飲み会を1,000回やって学んだ、「最高の飲み会」のつくりかた(長い)
(この記事は全文無料で公開しています)
これは何
人生を30年、会社員を10年やってきたが、飽き性であまりずっと続いてることがない。10年続いてることがあるとすれば相方との関係、書くこと、そして飲み会である。本稿では、20歳以後一貫して取り組んでいる飲み会についての1個人の知見を極めて真面目に記したい。ここ10年でだいたい週3-4くらいはコンスタントに飲み会をして、そのうち体感6-7割は自分で企画しているので1,000回以上は飲み会を主催してると思う。その経験をもとに学んだことを書きたい。
なお、査読をお願いした相方には「長すぎ。強いられないと最後まで読む人はいない」と愛の鞭(?)をもらった14,500字ですが、必要な際に参照され、どこかの誰かには染み渡る箇所があればいい(ダシみたいですね)と願い、そのまま出します。
飲み会とは
本稿では、あくまで個人が娯楽目的に開催する会について記している。従って会食といったものは対象外としている(そして私は普通に会食が苦手。同じ単位時間、友達と飲んでる方が楽しくない?って思っちゃう)。デートもシンプルな娯楽というよりも相手と付き合いたいといった目的があったりするので、対象外としている。人数は2人〜12人程度(50人くらいのケースも別途記載する)、基本アルコールを摂取する前提だがソフトドリンクのみの人がいる場ももちろん含む。時間帯は問わないが、9割は夜18時以降に開催されることが多く、また1〜5次会等はすべて含む。予算は五千-一万円/回程度。
なお別にどうでも良いが、私は同じ夜の1〜n次会を含めて1回の飲み会とカウントしてる。1次会はこうだったから2次会はこうで、みたいなバイブスの推移があり、その夜の体験は全体で決まると思うからだ。
また本稿は主に飲み会を企画する幹事を想定して記述しているが、参加者側の方も読んでいただくことで、よりOwnershipを持って臨んでいただけるのではないかと期待している。
飲み会のKPI
a. 最高の飲み会 = 盛り上がること
何事にも目標は大事だ。会社も、ビジョンやミッションといった長期的なものも根幹として大事だが、やっぱり目に見える範囲(例えば半年や1年)での到達地点を示すことが肝要である(ここ2年間そういう仕事をしていた)。その短・中期の目標をもっと分解すると、KPIというものがある。皆健全なマインドで日々頑張って働くのだが、日々の中には(二日酔いで)体調がよくないとか、(最近飲み会がないので)あまり気が乗らないとか、(飲み会の企画など)プライベートが忙しいといった個人の事情がある。その中でも会社の目標に与するように働いていくためには、わかりやすいKPIがあって、それを日次や週次といった単位で、なるべく定量的にトラッキングしていくのが、会社として向かいたい場所と個々人の頑張りの方向性を揃える意味では有効である。
では飲み会におけるKPIとはなんだろうか。定量的と言いつつ急にふわっとした話になるが、それはひとえに「盛り上がり」である。会食等であれば、営業目的とか、XXの案件についての合意を得るといったKPIがある。一方あくまで娯楽目的の飲み会においては、自分及びその場にいる人が具体の目的を持たず盛り上がることがKPIである。定量化については何度か思考したことがあるのだが、個人でスコアをつけること以外には現状難しいと思っている。
一度、1ヶ月くらい自分の中で1-10段階で事後に飲み会がどれだけ盛り上がったかをスコアリングしてより盛り上げるためにはどうしたら良いか?を考えたこともある。だが、だからといって「今日は8を目指すぞ」といったテーマ設定にはならず(それより毎回ベストを尽くす)、結局は布団で二日酔いの意識が朦朧とした中、記憶の限り振り返るとい方式に落ち着いている。
「盛り上がり」なんてそんな曖昧なもの.. という方には、この本で言ってる「思い出は複利で効く」みたいなものと似たものと私は思ってるので、これを読んでもらったらいいかもしれない。私みたいに飲んだくれてる人だけじゃなくて、周りのちゃんとした人(複数人)にも刺さってたから多分納得感高まると思う。知らんけど。
(アフィリエイトリンクになっています)
余談だが、最近、盛り上がったなという飲み会のあとはたいてい寝癖が激しいという傾向があり、盛り上がりと寝癖は相関するのでは?という仮説を検証している。
b. 一番大切なこと
各論に入る前に1番大切だと思ってることを書きたい。それは、「自分が楽しむことがとても重要」ということ。基本的に娯楽目的にやってるわけで、あまり金銭や人脈とかを期待してやってるわけではない。コースで幹事様無料、みたいなものもなくはないが、良い店(値段が高いということではなく)には大体ないし、別に幹事としてもそれで儲けたいわけではない。
人数が増えるほど幹事の負担は上がる。私がいた10Xという会社では開発チームを「お届け」「お買い物」「お会計」というようにドメイン別に人をアサインしていたが、飲み会の幹事は「ご予約」「お誘い」「お会計」といった異なるドメインを1人でやることになる。体調不良でドタキャンがあるかもしれないし(10人に1人くらいはいる、これはシンプルに仕方ない)、誘った人が皆来るわけではないし、お金の回収漏れもあるかもしれない。
それでもなぜ幹事をやり続けるのか?
それは自分が好きだし楽しいからである。幹事なら場所も人も自分で決められるし、振り返りにより改善への検証も回る。そこから繋がる縁もあるかもしれない。時に感謝されることもある。でも基本は自分の時間で自分の身銭(と肝臓)を切って好きでやってることだと思う。
過去に何度か、疲れてしまって当日楽しみきれなかったなという経験もある。特に人数が増えると負荷が上がるので、例えばそういう時。別にお金もらってやってるわけでもないし、なんでやってるんだろう?と。その時に、自分がまず1番楽しむくらいでないと続かないなァということを体得した。呼ぶ人なり、行くお店なり、自分なりにワクワクする要素を作って(幹事なら決められるし)、当日はきちんと楽しむことが重要である。
なので当日は自分にタスク(例 お店とのやりとり、精算など)を作らず楽しむことだけに集中できるようにする。結局人は、楽しそうにしてる人といると楽しいと感じるものである。なので、自分が楽しむ環境を作り、当日楽しむことに集中しよう(と言っても気合いいれて臨むというより、単純に遅刻せず現れて飲んでればいい)。
余談になるが、学生時代に初めて海外留学した際、自分の誕生日や送別会を自分で主催するのが基本というのを知って驚いた。でも考えてみるととても合理的で、自分が祝いたい日に、自分の好きな人を呼んで好きな場所でやれるのである。送別会開いてもらえるのかな..ドキドキみたいなのも考えなくて良い。以来、日本でも自分の毎年の誕生日や送別会というものはほぼ自分で企画している。
飲み会の変数は3つ
本論に戻る。KPIが定まったら、あとはこの最大化を考える。「盛り上がり」というKPIを分解すると何になるだろうか。結論から言えば、飲み会の変数は3つである。「誰と」「どこで」「何する」である。
網羅的ではないが、いくつか参考として実際の例を踏まえたケーススタディも載せている。詳細は省いてるものの、実飲み会をもとに書いてるので、特にnot goodなものについては恥ずかしさや申し訳なさをグッとこらえて強い気持ちで書きたい。
1. 「何する」
「誰と」「どこで」はその言葉の通りなので先に3つ目の変数の「何する」について書く。「何する」というのは、その飲み会におけるコンテンツを指す。飲み会ゲームといったものというよりは、どういった話題を話すのかや、飲み屋なのかカラオケなのか、あるいは焼肉屋であれば「肉を焼く」という動きが発生する、といったことを指す。例えば仲良い大学の友人との同窓会の際に、ゆっくり話したい場合には結構(肉を焼くという)動きが発生する焼肉屋は適してないかもしれない。逆に会社の歓迎会など、互いに初対面の人も多い場では、しーんとした静かなバーよりも焼肉屋のように動きが発生したほうが、手持ち無沙汰にならず話が弾みやすいかもしれない。
これは往々にして「どこで」(店)に依存するため、完全な独立変数ではないのだが、「どこで」とは分けて観点として持っておくことが重要である。具体のアドバイスを下記に記載する。
1-1. 特徴のある店/ハコ
具体を上げるとキリがないのが、自分が飲み会を開催する際に考えるときに特に特徴があると思うハコは、焼肉・テラス・パブである。
焼肉は前述のように動きが発生することで話さなきゃというプレッシャー?を回避しやすい。
テラスは、外にいるほうが人間はオープンになる気がしており、これも人数が多めとか、はじめましてが多い場合に良い。ビアガーデンやBBQなんかは良い例である。ただ冬は寒いので、暖炉?つきでもあまりおすすめしない。
HUBに代表されるパブは、個人的にはもっと日本に増えてほしいと思っている。キャッシュオンで各々がカウンターで支払うスタイルは、まず幹事のペインno.1であるお会計(精算)のイシューを回避できるし、飲む飲まないも個人の完全自由というところが良い。かつ、カウンターにいくということで動きが生まれるため、特に人数が多い場合には話す人が固定化しないという利点もある。
1-2. テーマ
これは「何する」という変数の最大化のためテーマ・コンセプトをまず決めよ、といったことも考えてみたのだが、結論なくてよい。というか、盛り上がればなんでもいいのである。シンプルに「誰と」「どこで」「何する」の変数をそれぞれ最大化する方法を考えていれば良い。
ただ何かしらのテーマがあると、呼ぶ人や店が自ずと決まるというメリットが幹事にあったり、メンバーのOne team感・一体感が高まるという副次的効果もあるので考慮してもよい(呪術廻戦で自分の術式を宣言すると強くなるのに似てますね)。加えて、テーマ≒仮説となり、振り返りがしやすくなるというメリットもある。その場合でもテーマ(や術式)を宣言する必要は必ずしもなく、自分の中でも軽く持っておくくらいでもよい(部署横断でもうちょい仲良くなるとか、ビールの見識を深めるとかそういった程度のもの)。
余談だが、AとBを恋愛相手として繋ぐという会はかなり難易度が高いんじゃないかと自分は思う。それで合うケースは少ないし、紹介してくれた友人にも気を遣うし、逆にちょっと気まずいということもありそう。どちらかというと、複数人の場にたまたま居合わせたくらいのほうがAもBもラクなんじゃないかと思っている。最近も、自分が主催した飲み会で出会った2人が結婚したケースがあったのだが、自分はそもそも2人が話し始めた際には酔っ払って寝てたので特に貢献してないし、従って恩着せたい思いもない。自分が開催した飲み会で出会って結婚した人は結果的に5組いるのだが、1例を除いて自分が積極的に紹介してはないので特に貢献した気もしてない。素直にI'm happy for you~と思う。
1-3. ゲーム
「何する」で想起しやすい飲み会ゲームについて。個人的には未だに飲み会ゲームが好きだったりするが、店でやるのは店に迷惑がかかるし、誰かの家や旅行先でタイミングがあればする程度のものかなと思っている。なお先日私の送別会の際に同僚が「アメリカっぽいことしたい」という雑なリクエストに応えて準備してくれたビアポンは、もっと日本で広まったらいいと思っている
2. 「誰と」
飲み会は1人では成立しないので、誰と会いたいのかをまず考える。誰という個人でなくとも、部署の同僚や大学のクラスだとか、そういったカテゴリでも構わない。これは飲み会の起点なので、皆息を吐くように誰と飲みたいのかを考えると思うが、2点だけアドバイスを記載すると、「人数を意識する」、そして意外と「誰を呼ばないか」が重要だったりする。
2-1. 人数を意識する
同僚だとか、大学の友人等であれば、呼ばれてもあまり行きたくないケースは少ないのではないかと思う。その前提であれば、まあ呼べば呼ぶほど人数は増える。人が増えるとコミュニケーションの経路が分散するので、基本的にはn人がいる飲み会では各人と話せる量は 1 / n-1*となる。別にこれ自体が悪いわけではないし、むしろ2人(1on1)で話せる人はそこまで多くはないかもしれないので分散することが最適なことも多い。ただし、結構話したい場合にはそんなに人は増やさないことがその観点における「盛り上がり」が担保される確率が高く、従って誰を呼ばないかという観点が出てくる。一つの輪を保って会話ができるのは6人がMAXである。7人になると3人と4人に分散するし、10人以上であれば言わずもがなだ。なので、3人以上で密度を保ってOne teamで盛り上がりたい場合6人を一つの目安にするとよい。
*長すぎてどうなんだこれと思って査読をお願いしたバディのmetalunkから指摘をもらったのでこの場を借りてお礼します。THX!
2-2. 誰を呼ばないか
「誰を呼ばないか」はそのまま受け取るとなんだか感じが悪い言葉にも聞こえるが、別に仲良い人でもすべての場で呼ぶものでもないし、呼ばれた側も場違いに感じても嫌だし、幹事が悪いわけでもない。なるべく最適な場で最適な人と会うのが良い。この辺は会議に人をやみくもに呼んでも仕方ないし、あえて絞るといったところに通ずる考え方である。
他にも、この人とこの人はあまり仲良くないというものがあれば配慮したり、仲良くでも上司と部下にあたる人を一緒に呼ぶと部下が話しくいこともあるかもしれない。まあこの辺は考えだすとキリがないので、あんまり神経質にならなくてよい。とりあえず飲み会をやって、二日酔いになって、振り返りと学びを得て、また次の飲み会に向かったらよい。
2-3. その他「誰と」に関するアドバイス
その他具体的なアドバイスを箇条書きで記す
男女比: あまり気にしなくて良いが、例えば同僚でもまだあまり話したことが多くなければ、どちらかの性別が多数で一方の性別が1人、よりももう少し同性の人がいたほうが参加しやすいかもしれない。ただ人数合わせはお互いハッピーではないので、個人的にはそこまで気にしないようにしている。
飲酒量: 良い大人になれば飲ますといったことはないし、別に飲酒量とかソフドリだとかは気にしてなくいい。従って誰を呼ぶかを考えるにあたって想定する飲酒量はあまり考慮しなくてよい。ただ、前述で記載したように、「今日は量を飲むぞ」というテーマがあって飲酒量が多い人を集める日もあるかもしれない。私は数ヶ月に1回くらい、精鋭(?)を集めてめっちゃ飲むやつをやっていた。
関係性: 同僚・同級生といったわかりやすいタグを除けば、基本的に人との親密さはそれまで過ごしてきた時間の総量で決まる。この時間の総量は飲み会だけでなく普段の生活での接点も含む。親密さが高い人同士の会はあまり気にせず呼べるだろうし、そうでないケース(初めましての人がいる)では、自分または他の人がどれくらい間に入って会話を繋げそうか?も考えたほうが良い。肌感、そういう人は全体の1/3(例えば6人の会なら1人か2人)にとどめたほうが盛り上がる確率は担保できると思う。同僚・同級生といったわかりやすいタグがあれば、親睦を深めるという目的が全員で統一されてることが多いので、はじめましてばかりでも盛り上がる可能性は高い。
触媒: 言葉が適切かわからないが、はじめましてやバックグラウンドが違ってもスッと間に入るのがうまい人がいる。 別にコミュ力が超高い!という人でなくとも、そういうのが好きだったり、人なつっこい人。100人に1人ではなく、普通に5人に1人くらいいる。はじめましての人が多いケースでは、こういう人がいると盛り上がることが多くてありがたい。
3. 「どこで」
店・ハコは大事だ。前述のように店選びは「何する」変数に影響を及ぼすので、この変数の精度を上げることの意義は大きい。
するべきことはシンプルで、店を知ってれば知ってるほどよい。雑誌で見た店、人に聞いた店をメモする(私はGoogle Mapsにピンづけをしてる)。でもやっぱり1番は自分で行くのが良い。お店の雰囲気、味、値段、スタッフさんの様子がわかるからである。良い店でも、意外と雰囲気が思ってたのと違ったとか、スタッフさんの感じが違うとかはよくある。通り過ぎて気になった店は軽く中を覗いておいたりもする。
折に触れて友人に、要件を踏まえた飲み会スポットの提案を依頼されることもあり、ここで私の知見を結集した店のリストをご共有したい。
...ところだが、あまり参考にならなそう。
なので、エッセンスを紹介したい。
3-1. 回数を重ねる
仕事も一緒だが、やはり現場を重ねるのが1番いい。自分が主催であれ呼ばれた飲み会であれ、その時の正直な感覚を大切にしておく。良い店だったらピンつけるかメモしておく。
3-2. 調べる
日本なら基本的に食べログ、そしてGoogle Maps。Google Mapsは最初は微妙かなと思ってたが、最近はレビューの総数が増えたからか精度もよくなったと思う。まだ食べログのが信頼できるが、Google Mapsの星4-4.5はそのうち食べログ3.5くらいに互換できるのでないかと思う。どっちも見るのも良い。Google Maps 4+ AND 食べログ 3.5付近かそれ以上はあまり失敗しない気がする。
ちなみに個人的には味もそうだが雰囲気は結構大事だなァと思っていて、慣れてくると食べログの写真の[内観]タブやGoogle Mapsの写真で、初めての店でもある程度感度はついてくる。応用編としては、何度か行ったことある店であれば、席の位置(例: カウンターvsテーブル)によって少しずつ雰囲気は変わるので「どの辺りの席になりそうですか?」と聞いてみるのも良い。
3-3. 電話する
これが1番実用的なアドバイスかもしれない。経験上、電話の応対が良い店は良い店であることが多い。逆に、雑誌に載ってる店でも電話の応対が微妙なところは微妙なことが結構ある。飲食をしに店に行くわけだが、スタッフさんの対応がその店での体験に与える影響は大きい。誰が出るかはランダムかもしれないが、結構誰が出ても似たような対応になることが多い。飲食業界にいた身から言うと、これは実は店長(orオーナー)が店のスタッフに与える影響が大きく、それゆえこのように誰が出ても一つの判断軸になりうる。
なお、飲食店における予約という行為は、たとえ前日キャンセルは50%、と記載があったとしても事前にクレカ情報を提供するケースは稀であり、それゆえ店にとっては席を確保しておく=来なければ機会ロスとなるリスクを孕んでいる。逆に予約者からする、顔見知り等でない限りリスクの低い行為である。そのため予約の変更やキャンセルに伴う対応の悪さ(というよりも強めに牽制をされるなど)は仕方なく、判断軸から外すべきである。(そして予約の変更や遅刻があればこまめにお店に連絡しましょう)
3-4. 雰囲気を気にする
これは大してグルメではない自分の意見ではあるが、料理とかよりも内観/雰囲気を大事にすると良いと思う。もちろん料理はうまいに越したことはないし、お酒も種類が豊富な方がいい。でも大体の店にビール/ハイボールやその他のアルコールは一通りはあるし、毎回自然派ワインを堪能する必要もない。そして激安を除けば日本のピザや焼肉は大体うまい。
そもそも「良い店」とは会の趣旨によっても大きく異なる。同じメンバーでも、しっぽりしたい時もあればワイワイしたいこともある。10Xのyamottyは「ユーザーに向けてサービスを作るのでなく、ユースケースに向けてサービスを作るべし」と言ってたけど、飲み会もそんな感じだと思う(知らんけど)。雰囲気に影響を与えるのは内装とスタッフなので、前述のように食べログの写真の[内観]タブやGoogle Mapsの写真を見たり、電話の対応を参考にすると良い。
3-5. 得意なエリアを持つ
ほっといても行く近所以外に、いくつかエリアを決めて集中的に行ってみるのもいい。たいていの場合3人以上だと最寄りはバラバラということを多いので、都内どこでもいいという人は多い。思い切って今月やこの3ヶ月は〇〇エリアの店にたくさん行ってみるいうのをやると、知見が溜まりやすい。私は今年だと、神田に着目してやたら神田に行ってた時期があった。
同じエリアで複数の店を知ってるメリットは、行ったお店の人と話が弾みやすい(他の店を紹介してもらえたり)、2次会や3次会に行く時にアイデアが出やすいことである。
3-6. 打率は5-6割くらいと構える
行ったらみんながかなりげんなりした、というのは幹事としては避けたいが、思ってたのと違ったな〜というのはよくある。まあ世界のオータニでも打率は5割を超えないわけだし、失敗することもあるよなと構えて(ナイストライ)、また次の飲み会に向かえばいい。逆に5-6割くらいまでは高められるので、そこは精進頂くと良いと思う(何様)。
3-7. 四-五千円/人の店を探してみる
冒頭に記載したように私が主催する飲み会はたいてい五千-一万円/人が多いが、率直に言って予算が八千円以上/人になれば、良い店は一気に探しやすくなる(2023年現在)。無理やり一般化すると飲食店は変動費である原価と人件費がそれぞれ30%くらいなので、人当たりの予算が上がればそれだけそれぞれにお金を回せるようになるためである。
その中で、ぜひご飯+ある程度飲んで四-五千円/人くらいのお店を探すというトライを提案したい。別に皆(私のように)毎日飲んでるわけではないから八千円/人だと人が集まらないわけではないが、まあ安くすむならすむでまた別の会にも回せるし皆ハッピーだ。結構この価格帯で良い店はあるし、参加者の満足度も高くなることが多い気がしている。
主観では、グルメではなく集まって楽しむが主目的の飲み会は、六千円/回以下だと手軽だったなみたいな感覚を抱くので、私は四-五千円で探しつつ、この辺を一つの目安にしている(もちろん鮨食うとか良いワイン飲むといった会はそれでやったらよい)。
FAQ及びその他の各論
a. 二日酔いにどう立ち向かうか
最近退職したので、それまでの2ヶ月間、数日を除きほぼ毎日飲み会をしていた。それゆえ、同僚や友人がしきりに私の肝臓を気にしてくれて色々な二日酔い対策のブツをくれた。状況が毎回違うのでなかなかABテストが難しいのだが、とりあえず試行の回数だけは多いので、今現在での効果があると思うものを並べたい。
この画像の右から左の順で私は効くんじゃないかと感じている。
一番右のウコン超MAXは、皆さんおなじみのコンビニで売ってる液体のウコンなのだが、実はウコンは3種類あって(無印ウコン、ウコンSuper、ウコン超MAX)その最上位のものである。1本486円(税込)する。今日はかなり飲みそうだな、という日には飲み会前に飲むようにしている。他方で、これは気のせいかもしれないが、事前に飲んでしまうと酔いが回るスピードが遅くなるような気もしており、結果飲酒量が増えてしまうんじゃないかとか、なんか自分が盛り上がり切らないという経験が何度かあった。それ以来、ここぞという日には事前に飲むが、携帯しておいて間で飲むとかしていたりする。まぁこの辺は趣味の世界なので参考までに。。
また、ここには写ってないのだが、韓国製の「コンディション」というやつがめっちゃ効く。これは昔は楽天とかサツドラによく売ってたのだが、今はやたら値段があがってたりして中々手に入りにくくなってしまった。韓国には売ってるので、韓国旅行いった人はぜひ買ってきて私にください。ちなみに粉より液体のが効く気がします。
b. 50人など大規模の飲み会について
冒頭に、本稿が主に対象としているのは2-12人くらいの飲み会と書いた。コロナ中そしてそれ以後かなり数は減ったが、以前は50人規模の飲み会も年に数回やっていた。会社の全体の飲み会等ではなく、自分の誕生日だったり(友人を呼んでの)忘年会だったり、そういうやつだ。
そもそもそんな飲み会はやらないし行ったこともあまりないという人も多いと思うので、あまり参考にもならない気がするが、基本的にこういった大人数での飲み会・パーティーというのは2−12人の飲み会とは違うものとして取り扱った方が良い。違う種目である。
そもそもハコを探す難易度が一気にあがるし(店というよりも、Spacemarketなどで場所を借りたほうが便利)、当然50人全員とは話せない。なるべく準備や気も遣うが、全員が100%来てよかった、という状態にするのの難易度は高い。
その中でなぜ大人数の飲み会をするのか。
これは家庭内でも相方との1on1で何度も詰められて問われてきたし、特に「話せない人も多いのになぜ」というのは、今も100%納得できる回答ができるかは怪しい。それでもやっている(いた)のは、いくつか利点があるからだと思う。
今後会うきっかけになる: 話したことがあるのか0回なのか1回なのかの差分は大きい。その場では軽くしか話してなくとも、同じ空間を共有したという事実(なんならその時は話していなくても)が、その後2−12人のサイズの飲み会をする際に参加してみようとか呼んでみようというきっかけになりるかもしれない。あのときはxxでしたね、とかyyの人とどういう話をしたとか、会話の1つ目の種も作りやすい。少なくとも主催者やその他で共通の友人もいるだろうから、少ない人数で飲んでも怪しい人・変な人ではないだろいうという安心感にも繋がる。
一段上の盛り上がりを作れうる: シンプルに人数も多いので、全体の会話料や音量も上がることが多く、「盛り上がっている」感が生まれやすい。この「盛り上がっている」感というのは意外と重要で、普段知らん人と話すこと少ないけど、皆知らん人同士も話してるし自分も話すかというハードルを下げられることがある。
みんなと盛り上がらなくても良い: これは参加者側の視点だが、例えば4人とか6人だと、会話が分散せず1つの輪となることが多い。これは基本的に良いのだが、その中であまり合わんな〜とか、ハブになる人がいなかったりすると気まずくなることがある。その点、大人数であれば(席固定だったりすると難しいかもしれないが..)1人なり複数人なり、相手を変えていけることが居心地が良い場合もある。
2-12人の飲み会よりも人の紹介はしやすい: 恋愛の文脈なら特にそうだが、前述のように、ピッタリ人と人を繋げるというのは結構難易度が高いと思っている。特に「絶対2人あうよ〜」となって3人で会ったものの沈黙となると結構つらい(その場合でも居酒屋で2時間でなくカフェで会うという方法はもちろんある)。その点、大人数であれば、3で書いたように、同じ人とずっと話していなくても良いので、軽く紹介するということが主催者だったり、それ以外でもその場に元々知ってる人が多い人もやりやすい。
c. 飲み会の第4の変数
これはまだきちんと言語化できてないのだが、今でも思い出すようなめちゃくちゃ盛り上がったなという飲み会がある。そういう飲み会を紐解いていくと、どうも前述の3つだけではない何かがあるのではないかと思うことがある。2年前に書いた文章から大して発展してないので下記に転載しておく。下記で書いてる「爆発力」というのは、やっぱりそういう、想定していなかった流れを生み出す人(毎回ではない)というのがいるなと感じていて、そういう人を「爆発力」のある人と私は表現している。10人くらい思いつく人がいる。
d. まだ解決できてないイシュー
以前、飲み会の精算が大変だからスプレッドシートでひな形を作った話を書いた。これは手計算するよりはましなので、今も特に3次会以上までいった際には使っているのだが、やっぱりまだこの精算というのがつらい。
「どこで」「誰と」「何を」はある程度ハックした気がしているのだが、必ず最後に待ち構える精算というものがどうしてもハックしきれてない。「単純人数で割ればいいのでは」と言われることも多いし、実際それで特に不満がない人も多いのかもしれない。ただ、
そもそも誰がいつまでいたかわからない: 2次会や3次会のカラオケとかで顕著だが、誰がいつ帰ったのかわからない。個人的にはなるべくなら実態にあわせて傾斜をかけたいと思う(でも1 / 0.7 / 0.5の3段階を限度にはしている)ので大体よく覚えている・元気な人に翌日聞いて記憶のパズルを組み立てるのだが、願わくば起きたら全てが終わってる世界になってほしい。
決済手段が人によって違う: 直近いた会社の人はほぼ全ての人がPayPayを使っていたのでラクだったが、人によってはLINE Payしかやってませんとか、銀行振込でいい?といったゆらぎがある。以前〇〇ペイが全くなかった時代は、人は自分のメインの口座の銀行と一緒だと振込速度が上がるということを観測したので自分が全てのメガバンクの口座を全部作ったこともあった。その時代に比べれば今はマシだが、分散した現金を取りまとめるのは結構面倒である(手数料とられるの癪なのでSBI証券への入金 --> SBI銀行へのスライドをしてたが手がかかる)。
誰がいくら未払いなのか忘れる: 踏み倒そうという人はほぼ私は出会ったことないのだが、シンプルに忙しくて(or 自分が精算するのが遅くて)タイムラグがあると、誰がいくら未払いなのかがわからなくなる。前述のように、みんなPayPayやってるみたいなケースではマシっちゃマシだが、PayPayで誰が未払いみたいな管理をすることが難しい(データのエクスポートも私が認識している限りはいい感じにできない)し、そもそも精算が完了してない間に次やその次の飲み会を迎えることも多いので、そうなったらもう結構カオスだ。興味半分でこの前PayPayの履歴を見ていたら、120人いる前職の会社のメンバーのうち80人以上とは少なくとも1度はお金のやり取りをしていたので、社内の飲み会でも辿るのが大変だった。
.. といったつらさが今も残っている。しかもただでさえ二日酔いでしんどいので、これは結構つらい。気にし過ぎかもしれないが、一人が忘れたりとか精算額のモレがあると、精算した人には相応の額がヒットするので、幹事やるの損だなと思ってしまうかもしれない。どこのコミュニティにいっても飲み会を主催する側の人が2割、飲み会に参加する側が8割なので、この2割が減ってしまうこと避けられるのであれば避けたい。もはや自分は定期的にbad debtとして家計簿処理をすることに慣れてきているので良いのだが、全国の新米幹事(?)の方が幹事もう嫌だな〜と思ってしまうのは残念だなと思う。
また、参加者側も、そんなに気にする人は少ないと思いつつ、「すぐ帰ったけどフルでかかったな」というのが重なると、飲み会いく気持ちが下がるかもしれない。まあ気にし過ぎな気はするのでこの辺でやめますが、もしテクノロジーの力でこの精算のつらさを解消できるのであればしたいし、興味がある人はいつかなんかやりましょう。前職10Xでの退職前1on1で1時間飲み会の話を聞いてくれたsotaくん、お会計チームのyamakazu、数理最適化の鬼のmetalunkもきっと手伝ってくれるはずです(承諾はとってない)。
最後に
最近やった会社での(自分の)送別会、同じチームのmaechanが「手伝います!やりたいように言ってください!」と言ってくれたナイスガイぶりに対してガッツリ要件定義をしにいったザマが出てきたので貼っておきます。
みんな飲み会しようぜ!でも俺みたいになるなよ!!
最後に2
コンサル時代、最終プレゼンの報告資料のタイトルの語尾を"_v122"から"_vFINAL"に変えた後に変更が走り、"_FINAL2"として怒られたことがありました。でも今はその仕事をしてないので怒られることもないなとほくそ笑んでます。フフフ
この記事は自身の10年間の身銭と肝臓への圧が、全国の飲み会のなにか参考になればと思いで書いてますが、まあなんか役に立ったということがあれば投げ銭は歓迎です。1週間前にカナダに移住したので、こちらでの新たな飲み会の糧にさせていただきます。あと「やっべ、あの時の飲み会払ってねえや」って友達は迷わず課金してください。
※全文無料で公開しているので課金してもらっても下記の有料箇所は空欄です。価格は北米のkake-udonの価格を参考にしています。
ここから先は
¥ 550
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?