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おうちラテアートって簡単?

はじめに

スティローザ来て1年が経った。
お家でラテアートを淹れることについて。

ラテアートって簡単にやってるように見える。
えーすごい!可愛い!綺麗!私もやってみたい!そんな興味で始めてみた。

iro coffee / 青森県弘前市




ラテアートセミナーに参加

2018年11月
THE ROASTERY by NOZY COFFEEさん(東京都)で初心者向けのラテアートセミナーを受けてみる。その回はスタッフの方に淹れてもらったエスプレッソとスチームミルクで、ハートを書くのが目標。ミルクが浮いて模様になる原理があって難しいが楽しかった。ミルクの流れだけで模様を描けることに感動した。
これをきっかけに、私のラテアートへの執着が少しずつ深くなっていく。実際に自分で淹れてみるという経験が、バリスタさんへの尊敬と憧れを強くしたのだ。そして、私もラテアートを淹れてみたいに繋がっていく。


繰り返す挫折

2019年6月

デロンギの家庭用エスプレッソマシン(ECP3220JBK)を買い、スチームに挫折した。泡がたっぷりのミルクしか作れなかった。
この時代はまだ家庭用エスプレッソマシンでラテアートをすることについての情報量がまだ少なかった。


2022年2月

2度目は、コロナ禍で時間があり、しまってあったマシンを使って再び練習を始めた。
この頃、どんどんYouTubeにお家でラテアートをする方法がアップされるようになり、お家ラテアートのハードルが少しずつ下がっていった。
私が1番始めに買った商品(ECP3220JBK)は、スチームのノズルがミルクが泡立つように出来ていた。ラテアートをするのなら外側の筒状のカバーを外して、シリコンの状態でスチームするとラテアート用のスチームミルクが出来るらしい。

しかし、蒸気の力でそのシリコンが吹き飛んでしまって私には扱えなかった。結束バンドで止めてスチームもしてみたが、私の場合は止めても吹き飛んでしまい、上手にミルクをスチームすることが出来なかった。

コーヒープレス

コーヒープレス(フレンチプレス)で泡立ててミルクを作りラテアート出来ることを知り、家にあったコーヒープレスに電子レンジであたためたミルクを入れて何度もプレスし、泡立てたミルクを作った。
エスプレッソマシンよりも上手くできて、ハートとギリギリ分かるような模様が出来るようになり、しばらくこれでおうちラテを練習する。

エスプレッソの抽出:デロンギECP3220JBK  ミルク:コーヒープレス


ラテアートを習う

コロナ禍も落ち着き、私が住んでいる青森県弘前市にあるiro coffeeさんでラテアートのワークショップをやっているということで、習ってみる。
マンツーマンで指導してもらったので、私のペースで、私が学びたいことを優先して教えてもらった。


ワークショップ1回目(2022年12月)

よく分からない模様が少しハートに近づいた。

指導前
指導後

ワークショップ2回目(2023年2月)

レイヤーは歪だけれど形はきちんとハートに。


ワークショップ3回目(2023年3月)

毎回上手く出来るわけではないが、均等なレイヤーになることも!



ワークショップ4回目(2023年3月)

エスプレッソの抽出についても勉強した回。


ワークショップ5回目(2023年5月)

4回目に引き続き、エスプレッソの抽出についても勉強した回。


ワークショップ6回目(2023年12月)

7ozのカップでで練習した回。
業務用のエスプレッソマシンでスチームに初めて挑戦も!


ワークショップ7回目(2024年7月)

ウイング強化練習をした回。


YouTubeを見たり、情報は仕入れたつもりでお家でエスプレッソマシンを動かしていたが、プロのバリスタに直接学ぶということは、情報量が違った。

どういうスチームミルクがラテアートが出来るミルクなのか、動画だけでは分からなかったが、その場で実際のスチームミルクを見ながら教えてもらうとゴールが理解出来た。ただラテアートを練習するだけでなく、エスプレッソについてや、ミルクについても教えてもらうことでよりラテアートへにの理解が深まった。

せっかく指導してもらったので、次に繋げる必要があると思い、家で練習をほぼ毎日していた。1日に何度も練習ができないので、どうしたら上手く出来るのか考えながら継続することで、私が持っているマシンの特徴を理解してあげながら少しでも可愛くラテアートが出来たらと思い、練習を続けた。


ナノフォーマー

2022年12月
スティローザを買う前に、ナノフォーマーを買ってみた。
使うのにはコツと工夫が必要だった。しかしエスプレッソマシンと違い、(家庭用エスプレッソマシンは連続で抽出が出来ないので、短時間での練習回数はこなせない。)同じ牛乳で何度も練習できたので、ラテアート自体の練習になった。しかし練習をたくさんしたため、短期間でバッテリーの持ちが悪くなってしまった。

エスプレッソは、インスタントコーヒー、ココアや抹茶を濃くお湯で溶いたもので代用して練習できる。
気軽さ、片付けやすさにおいてエスプレッソマシンよりも楽なので、お友達のお家に持って行ったり、キャンプに持って行くこともできる。

ナノフォーマーでのラテアート


スティローザ

2023年4月
これは出来そうだと思い、ラテアート用のスチームも出来るように進化したデロンギのスティローザ(家庭用エスプレッソマシン)を購入し、再びおうちラテをはじめた。

利点
家庭用エスプレッソマシンの中でも価格が安い。もし、挫折しても諦められる価格。練習と諦めない心が必要なので、いきなり高いものを買うのはおすすめしない。
・ノズルがまっすぐなので改造なしでラテアートのできるスチームミルクを作れるように設計されたマシンであること。


欠点
連続抽出が不可能。何杯も続けて淹れることが出来ない。
・ボイラーの力が安定しないので、綺麗なスチームミルクを作るのにコツが必要。撹拌しない時間があるので、スチームが強くなって再び回り始めるまで待つことが必要。
・ミルクが温まるまでの時間が長い。(170mlの牛乳で1分20秒くらいかかる)
業務用であると30秒あれば完成する。
・ミルクがスチーム後、蒸気のお湯によって薄まってしまう。(170mlのミルクをスチーム後測ると、190mlに増えている)

ラテアートは出来るマシンだが、欠点はたくさんあり、美味しいラテが出来るかというと、それは家庭用の範囲で、価格相応のものだ。
だからといって業務用のエスプレッソマシンはとても高価なので、お家に置くことは出来ない。
おうちカフェついでに、ラテアートを練習しながら楽しむにはデロンギの家庭用エスプレッソマシンは最適なのではないだろうか。スティローザの他にもデディカもお家ラテアートに人気なマシンだ。スティローザより値段が高いが、コンパクトでデザインがおしゃれだ。


備品を揃える

備品はデロンギではない非純正のものを集めた。
ミルクピッチャーとラテボウルは有名メーカーのものを購入。
ドージングリング、ディストリビューター、タンパーは家で使用する分には何でも良いと思ったので、Amazonにてスティローザのサイズに適合する51mmのものを適当に購入した。


・ミルクピッチャー

デロンギのスティローザには300mlくらいのピッチャーが◎
400ml以上の大きいピッチャーだとノズルが入りきらない。
私はWPMの300mlピッチャーを購入し、170mlの冷えた牛乳を入れてスチームする。(6ozのラテボウルでラテアートする場合)
160mlでもスチーム可能だが、少し多い方がスチームしやすいと思った。


・ラテボウル

ラテアート用のラテボウルを使うとラテアートがしやすい。ミルクがラテアートがしやすいようにカップの構造が考えられていて、口の円の大きさも十分あるので模様が自由に描ける。
私はOrigamiの6oz(180ml)のラテボウルを使用。


・ボトムレスフィルター

本来のエスプレッソに近づけるためのフィルター。ラテアートをやりやすくするには、エスプレッソがクレマを持ち、濃くないといけない。

ボトムレスの難点は飛び散るのでカップが汚くなること。家庭でラテアートをしたいだけなら気にならないし、ボトムレスフィルターにすることで、純正よりラテアートがしやすいエスプレッソになる。


・ドージングリング

ミルからファイルターに挽いた豆を移す際にこぼさずに綺麗に山になってくれるアイテム。こぼすのがイライラしたので私は購入した。これは何でも良いと思い、Amazonにてスティローザのサイズに適合する51mmのものを購入した。


・ディストリビューター

これは粉を平坦に均すためのもの。エスプレッソを均一に抽出するため。


・タンパー

これもエスプレッソを抽出するときに均一性を高めるアイテム。ダンパーはプラスチックのものが付属で付いてくるが、重さのあるものを買った方がきちんと圧をかけられる。なるべく均等に圧をかけてあげる。


・エスプレッソ挽き出来るミル

細かく豆を挽くことの出来るミル。これが1番揃えるのが大変なアイテム。けれどもとても大切なアイテム。どうしても高額になる。
タイムモアの手挽きミルでも細かく挽くことは可能だが、細かいとハンドルが硬い。そして回す回数も多くて疲れる。浅煎りだと豆も硬いので更に大変になる。できれば電動ミルがあると練習しやすい。

Varia VS3

価格:52,800円(2024.09.21現在)
エスプレッソ挽きも出来る電動ミル。
このエスプレッソ挽きから粗挽きまでの広範囲の粒度の豆を挽くことの出来るミルの種類が少ない。
値段との兼ね合いもあり、ドリップ用に挽くときも、電動のものが欲しかったのもあって、Varia VS3(第二世代)にした。

Varia VS3の正規取扱店はKiguさん。


利点
ドリップもエスプレッソも対応
・値段が高過ぎない。
・豆が挽かれている場所から豆が挽かれて落ちる場所まで一直線なので、豆がミルの中にたまりずらい構造になっていて、無駄な豆の消費が少ない。
・コンパクトで場所を取らない。スタイリッシュで格好いい。

欠点
・他の人のレビューにもあるが、粗挽きになればなるほど、不得意なミルのようで、ドリップコーヒーを淹れるときはタイムモアC3pro(手挽きミル)で淹れた方が私は好みのコーヒーが出来る。
HARIOのスイッチで淹れるときは、細かめに挽き、問題なく美味しく飲める。Varia VS3はVaria VS3の得意な挽き目を見つけて、ドリップのレシピを作る必要がある。
・浅煎りのお豆を挽くとき(特にエスプレッソ用に挽くとき)は純正の替え刃があるとよい。私も欲しい。


スチームが難関

スチームが出来ないとラテアートはできない。
誰もが躓く難関で、すぐ出来るようにならない。何でダメなのか、そして、どんなスチームミルクが正解なのかを考えないとラテアートが出来るミルクを作ることが出来ない。

家庭用のエスプレッソマシンはスチームの力が安定せず、強くなったり、弱くなったりする。自分のマシンの癖を理解しながらスチームし、ラテアートが可能なミルクを作り上げなければならない。


エスプレッソの抽出も難関

おうちラテアートをやりたいなら深煎り
使用する豆を固定してメッシュ調整は楽にすると効率よく練習出来る。
このメッシュ調整も中々難関で、豆の種類や、状態、そのときの湿度によってもエスプレッソの抽出速度は変わってしまうので、毎回挽き目を合わせなければならない。早すぎてもダメで、遅すぎてもダメ。ラテアートがしやすいようにエスプレッソも整えてあげなけばならない。
家庭用エスプレッソマシンには限界があれど、なるべくベストな抽出になるようにしてあげると、ラテアートがしやすいエスプレッソになる。
失敗することもあるので、高い豆ではなくコスパの良いものを選ぶと効率よく練習出来る。


練習について

ラテアートは上手い人たちの動画を見る。
自分がラテアートをしている動画も撮って、自分が上手な人たちとどこが違うのかを確認しながら練習する。

最初から最後まで独学でラテアートを完成させるのは正直難しい。
おうちラテアートは趣味の範疇であるので、独学でも全く問題はないが果てしなく遠回りになる。

習いに行くと、お手本のスチームミルクの状態であったり、自分がどこが出来ないのか、カフェラテが完成するまでのひとつひとつの工程にも意味があることが分かる。



さいごに

ラテアートは簡単ではなくて、とても難しいことを伝えたくてこの記事を書いた。
何回も挫折し、失敗を繰り返した。
フリーポアと呼ばれる、スチームミルクの流れだけによるラテアートをすることが、いかに難しいか。

そこに美味しいをプラスしたいなら、美味しいラテを知ってないといけないし、美味しいラテを作る人から教わらないといけない。どんなスチームミルクが美味しいのか、どんなエスプレッソが美味しいのか。どう組み合わせたら美味しいカフェラテが出来るのか。

家庭用のマシンでは絶対に最大限には美味しくならない。スティローザはあくまでも家庭用のマシンでラテアートは可能だが、価格も安い分、ボイラーの力も弱くなったり、強くなったり、とても不安定である。
(((極論、質の高さを求めるのならば家で飲むものではない)))

業務用のエスプレッソマシンで適正に淹れられたラテはとても美味しい。私は牛乳が苦手で、ミルクのドリンクは普段あまり飲まないが、美味しいラテは飲みたくなる。

スティローザを購入した理由は、私の今趣味にかけられる価格帯がスティローザで限界だったのが正直なところで、それでもギリギリラテアートにはなるよ、という最低限のおうちラテ
特別美味しいのが飲みたいときは、美味しく淹れてくれるお店に行けばいい。

それでも家でカフェラテも淹れたいと思い、今も淹れ続けているのは、やっぱりラテに可愛い模様があったら心が晴れやかになる。
そして、可愛くできると、綺麗にできると嬉しい。難しいけれど、楽しい。

小さな喜びがコーヒーを楽しむ私のひとつ。外で美味しいラテを飲むのも私の楽しみのひとつ。自分で淹れる良さ、バリスタに美味しいラテを淹れてもらう良さ、それぞれ良さがある

そんなコーヒーを日常に取り入れながら、これからもラテアートとコーヒーを楽しんでいきたい。


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