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なぜ移住を決めたのか

それは
妊娠を機に見える世界が変わってしまったから。

当時はまだ「コロナ」がなかった世界。


東京での暮らしも仕事も
夫婦2人で快適に楽しく過ごしていて
なんの問題もなかった。

が・・・

妊娠して気づいたこと。

東京は時間の流れが早い。
みんな時間に追われ、
周りの人のことに気を配る余裕がないように
私には見えた。

狭い歩道の横を
どんどん車がスピード上げて走ってく。

歩道には
横一列に並んで楽しげに話す中学生たち。

ベビーカーを通るだけの歩道すらない。

元気な人に適した街なのだと痛感した。

そんなことを感じている時、
夫が移住を考えていると言ってきた。

電車の中で
妊婦の私が来たら
寝たふりする中年男性を見て、
こんな場所で子育てしたくないと。

確かに
ドイツでもロシアでも
女性が電車の中に乗ってきたら
すぐに男性は立ち上がってた。

男性は座ってるのが恥ずかしいのだと言う。

教育なのか、歴史的背景なのか。
ヨーロッパに行って
男性と女性の在り方が随分違うのは肌で感じた。

ただ
ヨーロッパから戻って気付いたこと。
日本の男性は
働き過ぎで余裕がないように見える。

出産後、
ドイツでは当たり前のように
父母共に育休を取る。
日本では
赤ちゃんが産まれたら
父親としてしっかり働け!が主流。

初めて産まれた赤ちゃんとの時間を
共に過ごせない葛藤も夫にはあったのだと思う。

子どもが生まれ
このゆとりのない環境下で
育てるのは幸せなのか。

子どもが生まれると安定した生活を
と考え、環境を変えることに躊躇してしまう。

子どもにとって本当に必要なことは何か。

金銭的に安定した生活か、
親自身、心にゆとりがあり
家族で豊かな時間を共に過ごすことか


東京の子育て支援センターで臨床心理士として働いてきた。

そこで見えてきたことは、
ワンオペのママが多いこと
ちょっとした悩みを吐き出す環境が乏しいこと
インターネットの情報に頼っていること
自信のないママが多いこと

子育てに正解はないと言われる。
でも、正解を探して悩んでいるママが多いと感じていた。
それは、健やかな成長を願うママ心から来ている。
インターネットの情報は参考になるが、正解ではない。

では、どこで「これでいい」という折り合いをつけるか。

それは、夫婦で話し合いながら
唯一無二の自分たちの家族をつくっていくことだと思っている。

だからこそ、私たち夫婦は移住の話か出てから
すごくすごくいっぱい話した。

私たちのベストな生活、家族の在り方。

東京は質の高い教育も多く
学べることはとてもあるが、
学ぶことは人からだけではない。
自然は気づくと色んなことを語ってくれる。

私も夫も生まれは都会だった。
でも、お互い小さな頃から
悩むと必ず自然の中に身をおいていた。

人には、
いるべき場所とタイミングがある
ように思っている。

その地でやるべきことがあると
言った方がいいのかもしれない。

その当時、東京での「やるべきこと」は終わったような感覚もあった。


夫と移住を考えるタイミングが合い、
子どもがまだ1歳と小さいからこそ豊かな時間と自然を体験してもらいたい。

そもそも私たち自身が自分達らしくいれる場所、
私たちの終の住処は自然豊かな場所だと確信し、
移住計画が始まった。

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