チャイのある時間と空間を。
はじめに。
僕がチャイを飲むシーンで大切にしていることがある。
インドに半年滞在中のこと。
言語の違いによるコミュニケーションの難しさ、食文化の違い(毎食何食べても辛すぎて汗びっしょり)など、最初の頃は元気にテンションで誤魔化したりができていたがそれが一ヶ月、二ヶ月、、、と続いていくうちに心身ともにかなり疲弊していた。
他にも原因はあるが、それは言い出したらキリがないのでこの辺で。
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朝起きて今日も一日が始まる。ちょっぴりしんどいな…
なんて思いながらもいつも通り支度を済ませ朝食を食べていた。
そんな時、ふといつも元気なインド人シェフが気を利かせてくれたのか食後にチャイを淹れてくれた。
ちなみにそのシェフとのコミュニケーションはほぼ全て身振り手振りと少しの英語(俗にいうヒングリッシュ)なんだけど、この時ばかりは何かしら雰囲気から元気がないことが伝わっていたらしい。
スッと鼻に抜ける独特な清涼感と喉奥がじわっと熱くなっていく、砂糖がたっぷり使われている甘いチャイだった。
インドは一年中暑いイメージを持たれがちだが、実はそうではない。
僕の滞在していた北インド、デリーでは十二月ごろは日中暖かいが夜と朝方はかなり冷え込む。
ぼんやりと覚えているが、十度前後だった気がする。
そんな気温と心境だった僕。
心の底から指の先まで、じわじわと温まっていくのを感じた。
ジンジャーの作用のおかげだろうか。ポカポカはしばらく体の中に残り続けていた。
その日からチャイを飲むのが習慣になった。単純に美味しいのが理由のほとんどだが、それ以外にもたくさんの魅力がある。
チャイには人と人を繋げる、不思議な魔力?がある。
この時もそうで
「とりあえず飲んで少しでも元気になってくれたと思ってさ。」
そんなシェフの思いをチャイを通して僕に伝えてくれたのだ。
結果として、一連の流れからこの時のインド人シェフ、ムケーシュと仲良くなることができた。
これは後日談なのだが、仕事の休憩中なんかにメッセンジャーをオンライン状態にするとすぐ電話がかかってくる。身振り手振りも交えての会話なので、必ずビデオ通話なところも面白い(笑)
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そんな原体験を経て、どんなチャイをどんな人に届けたいのかいま一度考えている。まさにこの文章を書きながら、だ。
素材から丁寧に淹れる相手のことを思い、選んでいく。
「朝いちばんだし、いつもよりパンチを効かせて、シャキッと目覚められるようなスパイスを効かせたチャイにしようか?」
「おやつの時間。ゆったりとした余韻が舌の奥に残る、ボディがしっかりしている茶葉を使い、甘いものとのペアリングが楽しめるような味わいに?」
「夜も更けてきたことだ、茶葉を減らしてカフェインの量を少なくしながら、生クリームも使ったコクのある味わいにしてみようか?」
空間に流れる空気と時間を大切にしながら、安心できるのみもの
飲んでくださる相手に対する思いを込めた一杯を作り手として、心がけている。
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告知(こちらが本題です。)
そんなチャイを味わっていただける機会をこの度設けることができました。
どんなチャイ会なのか?
スパイスや茶葉を実際に触って、視て、匂いを嗅いで。
目の前で作る風景から生まれる音や飲んだ時に広がる味。
五感で味わい、堪能することのできるチャイ会。
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当日はまず初めに、僕の方から色々とご質問させていただきます。
「最近の悩みや気持ち、+か−かで表すなら?」
「具体的にどんな悩みなのか、少しだけでもお聞きできますか?」
こんな感じで質問しつつ、来て下さった方とのやりとりを元に
今の気分に合わせて、こんなチャイはどうだろうか?💭
なんて考えながら、その場でスパイスや茶葉を選び調合。
その後オススメの一杯を提供させていただきます。
もちろん一人一人、丁寧に。
僕のチャイは決して、フランチャイズ店のようにオーダーしてすぐにご用意できるようなものではなく、一杯ずつ、丁寧にヒアリングしながら作らせていただくもの。
ですので、御来店いただく際にはお時間に大きな余裕を持ってお越しいただければ幸いです。
※正直、日曜夜の名古屋で開催だし、きっと参加者は少ないはずだからできるだろう!と踏んでいます(笑)
もし万が一、混むような事態になったら提供するまでにかなりお時間いただくと思うので、時間に余裕のある方のみいらしていただければと思います。
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詳細
【開催場所】
Cafe & Bar Lit
住所:愛知県名古屋市東区東片端町23 東片端サンコ-ビル 1F
【日時】
2020年 9月 27日(日)
18:30 - 20:30(L.O 20:00)
※営業時間が非常に短いです(日中はワークショップ形式でチャイイベントを開催しているので…!)
落ち着いた雰囲気や、喋りたい方、ぜひこの時間を狙ってきていただければと思います😌
ちなみにワークショップに関してはこのリンクをご覧ください。
※ワークショップに関しては予約制なのでご注意下さい。
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最後にひとつだけ。
チャイはあくまで、間を”繋ぐ”手段でしかなく、きっと主役にはなり得ないんです。しかし、それが良い。縁の下の力持ちのような存在。
日常に ”ホッと一息つく瞬間を。”
大切にするきっかけ作りとして、コーヒーや様々な種類のお茶以外にも楽しめるものがあることをひとつの手段として知っていただき、忘れられない記憶の一部になれたら幸いです。
それでは当日、会場にてお待ちしています。
名和 やすたか | なわチャイ