があれば、見に行きたい。
余談だが、去年のハロウィンだったかシネマート心斎橋のスタッフさんがミッドサマーとテネットのコスプレをしていたのがすごく素敵でよかった。時々ふと思い出す。
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