Nepalエベレスト街道を歩く Namche
2024/10/7〜10/11
BupsaでJeepを降り、私たちのトレッキングが始まった。
トレックの入り口は開けていてわかりやすいものだと思っていたが、道は細く草木が生い茂ってとてもわかりにくいものだった。
30分ほど歩くと道が開けてきて、道沿いにタルチョ(5色のフラッグ)が。お寺や家の様なものが見えたかと思うと、一番手前の建物から中年男性が出てきた。
どうやらここは一つ目のティーハウスエリアらしい。飲み物を勧められ、そこでmilk teaを飲むことにした。
少し休んで出発を、と思っていたが時刻はもう16時を回っていた。雨も降り始めたため、今日のところは活動を終了しBupusaに宿を取ることに。
翌日。朝7時にトレック開始したものの本日も雨。
どうやらネパールの雨季はまだ終わっていない様子。この日は終日雨だった。
ルクラから合流予定だったシェルパ(ガイド)のNimaは、私たちの予定変更に合わせて道を下ってきてくれた。Bupusaを出発して30分した頃に合流できた。合流後、朝食を、とのことでTea houseに立ち寄る。
そしてトレック再開。
雨はどんどん酷くなり、石の階段は滑る滑る。加えて、物資を運ぶドンキ(ロバ)たちとも道を共有しているため山道にはたくさんのpoop(糞)が…
私は石の階段でスリップしたのち、無事ドンキのpoopに尻もちをついた…
レインパンツを履いていたとはいえ、かなりショック。
私の気持ちは空と同じに淀み、土砂降りの雨模様…
道を横切るやや深めの小川を見つけ、「今しかチャンスはない!」と思った。
小川の中にお尻だけ浸かる様にしてしゃがみ、poopの汚れを洗い流せたので沈んだ気持ちは少し回復。
加えて、一度富士山で練習したとはいえ15キロもある荷物を背負って雨の中歩き続けることは登山初心者の私にとって本当に大変なことだった。
感心するのは、横切るネパリたちはみんなクロックスやナイキのスニーカーなどはいて、音楽を聴きながら何でもない様な顔をして通り過ぎていくこと。
こんなに道が悪いのに…ただただ、すごいなぁと思った。
ドロドロのびしょびしょになりながら着いた宿では、頻回に停電。エベレスト街道の電気はソーラーパネルで賄われている様子。雨や曇りの日が続くと、電気の供給も間に合わなくなるようだった。
廊下、部屋の中、トイレ、ラウンジも真っ暗。Wi-Fiもない。全身濡れておりとても寒いがドライヤーや替えのタオルもない。
部屋についてザックを開けてみると、私のレインカバーが不良品だったようで中の荷物は全てびっしょり。通りでザックが重かったわけだ。
洋服も全て濡れてしまった為、夜は濡れた服と共にシュラフへ入り自身の体温で何とか服を乾かすことを試みた。
これがヒマラヤの洗礼か、と思った。
こんな状況でも安心感を持って楽しめたのは二人がいたからだと思う。
この日はBupusa -Paiya -Shurukeまで
翌日からは雨が降ることはなく、くもり時々晴れの天気が続いた。
トレック3日目はShuruke -Phakding まで
PhakdingのTea houseにてNimaにUNOのルールを教えた。
NimaはUNOが初めてだったので初め混乱していたが、楽しかったようで「もう一回しようぜ!」と旅の間何度も私たちを誘った。
トレック4日目はPhakding -Monjo -Namche Bazarまで。
Namche BazarとはNepalのKhumbu地方最大の(そしてエベレスト街道の中でも最大の)村であり、別名シェルパの里と呼ばれる。
登山愛好家には“ヒマラヤ登山の拠点の地”として知られる場所。
標高は3440mにも達し、この村を境に高山病のリスクが高まると思っても良い。
説明を受けたわけではないが、Monjoまでは里山の雰囲気をしっかりと感じる。ビジネスの為というよりもシェルパ族が“日々を送るため”の場所なのであろう。ここから先は山!という感じ。
Monjoを過ぎるとサガルマータ国立公園(Sagarmatha National Park)内に入る。
この中に入るためには、TIMS許可証と呼ばれるトレッキング地域への入域料が必要となる。
2023年4月1日以降、このTIMS許可証の料金は1,000Rsから2,000Rsに引き上げられた。また、外国人トレッカーは、ソロトレッキングが禁止され、現地のツアーガイドをつけるか、グループに入ることが義務付けられた。条件を満たさないトレッカーにはTIMS許可証が発行されないのだとか…
私たちはその情報を現地で知ったため、ツアーガイド(シェルパ)を現地で調達、申請に関してもシェルパが代行してくれた為スムースな入域が可能であった。
ここから先の区域は、自然遺産に登録されている。シェルパ族の人々は、シーズン中この区内にあるTea house(山小屋)に住み込みで働き、シーズンオフになると皆下山して自身の家で暮らすのだそう。(寒さや物資の少なさ、車などが使えないアクセスの悪さから標高の高いエリアに住み続けることは難しいそう)
ちなみに、Sagarmatha (サガルマータ)とはネパール語で“世界の頂上”を意味し、Mt.Everest(エベレスト山)のことを指す。
エベレストという名前は、インド測量技師のジョージ・エベレストに因んだ英語名なのだそう。
また、エベレストはチベット側ではChomolungma (チョモランマ)と呼ばれ、これはチベット語で“世界の母神”という意味とのこと。
個人的には、標高のことを英語で“elevation(エレベーション )”と呼ぶこと、デパートなどにある昇降機を”elevator(エレベーター)“と呼ぶことと、Everestとに何か関連性があるのではないか…と非常に気になっている。
もし関連性が無かったとしても、その様にして語彙や知識を関連づけながら広げていけるのであれば、それは私にとって、とても楽しいことに感じられる。
ついにNamcheに到着。私の足取りが重くヒーヒー言っていると、ふたりが私のカメラや水筒などの荷物を少しずつ持ってくれた。本当に感謝しかない。
Namche Bazar では高度順応のため2泊3日の滞在。
少し早起きして服を洗濯し、朝日を拝んだ。
朝食を食べた後、アタックザックに荷物を詰めて出発する。
二日目は展望エリアと、シェルパの歴史資料館、Hotel Everest View 3880m (なんと三つ星ホテル!)にいくことに。
Namche以降は、リンドウによく似た青い花の高山植物が現れる。
標高3,800m前後から咲き、標高5,000mを超えたあたりから見なくなったなぁという印象。
ホテルに到着。この三つ星ホテルからはEverestが望めるとのことで、この日は本当にナイスビューだった。
きっとここまでは定番。
加えて私たちは「どうやらホテル近くの外岩で遊べるらしい」という情報を聞きつけて、少しだけ岩登りも楽しんだ。
宿に帰ってからは昼食をとり、その後Katmandu以来のシャワー!
5日振りのシャワーは最高に気持ちかった。
夜はダウンの調達とATMにて現金を補充。
Namcheはお土産品やギアもたくさん売っている。
BlackDiamond、PETZL、NorthFace、nalgeneなどの正規品を扱うお店や、ファッション性の高いアパレルもある。
Namcheにしかないお店もあるため(Katmanduにも売っていない)、気に入れば購入していた方が良い。トレックの帰りにも経由するため、帰りに買うのもよし。
気をつけたいのは物価が他の村よりやや上がること。他の村にも売っているようなもの(ニット帽など)であれば、その他の村で手に入れることが望ましい。
また、ガイドなしの場合は、ぼったくりにあうこともある。水が100Rsで買えるところを「150Rsだ」と言ってくる。
「他のお店で買った時は100Rsだった」などと伝えるとあっさり値下げ交渉に成功することもある。
お土産品に関しても「ディスカウント、プリーズ」と言うと案外成功するため、一度は交渉してみた方がいい。
お土産品を含む荷物に関しては、ガイドに依頼すれば宿にデポできる。私はクライミングシューズやリコーダー(楽しいかと思って持ってきたが全然使う暇なかった)、クレヨン、虫除けスプレーなどをPhakdingとNamcheに残置し、帰りに回収した。
Namche以降は里山の雰囲気から一転、ヒマヤラ山脈を望む雄大な景観へと変化していく。
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