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hensinnoumi
2020年10月15日 02:40
浄化した魂はもう二度と還らないというこの世に傷をのこし私はそれを小さく舐めながらゆっくりと息を、開かない窓に掛けたカーテンが揺れることはない意思を持たぬ妖精に気づかれることもないぐおんと音を立て部屋を巡る風に命などない夜のうちに消えていれば消えられていればよかったのかと自問する眩しさに閉じたこころの奥の方で鳴る音がその行く末を見守っている風が吹いても息を吸い
2020年10月14日 02:06
濁った名前がとけてなくなるまできみのもとには帰らない海に行きたいななんて夜があったとして誰もいない海小屋のさみしい窓枠が光らなくてもちゃんと土を踏んで歩きたい裏切られた後ろ姿がたとえなくとも壁にうつる数字は映っては消え、消えては生まれ時間が経つことは悪いことじゃないだからきみのことはもうみていられない明日来るはずの朝が逆剥けで気づかなくとも春の魚がかえってくる