My Bloody Valentine の『loveless』をもう一回聴いてみた編
こんばんは、内山結愛です。
ディスクレビューnote200枚記念企画!もう一回聴いてみたシリーズ!
今回は My Bloody Valentine の『loveless』をもう一回聴いてみた編をお届けします。
歪む轟音ギター、退廃的で甘さのあるメロディ、楽器の一部として溶け込む幽玄な歌声。
シューゲイズの金字塔的一枚。
ぜひ、読んでみて聴いてみてください!
↓『loveless』1回目のレビュー
1 Only Shallow
冒頭の4発のスネア本当好き。この始まり方をする曲聴くと、マイブラの影響受けたのかなって思っちゃう。このスネアの後に襲いかかってくる轟音ギターでマイブラの音楽を説明している。色々勉強したけど、何をしたらこんな音がギターから出るの!?って毎回ビックリする。初めて聴いた時の自分の感想「ギュインギュインしてる。」←わかる。退廃的で甘さと色気が漂うメロディ、埋もれて音に溶けこむようなボーカル、気持ち良い…。4:00〜現実ではない。
2 Loomer
歪みまくりの地鳴りみたいな轟音ギターが押し寄せてくる。歌声の神々しさがより際立つ。女神。0:41〜ここのギターのメロディ好き。歌詞も抽象的で曖昧。ギタービリビリ。初めて聴いた時の自分の感想「優しい。後ろにノイズっぽい音が聴こえる。」の二文で終わっていて面白い。
3 Touched
最初に聴いた時も思ったけど、本当ゾウの鳴き声みたいな音。白昼夢?この曲だけはドラムのColmが叩いていて、その他は体調不良で叩けず、この曲以外のドラムはKevinによる打ち込みがほとんどだったとか。本当にこのアルバム作るの大変だっただろうな…
4 To Here Knows When
好きな曲。光に包まれる。轟音ギター、うねり方が生き物。感電しそうなくらいノイジーでビリついている。歌もギターもリバーヴたっぷりで物凄いギャリついてはいるけど浮遊感がある。この曲聴くと毎回キラキラのイルミネーションに包まれて、妖精たちが華麗に舞っている想像しちゃう。3:41〜ヤバい音がギターから出ている。綺麗だけど全然不穏。歌声とギターが一つになっている瞬間が何度もある。
5 When You Sleep
フレーズのループから連れ出してくれる閃光のような、ポジティブなギターフレーズ。頭から離れなくなる。この曲も好き。歌声のハモリが好き。最初KevinとBilindaがハモってるのかと思っていたけど、Kevin一人の歌を、回転数を変えて高くしたり低くしたりしたものを重ねているだけらしい。そうなの…!?歌詞とか凄くピュアでロマンチックなのに。このアルバムずっと繋がっているのが良い…
6 I Only Said
印象的な荘厳中華街ギターフレーズ。歌声のウィスパーっぷりがもはや砂嵐みたいな音質。インタビューでKevinが「ニルヴァーナみたいに歌いたいけど、咳き込んじゃってできないから。」と答えていた話を思い出してニヤニヤした。声を楽器の一部として捉えて、囁き声というよりはボサノヴァ的に歌っているんだとか。ノイズの中を潜り抜けていく幽玄なボーカル。このまま終わらないんじゃないかと思えるほどに延々と繰り返される荘厳中華街ギターフレーズ。
7 Come In Alone
この曲の全体的なメロディが好き。サイケデリック。スネアの連打好きなんだろうな。私も好きなのでいくらでもやって欲しいです。空気感はとても晴れやかなのに、見逃しそうなくらいの一瞬の鬱があって、そこが好き。
8 Sometimes
鋭く重たく歪んでいる。優しくただそこに居てくれるKevinの歌声に癒される。陽が沈んでいくような、どこか寂しい感じ。4:15〜マイブラ製の「蛍の光」かと思った。ジリジリノイズ。
9 Blown A Wish
突如華やかな別世界に飛ぶことちょいちょいある。ギターの甘い歪みとBilindaの女神ボーカルで、三途の川が見える。三途の川ミュージック。音自体の揺らぎが強烈で視界すらもグラつくような感覚がある。危険。コーラスでさらに意識が上空に舞う。
10 What You Want
メロディは明るいのに、どうしてこうも切なくてちょっと不穏なんだ。好き。フルートがささやかに華やかで素敵。歌声主メロとコーラスが絡まり合って溶け合っている。たしかに声も楽器になっている。4:50〜次の曲への架け橋的アウトロパート幻聴みたい。
11 Soon
最後の最後にガッツリ打ち込みダンサブル曲を持ってくる構成、何度聴いても新鮮。Brian Enoに「これ以上に曖昧で不明瞭なものをぼくは知らない」と言わせた曲らしい。踊れるシューゲイズ。きっとどんなジャンルの音楽を取り入れてもマイブラ風味に、マイブラらしい音楽になりそう。4:07〜打ち込みから「ギュイィイイイ〜ン」って入ってくるギター好き。終盤ずっと「ハァ〜ハァ〜」しているコーラスでトリップ。
My Bloody Valentineは1984年に結成されたアイルランド出身のバンド。バンド名はカナダのB級ホラー映画「血のバレンタイン」が由来している。メンバーはKevin Shields(Vo、G)、Bilinda Butche(Vo、Gt)、Debbie Googe(B)、Colm Ó Cíosóig(Dr)。本作は1991年にリリースされた2ndアルバム。
ウワァ〜〜〜〜
1回目のマイブラレビュー、1行2行で終わってたのに…!!色々感じられるようになって嬉しいです。
『loveless』は自分にとっても本当に特別な一枚で、沢山調べたし、沢山聴いたし、沢山話したし…私にはむしろ愛しかないのです。
約25万ポンド(当時日本円で約4500万円)とレーベルを潰しちゃうくらいの制作費がかかっていたり、BilindaとKevinの恋愛関係は破綻していたり、他メンバーも病気など色々大変な状況で、ほとんどKevin一人で作ったという、とんでもないアルバムでもあります。
いくつもインタビューやディスクガイド本を読んだけど、その中でKevinが「絶え間なく"わかって"いた」という状況で作ったと話していたのが印象的。
…内山も“わかり”たい!!!!!
この先も年を重ねるたびに聴いては、何を感じるのか確かめていきたい一枚です。
CDを持っている写真はあえて同じ構図、服装で撮ってみました!どうですか!!!
大人になっている!!!!(なっているよね…!?)
そんな見た目の変化も次から楽しんでみてください!
もう一回聴いてみたシリーズ!まだまだいくぜ!
次回は Joy Division の『Closer』を聴いてみた編をお届けする予定です。
最後まで読んでくださり、有難うございました。