なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?
読了した。
タピオカミルクティーのブランド「春水堂」の経営者でもあり、ワークウェアスーツの経営者でもある関谷社長の本。
タイトルが「水道屋が」から始まるのでビジネス書っぽい印象で読み始めたが、読み終わった感想としては「考え方」や「思い」について書かれた本だった。
既視感のある文章、一貫した思い
読み進める中で何度か『あれ?この文章読んだことある?』という感覚に囚われた。挟んでおいた栞の位置を間違えたか?と確認したりもした。
既視感の正体は関谷社長のブログだった。
関谷社長は以前からアメブロで記事を書いていて。自分もたまに見に行っては新しい記事に目を通していた。今回の「なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?」という書籍も、このアメブロから引用した文章が多い。
というか関谷社長が普段の行動のベースにしている「思い」をそのまま書籍のコンテンツにしているから、アメブロと書籍で一貫した内容になってしまうんだろうな。
以前から、いくつもの会社を経営しているすごい経営者のわりにブログではとてもカジュアルに「今思ってること」や「これからやろうとしていること」を分かりやすく文章にしているなと感心しながら読んでいた。
書籍化にあたっても派手なストーリーをでっち上げたりという事は無い、いつも考えていることをそのまま書いたという感じで、良くも悪くも『いつも一貫したことを発信し続けているんだな』という感想。
そして、そこからうかがい知れるのは、この本に書いてあるいくつものことを普段から本当にちゃんとやってるんだろうなという事。
どうすれば時流を読めるか、という本ではない
次の時代に売れるものをどうすれば先読みできるのか、みたいなことについて解説してあるのかな?と思って読み進めたが、そういう内容ではなかった。
むしろ今は無い需要を作っていった人という印象。
春水堂のときもワークウェアスーツのときも、売れそうなものを探してたどり着いたなんてことはなく、偶然出会った素晴らしいサービス・製品・アイデアに対して「これを流通させて、みんなが普通に手に取れる世の中にしてやろう」みたいな思いから始まっている。
先読みではなく未来を作りに行く、そしてそれがヒットする。強運の持ち主か?とも思ったけど、読み進めていくとそういうわけでもないらしい。
ベースの思いと執念が未来を作っている
関谷社長の思いは一貫していて、基本的にいくつかのベースの考え方を繰り返し繰り返し発信しているに過ぎない、一部をピックアップすると、
・より良い未来を作りたいというビジョンを持つ
・モデルとなる人を見つけ、自分自身が成長する
・素早く行動する (失敗を経験することすら早い方がいい)
・常に考え続ける
・リスクを取ってチャレンジしなきゃ成長はない
・成功するまであきらめない
どれもシンプルで、言われてみれば当たり前のこと。でもそれらをちゃんとやれてる人って少ない中で、関谷社長にはちゃんとやり続けているという説得力がある。
そして当たり前のことをサラッとやっているように見せている裏側に何か執念のようなものを感じる。春水堂を日本に持ってくるときも、ワークウェアスーツを開発したときも、準備期間だけで数年を費やしている。その間に心折れずにやり続ける秘訣はあるのだろうか?その執念の源になっているのは、関谷社長の性格に依るところなのかも知れない。
まとめ
関谷社長のアメブロに目を通してみてピピッと来るものがあれば、この本を読む価値はあります。
関谷社長のベースの思いを自分の中にインストールしたら、あとは突っ走るだけ。心折れないように執念をチャージしつつ。
私からは以上です。
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