ABRACADABRA
忘れもしない。
小5のとき、小学校で行われたバザーでの出来事。
私と友達は2人でバザーを回っていた。そこで、小さなガラクタやおもちゃがいくつか入っている袋が100円ほどで売っていたので買ってみた。
袋の中には、ピン留めとか、ビーズとか、そんなちょっとしたものが入っていた。
その中に、一つストラップが紛れていた。
そのストラップは、他の小物とは違う異質な雰囲気を纏っていた。
三角形の金属でできてきて、そこにABRACADABRA(アブラカダブラ)という文字が敷き詰められているデザインだったのだ。
小5の私たちにとって、こんなにそそられるものはなかった。
まずこの形。
そして、この謎の呪文。
その呪文が下に行くにつれて一文字ずつ増えていくという、斬新な並び方。
頂点のA。
私たちはABRACADABRAの虜になった。
そして、厨二病になるのであった(次回「閻魔」に続く)。