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いつかの孤独

赤く染まったその影に心惹かれ

うがった僕の心は闇の中で彷徨い

音一つない部屋で一人言葉を紡ぐ

闇は広がり、僕の心を蝕む


僕の声も、叫びも、泣き声も、

何一つ届かないカムチャッカの街角には

誰の目にも留まらず歩き惚ける少年がいて

言葉も持たぬ名もなき老人がいて


死んでも出会うことのない彼等を思って

思っても思えない誰かを思って

僕は孤独を耐え忍ぶ


街角に灯る光は、いつになくよそよそしく

その影は、いつになく親しげだ

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