【詩】劇場
エンドロールの切れ端が、
妙に引っかかって動けない。
薄っぺらい言葉なんて投げ捨てて、
今すぐあの子の元へ発ちたかった。
レイトショーの住人はやけに早足で、
鼻をすするリズムが心地良い。
この余韻のまま流されて、
朝を待つだけで充分だ。
何も知らない馬鹿どもの、
この時代にそぐわない口元が、
生き方すらも浮き立たせる。
思い切り殴り倒して吐き捨てた、
「どうか幸せな人生を。」
ほどよくお腹が空いた頃。
主人公がすする音、
浮かぶ匂いと、赴くままに
流されやすい私の性は、
いつか変わる日が来るだろうか。