味のしないパスタ

朝から快晴。とても眩しかった。
起きたのは昼過ぎ。
外に出たら暑くてクーラーの効いた部屋に飛び込みたくなった。

終始疲れたと話す彼。
月曜日に言われた「別れたい」の4文字。
勢いに任せて飛び乗った新幹線。
解決したものの何も変わらない関係性と連絡頻度とわたしの気持ち。



孤独感が失われないまま週末。
家にいても落ち着かない。
会いに行こう!そう意気込んで即準備。

さて、会いに行ったはいいものの何を話したらいいか分からない。車の中の気まずい空気。耐えられなくてコンビニに逃げたのも束の間もう夕方。

全くお腹が空かない。
緊張からなのか?
焼肉に行ったのに全然味がしない。
こんなご時世にコロナだと思ってしまうが、まあ理由は誰もがわかる。


家に着く。お風呂に入り着替える。
終始会話は弾まない。顔を見ることもない。
触れたのは物を渡す時のみ。
寝る時触れたのはどういう心境だったんだろう。

今も隣でずっとTikTokを見ている。
聞きたくもない音が頭を駆け巡る。
一体何が悲しくてわたしは泣いているんだろう。
彼を想って新幹線に乗ったはずなのに何故自分本位になっているのだろう。



「一緒に居たいか居たくないかもわからない」
この会話の後に食べたパスタは人生で1番味がしなかった。


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