冬の雨の日に食べたくなる春の雨のスープ
数日前まで晴天で暖かい過ごしやすい日が続いたかと思えば、最近は曇りや雨が続く。洗濯物もカラッと乾かず困ったものである。
最近は時折出社しないと行けない日も増えてきて、眠い眼を擦りながら通勤電車に揺られオフィスへとドナドナされていく。
こんな日に雨が重なると、ダブルで憂鬱な気持ちになる。足元はぐずぐずだし、なんてったって冬の雨は手から足から全身が冷える。
こんな日に食べたくなるのは、干し椎茸の出汁で白菜や春雨を煮込んだピエンロー鍋だ。
妹尾河童さんが紹介したという中国料理。中国の江西省や雲南省など南部に住むチワン族の郷土料理とされる。ただ、ほとんどの中国人がこの料理を知らないため、妹尾さんの著作を通して逆輸入されているそう。
細く縦に繊維に沿うように切った白菜がトロトロ。春雨はつるつる。干し椎茸と鶏肉や豚バラの出汁に胡麻油をたらすことで、黄金色のスープになる。
お好みでラー油や柚子胡椒などの香味を追加してもなお美味しい。
春雨という名前は日本固有のものらしい。中国では粉条、台湾では冬粉。英語ではGlass noodles。
日本には鎌倉時代に伝わり、春の雨のように細く繊細な見た目をしているということから、春雨と名付けられたという。
昔の人は雨をもじっくり観察する余裕があったということか。
電車に揺られ、冬の雨に辟易しながら温かな春の雨を思って、現代人はスマホをいじっているのである。
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自己投資という名の食材への出会いに使えればなあなんて思っています。