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大自然と4つの宇宙
ご褒美のような1日がふってきた。
山の上の公園、まだ夏みたいな日差しと秋の気配を含んだ風。ステージの上の小さな宇宙で、奏でられる音楽たちは、どうしようもなくわたしの心を掴んで離さなかった。
ずっと聴いてきたカネコアヤノ、くるり。まだまだ聴き始めたばかりの、折坂悠太とフィッシュマンズ。
全然違う4つの宇宙と秩父の大自然が、この世にひとつだけの世界を創り出す。
知らない曲も、リズムを受け取って、少しずつ体を揺らしてみる。知らない曲の知らないメロディなのに、どんどん馴染んで、夢中になって、わたしと音楽がひとつになる。そんな心地の良さも、知らなかった。
ふと、鬱々とした日々を過ごしていた、夏が始まるまえの霧の中のわたしを思い出す。あのとき、涙ばかり出て、大好きだった本も音楽も、響かなくなってしまっていた。
でもわたしはこんなに、美しさをわかるくらいに回復した。回復したことが、こんなにも嬉しい。
まるで、音楽がわたしを祝福してくれているようだった。
色を無くした世界が色づいて、どんどん歌詞が、音楽が、まっすぐわたしのもとに飛んでくる。泣いていた心の中のわたしに、手を差し伸べてくれる。
世界にはまだまだ美しくてあたたかいものがたくさんある。光が、色が、音が、溢れている。
いい風が吹いていた。
苦しい夏を超えたわたしは、きっとここから始まる。
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夏のおわり、秋のはじまり
WIND PARADE 2022
折坂悠太
くるり
カネコアヤノ
フィッシュマンズ