わたし遺産

2017年3月9日 10:21

ありがたいことに大賞に選んで頂きました。

自分と向き合うことから逃げた挙句、自分と向き合わざるを得なくなって、つらいことを隠したり見せびらかしたり、いそがしくしながら生きていたあの頃の自分を、今も時々思い出します。

国語科準備室に差し込んでくる夕日や、先生の黄色いブルゾン（先生はとてもお洒落でいらっしゃいました。）、わたしの丸い膝こぞう、たくさん腕に巻いたブレスレット。

断片的な映像を繋ぐとき、慈しむようなきもちが湧き上がるのをわたしは止めることができません。

あの頃のわたしから見たら、30歳のわたしは平凡でしょうか。待ち望んだ何かを手に入れているように見えるでしょうか。

いつも答えはわたしの中にしかなく、わたしの中に見つからないことも多々あります。

それでも明日、わたしは仕事にいきましょう。誰かの、いいえ、自分の背中を、少しでも押しに、仕事にいきましょう。

お読みいただき、ありがとうございました。

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