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BLANKEY JET CITY の『BANG!』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は BLANKEY JET CITY の『BANG!』を聴いてみた編をお届けします。

限界まで研ぎ澄ましては剥き出しになった言葉、緊迫した歌声の引力、容赦無く胸を切り裂くような演奏。

狂気と繊細さが危ういバランス感覚で成り立っている一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

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1.RAIN DOG

ハードボイルドなギターリフだ…痺れる。イントロから刺々しくスリリングな感じがして、一気に引き込まれる。ウェスタン風味。歌声が少年みたいでピチピチしてるのに、鋭く斬ってくる。ポケットにナイフを忍ばせて学校に行ってそう。2:15〜少年が獣みたいな声で吠えている。人は興奮するとどうしても犬になってしまう。「クリームの夢」というものを見てみたくなる。
タイトルはトム・ウェイツの「RAIN DOGS」が由来しているらしい。

2.冬のセーター

自殺ごっこして死んだフリをする孫の歌。こんなテーマを歌っていることに気がつけないくらいギターがクールで太くて、ドラムも切れ味鋭くて格好良い。どうやって歌詞を考えているんだ…頭の中を覗いてみたい…。3:05〜この張り詰めた緊張感を出せるの凄い。ずっとどこか危ういボーカルから耳が離せない。あらゆる間奏の演奏がバッキバキに格好良い…

3.SOON CRAZY

冒頭の音はギターをブラッシングしている音らしい。声にならない叫び声が響く。ジャジーで妖艶。ベースラインがとってもセクシー…!ボーカルの言葉のリズミカルな切り方がグルーヴを生み出してる。「トイレのドアを開けたら男同士がキスしてたんだ そんな夢を見た朝に限って見つからない靴下」という歌詞、天才だ。格好良く英語でノッてる最中、突然「家に帰ってトムとジェリーを見ようぜ!」って言い出したりするセンス。ライブの定番曲らしく、これは生で聴きたすぎる…。

4.ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車

パーカッシブでワイルドなイントロ。シェイカーでノリノリになってしまう。ラテン風味。渋さがある…というか怪しげレトロ。このボーカルは誰にも真似できないな…って聴けば聴くほど思う。ギターの歪み方が怪しすぎる。ずっと怪しげな空気が途切れることなく次の曲へ繋がっていく。

5.絶望という名の地下鉄

怪しい音はオルガン…?「絶望という名の地下鉄に I love you 」の歌声とメロディ、危ないのになんだかキャッチーで中毒性高い。1:16〜ギターのキンキンした感じが最高。ヘヴィでノイジーな演奏に昂りが抑えられない…。不良の話をしている。低く太く唸っているベースの存在感。3:10〜この間奏気持ち良い。4:25〜ここの間奏も良い…ノイジーな演奏の中に、ピアノが転がっていく。悲痛な愛の叫びに胸が苦しい。
タイトルはテネシー・ウィリアムスの戯曲 「A STREETCAR NAMED DESIRE(欲望という名の電車)」が由来しているらしい。


6.とけちまいたいのさ

スローテンポもまた違った重みがあって格好良い。ギターもずっと格好良い…。0:40〜レゲエな?ギターのカッティング好き。1:30〜サビのメロディ、訳もわからず痛くて切ない気持ちになる。濁って不安定で、屈折してるのに美しい。

7.★★★★★★★

元のタイトルは、「人殺しの気持ち」らしい。これは確かに星で伏せちゃう。イントロのギターに沸々とした怒りや葛藤が乗ってる感じがする。本能的な叫び。中学の時同じクラスだった、どこか危なげで独特の空気を纏っていた同級生を思い出した。荒れ狂う歌声。誰も止められない。止めないでいい。苦しい……

8.クリスマスと黒いブーツ

哀愁漂うギターのメロディ。重たい疾走が気持ち良い。ギターが刻むチャカチャカが良い。変わっていく周囲と変わらない自分。葛藤が渦巻いている。ロックンロールだ。間奏の演奏の激しさ、頭掻きむしりたくなる。苛立ちが伝染してきた。

9.Bang!

「ブンチャ、ブンチャ」というリズムが楽しい。なんだか懐かしい。地声と裏声を自由に行き来する歌声。カウボーイの存在をちょいちょい感じる。曲が進むにつれて半音ずつ転調していくけど、どこまで行っちゃうんだ。Love me more!!!!

10.ディズニーランドへ

ディズニーランド…!?!ってディズニーランド??イントロ、全然ディズニーに行く感じの雰囲気ではない。歌詞を読んで、納得した。激しく掻き鳴らされるアコギ、こんな格好良いアコギ聴いたことない。歌詞が辛い。ずっと胸がチクチクする。この曲に登場する「友達」は、浅井健一(Vo.G)の実在する友人らしい(本当にノイローゼになって通院していたとか)。歌声も演奏もささくれ立って、勢いよく暗闇に突っ込んで行っている感じがする。痛い…痛い…悲しい…

11.2人の旅

イントロで両耳を何かがずっと通り過ぎて行く。この怪しげな雰囲気がクセになってきた。歌詞は希望に溢れて、楽しそうなのに漠然とした不安みたいなものがずっと付き纏ってくる。中盤から始まる長めのギターソロがめちゃくちゃ格好良い。ずっとやってて欲しい。演奏がずっと格好良い〜!!

12.小麦色の斜面

爽やかだ…!新鮮。軽快で躍動感溢れている。テンポが良い。浅井さんは日常的にかなり変わった夢を見ていそうな気がする。珍しく楽しげでなんか安心した。2:52〜ギターソロ好き、自由に暴走。吠える吠える。これが「破滅型ロックン・ローラー」。命尽きてしまいそうな歌声に圧倒される。

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BLANKEY JET CITYは、1987年に結成された日本のロックバンド。メンバーは浅井健一(Vo.G)、照井利幸(B)、中村達也(D)の3人。2000年に解散する。略称は「BJC」や「ブランキー」。浅井健一は「ベンジー」の愛称で親しまれており、その愛称は映画「グローイング・アップ」の主役に似ていたことから名付けられたという。


「凄いものを聴いたぞ…」と暫く放心してしまいました。

こんなに心掻き乱される音楽、歌、歌詞があるのか…!と衝撃でした。ガツンと来た…普段揺れない場所が揺れる感じがしました。

椎名林檎さんも熱烈なファンを公言しているらしく、「丸ノ内サディスティック」の歌詞に登場する「そしたらベンジー あたしをグレッチで殴って」は有名な私信だとか…!

推しに殴られたい願望あるのは、かなり…物凄く、愛が深いと思う。

椎名林檎さんがガチになるのも頷ける音楽でした。

BLANKEY JET CITYのほぼ全ての作詞と作曲を担当している、「ベンジー」こと浅井健一さん。

サウンド面はもちろん、歌詞の着想、どのようにしてあの言葉たちを生み出しているのかお話を聞いてみたい…!!!!と興奮しました。

浅井さんが生み出したあの歌詞のように、できるだけみんなが使ってない言葉で、音楽をレビューしていけたらいいな…

ドラムの中村達也さん、なんか凄く見たことがあるぞ…と思ったら映画にもドラマにも沢山出演していて、俳優も出来てしまうの!?と衝撃を受けました。

次回は THEE MICHELLE GUN ELEPHANT の『GEAR BLUES』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

最後まで読んでくださり、有難う御座いました。

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