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"火葬式"を通じて

突然の訃報

その日は地方に単身赴任中の父に代わり、私は父の弟のガン疑惑を明確にするため病院の付き添いに行っていた。医者に「親族とご一緒に検査結果をお聞きください」と言われたとのこと。加えて、叔父は外国籍で日本語が得意ではなく、通訳する必要があったため私が呼ばれた。結果、ガンではなく別の病気説が浮上した。検査は続くが命に別状がないことを知り、叔父はひどく安堵した。もちろん私もひとまずは安心した。

引っ越したばかりの家に着き、父に検査結果を電話で報告した。父も安堵していた。
私は肩の荷が降りた気持ちになった。まず、身近にガン疑惑が出ることがはじめてだったからだ。そこで通訳すると言っても私のスペイン語は小学校低学年レベルで止まっている。しかも風邪を引いても医者に診てもらわないくらい病院嫌いだし、というか医療知識皆無だし、考えれば考えるほど「私がこんな重要な任務を引き受けて良かったのか?」と心配が膨らんでいたのである。
父との電話が終わり、何とか任務遂行できた安心感とこの数日睡眠不足気味だった私は昼寝をかました。2時間くらい寝ていたと思う。

何となく起きてスマホを確認すると、父から不在着信があった。LINEも開いてみると「母さんの姉さんからおばあちゃんが亡くなったと電話がきた。お母さんにも電話してくれ。」と着ていた。私が起きる1時間前のことだった。

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