「NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来」を読んでみた。
やかんです(自己紹介はこちら)。
この度、「NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来」を読んでみました。自分のメモも兼ねて、圧倒的主観にしか基づかない読書感想文を書いてみようと思います。
※このnoteはNFTについて全くの初心者で、本書を1周しただけの大学生が書いています。あくまで個人的な「感想」の域を出ないこと、あらかじめご了承ください。
※可読性向上のため、「だと思う」「な気がする」「と感じた」といった「あくまで自分の意見に過ぎないことを示す言葉」を基本的に省いています。あらかじめご了承ください。
本の基本情報
タイトルの通り、NFTを軸にした本。
2021年下期に出版された、新しめの本。
新品で2000円くらい。中古で500円弱で買える。
28人の著者が各自の分野について執筆する、という形式の本(オムニバス形式)。
本の印象
内容は面白いが、購入してまで読む必要はないと感じた。「無料で読めるなら読んでみようかな」くらいで良い。
オムニバス形式ゆえに、各分野の話に頭を切り替えるのが疲れる。読むのが大変で時間もかかる割にインプットしづらい。
多様な分野の話が取り上げられるが一つ一つの話題に深く立ち入らないため、「似たような話ばかりだ」と感じることが多かった(気のせいかも)。
個人的に面白かった箇所
本書の引用も交え、箇条書きで書いていきます。
P44の、NFTは目的ではなく手段であるという議論。
P45の、「NFTの本当の魅力は、NFTを保有してはじめてわかる部分もある」という考え。
P78の、ソシャゲのガチャにおける経済的・精神的負担についての内容(以下引用)が「やっぱりそうだよね」といった感じで面白かった(文脈は「この課題をNFTが解決する」というもの)。
P168周辺の、「NFTを所有する」ということについての議論が面白かった。以下引用(引用の中で、「タイプ1」は「NFTの画像データをブロックチェーン外で管理しているNFT」のことを、「タイプ2」は「NFTの画像データをブロックチェーン上で管理しているNFT」のことを表す)。
P172の、ビットコインやイーサリアムの活用における消費電力が大きく、環境負荷が大きいという議論。これに関して以下の引用が印象的(イーサリアムの環境負荷が大きいという文脈で)。
P181の、弁護士の方による「NFTの発行」の定義が綺麗だった。以下引用。
P184の、「NFTやその保有・移転の法的性質」の節が綺麗な論理で記述されていて、読み心地がよかった。
P231の内容が、普通に賭博罪の勉強になって面白かった。また、P230から始まる「ブロックチェーンゲーム等でリスクを生みやすいNFTの法的論点とは」の章は、コラムがとても面白かった。
P278の、「世界は無形資産に向かっている」という話が驚きだった。一部引用すると、「いま世界経済は、無形資産によって支配されはじめています」とのこと。
P286・P287の、「NFTは一過性のブームなのか」という議論において、著者の語りが鋭くて心地よかった。以下引用。
P295の、既存デジタルコンテンツに関する課題感の議論が「言われてみれば確かにそうだ」といった内容で面白かった。以下引用。
本書も踏まえ、NFT周りの印象
NFTの議論にはよくメタバースが登場するが、僕はもともとゲームをしない人だからか、メタバースの魅力がそもそもわからない。
「ものとして持っておく必要は本質的にはないのだが、仕方なくものとして保持するしかなかったもの」がNFT化の対象ではないだろうか。
NFTというより、その理論的枠組みである(?)ブロックチェーンの方が、自分の興味に合致しそうだと思った。
NFTは、その定義上「実物を所有する」という体験はできない。それにも関わらず所有したいと思うのは、「所有欲」じゃなくて「貢献したい」とかの熱意なのではないだろうか。
「NFT化できるから、とりあえずNFT化」というのは御法度と意識。たとえば、遊戯王は実際にカードを「ドロー!」とかしたい。
以上、読書感想文でした!最後までお読みいただき、ありがとうございます!
〜そのほかNFT関連書籍の読書感想文〜