プリズム
透明な朝が照らすグラスの反射するひかりになれたらいいのに
いつかの呪い(まじない)がいつからか呪い(のろい)に変わっていた
ここから走り出したいよ
ぬるい湯船に溶けては肌に纏わりつく後悔
せめて今の僕だけでも愛せたらな
生きている僕らは
些細な言葉で
傷ついた心を
癒してやれないまま
夜明け前をたゆたうそれだけの容れ物に明日はやって来るのかな
吸って吐いて1と0を行ったり来たりでも前にちゃんと進んでゆけてるのかな
小さな花柄のクッキー缶に仕舞い込んだ優しさは錆びついてしまったけれど失くしてないよ
消えたいと願った
あの春待つ夜も
いつまでも僕らは
覚えているから
愛すべき日々が
柔らかいひかりが
どこまでも続くよう
願っているから