あのね、
この頃と言えば
ときめく本に出会っては
枕元に積み重なるばかり
外に出てみても
ぼーっとして
歩幅は小さくなる
頭の中は
ごちゃごちゃした宝箱
「本当に大切なもの」なのか
「ガラクタ」なのか
もはやどちらも同じようなもの
ただ
あなたに話したいと思えること
それはとても小さい幸せと
繰り返す悲しみの話
朝日がきれいだったとか
過去は居心地がいいってこと
そんな話を聴くあなたの
あたたかい表情で
わたしの心の水面は
きらきらと穏やかに波打つ
紙芝居みたいに
前に進む日々
いつか辿り着く「おしまい」に
拍手が鳴り響かなくても
わたしにとって
あなたにとって
宝物みたいなお話になったら
そんな風に思うんだよ