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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレィディみかこ を読みました。

—— 2020/5/20に記録 ——


大絶賛の大嵐。🌪
こんなにも人にお勧めしたくなる本は久しぶりでした。

(当時)大学生を卒業してから、2カ月が経とうとしているのですが、大学時代に所属していたゼミが恋しくなりました。
私のゼミは、文化人類学。
特に3年次は「同性愛」について研究していたので、
『タンタンタンゴはパパふたり』とオリバー君のセクシャリティと『ボヘミアンラプソディー』のあたりは、あぁと懐かしい気持ちにもなりました。
実は、この本も一番初めにお勧めしてくれたのも、ゼミの教授でもありました。


この本には、触れたいトピックが多すぎて、
なにから書けばいいのか迷子になってしまいますね。

まず、みかこさんの息子さんがかっこよすぎる!(語彙力のなさ)
息子さんが発したまっすぐな言葉に、はっとされた方、胸をうたれた方、きゅんとときめいた方、多いんじゃないでしょうか。

特に一番ぐっときた言葉は、
新しい制服も買うことができないティムに、なぜ自分にくれるの?と問われた時に
「友だちだから、君は僕の友だちだからだよ。」
と答えたところですね。

優しさや気遣いが、時に人を傷つけてしまうことがあります。
アフリカから転校してきた少女のお母さんとの会話のように、人の間には数えきれないほどの地雷がたくさん存在するのです。
どうしたらお互いすっきりした気持ちで受け渡しができるのだろうか、息子さんはお母さんと考えます。
しかし、そんな嘘は簡単に察されてしまうのです。肌で感じることができる子どもは特に。
そんな時、ティムにどうして渡すのか。その答えはシンプルでした。

友だちだから。力になりたいから。助けたいから。
その一心であることを即答できる息子さんは、素晴らしいなと感じました。

エンパシーとは、自分から他人の靴を履いてみること。
自分と立場の違う人、違う意見を持った人の気持ちを想像すること。
寄り添うこと。
簡単に言うけれど、なかなか難しいものです。
世界の中で、全く同じ人間なんていないのだから、
きっとこれからは人ができること、挑戦できることが多くなるからこそ、まったく違う道を歩んでいく人もいるでしょう。
そんな時、考えられない。あり得ない。理解できない。と線を引かずに、ちょっと寄り添ってみるだけで世界はうんと優しくなると思います。

もう、学ぶことが多いです。本当に。

この本は、人ができるなら目を背けがちな課題がたくさんでてきます。

・多様性ってよいことなの?
・本当の正義とは?
・ハーフ、ダブルという表現
・反逆と報復の反復の果てになにがあるの?
・「属す」とは?
・いじめる側の本音

これもほんの一つです。
この本一つで、何コマ分の大学のディスカッションができるのでしょうか。(笑)
みんなが一致する答えなんてきっとありません。
何通りの答えがあっていいと思います。
大事なことは、考えてみること。
そしてなにより、人の意見を聞いてみること。いったん受け入れてみること。

息子さんのこれからの成長がとっても楽しみです。
この本はきっと何度も読み返すことになるでしょう。
その時その時の自分の考えをまとめておくのがいいかなと思います。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレィディみかこ





--------𝙉𝙤𝙩𝙚--------

p.26 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー。の落書きを書いた時、彼はブルーの正しい意味を知っていたのだろうか、それとも知る前だったのだろうか。 
 前、怒り 
 後、悲しみ、気持ちが塞ぎ込んでいる 

p.41 ダニエルと僕は、最大のエネミーになるか、親友になるかのどちらかだと思う。

p.48 ティムの兄ちゃんがそもそもいじめられ始めた原因は、学食の万引き癖。犯罪行為だ、万引き野郎だ、犯罪者は制裁されて然るべきと悪化、フィジカルへとエスカレート。正義の暴走。 

p.51 自分たちが正しいと集団で思い込むと人間はクレイジーになる。 

p.59 中学生には、国籍や民族性とは違う軸でも多様性がある。多様性はいいこと?多様性があるとなぜややこしくなる?喧嘩や衝突が絶えないから、ない方が楽。楽じゃないものがなぜいるの?無知になるから。 

p.65 アイデンティティが一つしかないってはずない 

p.67 人種差別は違法で、貧乏な人や恵まれてない人を差別しても合法なんて、おかしい。 

p.70 人を傷つけることがよくない。真理 

p.73 エンパシー、自分で誰かの靴を履いてみること。混乱を乗り越えるためには、自分とは違う立場、違う意見の人の気持ちを想像すること。

p.84 善意はエンパシーと繋がっている?同じ意見や似た境遇の人と共感するときには善意は必要ないから。 

p.110 一歩その外側に出れば、困っている人を助けるということはこんなにもトリッキーなことになり得る

p.113 どうして僕にくれるの?友だちだから、君は僕の友だちだから。

p.123 ニーハオっていのは英語のハロー、フレンドリーだなって思われてお金をもらえると言う理由のビジネス的なニーハオ。

p.124 決めつけないでいろんな考え方をしてみることが大事。 

p.139 心配と偏見も紙一重なら、予防と偏見にも紙一重。

p.151 ハーフとかダブルとか半分にしたり二倍にしたり、どちらにしてもみんな違うものになってしまうでしょ、みんな同じ一でいいじゃない。 

p.156 自分が属する世界や自分が理解している世界が少しでも揺らいだり、変わったりするのが嫌な人が増える、日本

p.161 自分が生まれた国の人が言った言葉を息子に訳してあげられない、悲しみ。

p.162 タンタンタンゴはパパふたり

p.166 子供たちは、こうでなくちゃいけないの鋳型がなかった。男と女、夫婦、親子、家庭。この形が普通とかおかしいの概念や、この形は自分は嫌だみたいな好き嫌いさえない。彼らは自分の家族が他の子の家族と違うことをまったく気にしていなかった。それぞれ違って当たり前でそれを悪いもいいとも考えたことがない。 

p.196 ダニエルからひどいこと言われた黒人、息子、公営団地に住んでる子はいじめに参加せず、やっているのはみんな何も言われたこともされたこともない関係ない子たち。
人間は人をいじめるのは好きなんじゃないと思う。罰するのが好きなんだ。

p.204 反撃したら、するだけ傷つく。反撃して傷ついて、またそれで相手を憎んで反撃して傷ついて、終わりはどこに?
反逆と報復の反復の果てになにがあるの?

p.217 オリエンタルの人たちを見たら、仲間みたいに思う?同胞みたい?

p.219 仲間意識を持たれてヘヴィ、息子はそういう気持ちに持てない。
日本に行けばガイジン、こっちではチンク、どっちにも属さない。特定の人をいじめたり、守ったりしないから。悪い部分もいい部分もない。

教室内の前後格差(カトリック校) 
取り残されている子たちを作らない(元底辺中学校)  

p.236 両方のコメントに、いいね!が一体何がいいのだろう。

p.252 グリーンって未熟とか経験が足りない 

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