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不動産・デベロッパー業界



⑴ 業界規模

不動産デベロッパーを含む不動産業界の市場規模43兆円を誇り、日本では自動車・建築・医療に次いで4番目の市場規模となっている。企業数は30万社を超え、全国に約6万店舗展開しているコンビニエンスストアと比較をしても、その多さは際立つ。その中でも一際大きな存在感を放っているのが不動産デベロッパーであり、業界首位の三井不動産や三菱地所を中心に、就活界隈では総合商社や広告代理店と並び、人気な業界となっている。

⑵ 事業内容

不動産デベロッパーの定義として、主に不動産の「開発」を担えるという点がある。特に、自分たちの所有している土地の開発に限らず、他の地権者(行政や企業、地主、地域住民など)の土地をまとめて、一つの大きな土地として開発を進めていく「再開発」という手法を取れる企業は、「総合不動産デベロッパー」と呼ばれる。もちろん、開発以外にも営業や管理といった仕事も行っている企業がほとんどだが、あくまでも「開発」がデベロッパーの特徴だと認識しておこう。

⑶ 代表的な企業

三井不動産
商業施設に強み。不動産の枠組みを超えた新規的な取り組みが多い

三菱地所
丸の内の大家。オフィス事業での安定的な収益基盤が魅力

住友不動産
業界一の営業力を誇る。経営戦略やオフィスの機能に強み

東急不動産
竹芝の開発など、業界を牽引する先進的な取り組みが多い

野村不動産
「PROUD」を代表とする住宅事業に強み。業界№1の地位を誇る

東京建物
八重洲エリアでの再開発案件による今後の躍進が予想される

森ビル
港区への集中的な投資により、世界に先駆けた先進的な街をつくる

森トラスト
ホテル事業に強み。穏やかで風通しの良い社風が魅力

NTT都市開発
 NTTとの連携によるITを絡めた開発に強み

日鉄興和不動産
地方開発や若手への裁量権の大きさが魅力

⑷ デベロッパー業界の魅力

デベロッパーの仕事とは、世の中に大きな影響力を及ぼす大規模物件を開発することであり、文系学生にとっては数少ない「モノを創造する」仕事であることや、その価値が目に見える形で長い間残り続けることが非常に大きな魅力となっている。
また、働き方という観点でも「30歳時点での平均年収が1000万円以上」になる企業も少なくない上に、ほとんどの社員が東京勤務を約束されていることから、非常に整っていると考えられる。

⑸ 採用される人材の特徴

デベロッパーは1社あたりの採用人数が30人に満たないことも多く、会社の規模に比べた採用人数は非常に少なくなっている。そのため、非常に狭き門であることは間違いない。そんな中、内定を取っていく学生は、高学歴や体育会などの派手な経歴を持っている人が必然的に多くなってくる。
ソフト面での共通点は、「調整力(交渉力)」が高いことだ。リーダーシップと言い換えることも多いが、他者を説得し、多くの人を動かした経験や価値観が異なる人との協業経験がある人は好まれる傾向にある。それは、デベロッパーという職業の業務上の特性に起因している。デベロッパーは若くからプロジェクトリーダーとして多くの関係者(ゼネコンや地権者、行政やコンサルなど)を相手に意思決定をする業務を任される。そのため、価値観や年代、利害関係が異なる相手(単純に説得の難易度が高い)と共に、何かを成し遂げた経験があると、活躍イメージが持たれやすい。

⑹ 内定を取るための行動

内定を取るための肝は「インターンシップとOB訪問」にある。元々採用人数が絞られているため、インターンシップにおける選考要素は非常に大きく、企業によっては内定者の過半数をインターンシップ参加者が占めるなんてこともある。また、事業や働き方に対する魅力から、志望者数自体は多くなっているため、ありきたりな志望動機では埋もれてしまう危険性が高い。志望動機を聞かない企業もある(三井不動産)が、聞かれた場合、より独自性の高い志望動機を作成するためにも、OB訪問の参加は必須であろう。(評価されている企業もある)街を歩く必要はない。

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