怠惰女

ひっそりと、怠惰な女です。 音楽と言葉、たっぷりめのお酒が好き。 苦手な熟語は継続と努力。

怠惰女

ひっそりと、怠惰な女です。 音楽と言葉、たっぷりめのお酒が好き。 苦手な熟語は継続と努力。

最近の記事

自業自得。

今日もまた、息をするだけで増える借金。 生活は苦しい、生きるのは難しい。 存在するだけでもやっとの社会。 溶け込めないし溶け込む気もない。 一丁前に浪費する身銭。 収支は常にマイナスで、抜け出せるわけもなく。 いっそ病気にでもなれたら、いっそ生き存えるのをやめてみたら。 そう思い立つだけの自分を憎む。 どうせ変わらず、のうのうと生き延びるだけなのに。 深呼吸を繰り返して、まだ大丈夫だって。 不安をかき消す夜はいつか途絶えるのだろうか。 延命治療で聴いてる

    • 【詩】劇場

      エンドロールの切れ端が、 妙に引っかかって動けない。 薄っぺらい言葉なんて投げ捨てて、 今すぐあの子の元へ発ちたかった。 レイトショーの住人はやけに早足で、 鼻をすするリズムが心地良い。 この余韻のまま流されて、 朝を待つだけで充分だ。 何も知らない馬鹿どもの、 この時代にそぐわない口元が、 生き方すらも浮き立たせる。 思い切り殴り倒して吐き捨てた、 「どうか幸せな人生を。」 ほどよくお腹が空いた頃。 主人公がすする音、 浮かぶ匂いと、赴くままに

      • 【詩】寂寞(せきばく)

        アルコールでしか埋まらない、他人との距離を測るも 私はさほど興味もなく、自分にすらも情は湧かない。 「深夜0時の散歩道 どこかの国の陽気な物語」 そんなものとはかけ離れて、 現実との狭間で嘆く日々を、終わらせたいと願うばかり。 大それたことを描くだけで、私の体は動かない。 いっそ呼吸さえもできず、その全てを壊すことができれば。 灯りのついたビル街を眺め、己の未熟さを知る。 比較する脳すらも恨めしい。 まったく都合の良い人間だ。 これで逃避ができるのかと、

        • 【詩】副作用

          掃き溜めのインターネットには、 知らぬ間に群れができている。 顔のない誰かを欲していたのに、 関係ができちゃ意味がない。 その度手放してしまうから、 分身がいくつも増えていく。 不安定な夜だけが救いで、 慣れない明日が嫌になった。 夜明けが来るのは必然で、 わかっていたけど引き伸ばした。 そのうち錆びた免疫さえも、 外へ出るのを拒むんだから。 世界に弾かれ、限界を迎えた。 風邪薬の副産物で、眠りにつける五月病。 なんて不健康な睡眠だろうか。 これ

          【詩】捻くれ者

          才能人が去って、 世界に嘆く声が増える。 私だったら良かったのにな。 今日も何故か生き続けている。 作られた笑顔、しょうもない飲み会。 酩酊の私、くだらない男。 どうせ数日で消える存在、 捻くれ者の私と居たい? ひとりが好き、なんて言っときながら 寂しさ紛らわせ、街を徘徊。 どうせこんな生活なら、 くたばったほうがマシかもな。 手放せない夜の端くれで、 いつか安心してみたかった。 少しでも才能があるだろうなんて、 誇示してみたかっただけだ。

          【詩】捻くれ者

          【詩】Squeezed orange

          消防車が咽び泣く夕暮れ時、 おもむろにイヤホンを外してみる。 喧騒の隙間へ僕は溶け込み、 疲れ果てた世界に絶望を覚えた。 ホームドアのない線路前で、 数歩踏み込んでしまう予感がした。 慌てて正気を揺すり起こす。 もう離してくれ、満員電車。 個性に塗れた交差点、足早な隣人を追いかけた。 上を向いても狭い空が映るだけ。 世界を呪っても仕方ないか。 息が詰まり、君を探した。 生きる術を求めた僕等。 色濃い常夜灯は朝を残酷に伝える。 縋りつくも霞む答えに、

          【詩】Squeezed orange

          【詩】惜春(せきしゅん)

          春を惜しんだ世界の隅で、 途方に暮れる僕が置き去りになった。 朝はどうやらやってきたらしい。 僕はもうずっと、夜を諦めて生きている。 無駄に律儀な信号機、 悩みを抱えたままの空。 それでもお構いなしの社会で、 生きていけば良かっただろうか。 生活音がやけに響いた。 もの寂しい部屋は変わらない。 全部嫌になって投げ出したはずが、 肝心の僕を捨てきれないままで。 それでも捨てきれないままでいて。 大体、世界は気にしちゃいない。 歯車が狂ったとしても、

          【詩】惜春(せきしゅん)