香純

届けるすべをもたない私のはきだめ @0__kasumi

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最近の記事

身代わり

ジャンプに載っているような 王道少年漫画が売れるのはどうして? 自分ではなれないようなキャラクター、 得られないような体験に没入して 感情をなぞれるから? 自分が叶えられない夢を託せるから? 王道といわれるストーリーはたしかに面白い 勢いがあるし わかりやすく逆境に立ち向かって 何度かは挫折して 最後には成功してくれる つらい思いをしてきた主人公が 実はすごい能力を持っていて それを理解してくれる仲間と出会って 自分の存在意義を知って 爆発的に成長していく そういう作

    • 底。

      いつからか分からないけれど わたしは君が死ぬことが怖くなった 君のほぼすべてを見せてくれたとき わたしは、 君が死にたいならそうすればいい 止める権利なんてないから そっか、て受け止めて生きていくよ みたいなことを言った 今も奥にある気持ちは変わっていない。 わたしには 君の苦しさ寂しさをなぞることはできないから それは君にしか分からないから あなたが本当に死にたいのならそうしたらいい と思っている だけど 今はこれを言いながらすごく涙が出る 一緒に重ねた時間が

      • 恋文未満

        私が今寂しいのは、あなたがいるから。 でも君の寂しさはそうじゃない。 わたしのせいじゃない あなたは あなたが出会った人、出来事、過去のいろんなことで寂しくなる。 わかるよ、て言ってくれる。 たぶん本当にわかってくれている。 でもその瞬間で気持ちが交わることはない 一生この寂しい気持ちが交わることはないんだと、毎回思ってしまう 同じ気持ちでいられることを望むことはおかしいのかもしれないけど、 この交わらなさのせいで一方通行を突きつけられている気がしてしまう だから寂

        • 推しが名前を変えた日

          "恋とか愛とかはわからないけれど 推しへの気持ちはいつだって明確 これは絶対にすきって気持ちだ" 私の最愛の推しが名前を変えた 推しも、そのためにつけた名前の私も いなくなった 自分の一部が消えたようなそんな感覚 出会ったのは3年前 色々あって一緒にいたのは604日 そのどれもが大事だった 学生時代はオタクだった その私が、今までのはなんだったのかと思わされるほど惹かれた 顔も知らない 名前も知らない 歳も知らない ただ 声、話し方、テンポ 見えないものすべてが

        身代わり

          オネスティ

          "友情では無い、きっと。 友情ならば、他人を傷つけたりはしない。 恋でもない。恋なら、すでに終わっているから。 ならばそれは、やはり愛という言葉しか見つからない。" あとがきより。 こういうものが読みたかった これを読んで真っ先に思い出し、読んで欲しい人がいた 私はとてもすきな本に出会ってしまった 石田衣良の本はたまに読む、というレベル そもそも私は本を頻繁に読む人間では無い ただそれでも私は、以前から石田衣良が描く性の表現がすきだという自覚があった 柔らかく官能的で

          オネスティ