デーリー東北新聞社掲載「ふみづくえ」⑦|やってみそ
オンラインアルバムを見返すと、2018年からお味噌造りにトライしているようです。最初は1カ月分から始め、去年はいよいよ1年分を造ろうとしたものの、倉庫に保管していた熟成中のお味噌半分をネズミに持っていかれて達成できず。「今年こそは」と大袋2つ分の種をまきました。
うちの手作りお味噌は、当初より大豆を作るところから始めております。大豆は痩せた土地でも多少石がゴロゴロしている畑でも栽培できるのがいいですね。葉っぱが枯れてさやがカラカラになったら引っこ抜き、棒でたたいて豆を取り出します。この豆たたきと呼ばれる手法も、ツイッターのやりとりで教えていただいたように覚えています。初年は一つ一つ手でむいていて、あまりの労力に気絶するかと思いました。
そして数年前に、さやと実、ついでにちりも飛ばしてくれる唐箕を、解体予定の納屋から譲ってもらいました。電力要らずで豆だけを分別してくれる〝ハイテク〟機材です。階上町の民俗資料収集館には、唐箕のような人力便利農機具が他にもあるんだとか。いつか拝見させていただき、あわよくば使わせてもらえないかしら、などと思っています。どうですかね、人力農機具体験会。グルグル回すことにロマンを感じる人向け。
豆は菜園で作っていますが、麹は買っています。なるべく地産地消で賄いたくて、新郷村で作られているものを使用しています。最初のうちはスーパーで売っている小分けサイズでよかったのですが、そのうちお味噌3㌔分、5㌔分と増えていき、1㌔単位で取り寄せるように。あるんですね、1㌔販売。びっくりしました。さすがに麹は作れそうにないので、今後もお世話になると思います。お勧めのお手頃な地元麹がありましたら、ぜひX(旧ツイッター)アカウントの方までお知らせください。
そんなわけで、うちのお味噌はごくごく普通の造り方の米麹味噌なのですが、実は紙面を借りて情報を頂きたいお味噌がございます。その名も「玉味噌」。数年前に南郷の方で造り方教室があったそうなのですが、現在は開催されていないようです。麹の力を借りず、空気中の菌の力を借りて発酵させるタイプのお味噌だとか。インターネット検索でわずかにヒットする情報だと、それぐらいしか分かりません。煮た大豆を丸めて藁の紐でくくって軒下に吊るしていただとか、円すい形に整えて縁側に干しておいただとか、造り方も摩訶不思議なものばかり。合っているのかどうかも不明です。
以前ふみづくえに執筆されていた、菌のことなら何でも知っていそうな星野保先生に、なんとかこのコーナーをダシにコンタクトを取らせていただき、何か情報をもらえないかしら、などと不遜なことを考えており、ふみづくえを何だと思っているんだって感じです。申し訳ございません。
玉味噌の造り方を知っている方も、どうぞご連絡ください。
※余談。今年は異常気象のせいか、大豆がかびてしまい全滅でした。シクシク。
えらいことになりました。