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建築録vol.1「小田原文化財団 江ノ浦測候所/新素材研究所」



こんにちは〜
こちらのnoteは、わたしが実際に訪れて、心が動いた感動した建物、つまるところ、建築録なるものを、振り返りもかねて、不定期に、またゆるゆるとはじめてみたいと思います。

いつもよりはそうだな、8割ほど、真面目に書いていきたいと思います。笑笑


さて、最初に私が取り上げる建築は、先日の友人との小田原旅で訪れた新素材研究所の設計された「小田原財団 江ノ浦測候所」について取り上げたい。

今回も3400文字程度なので、まあまあ長い。笑

印象に残った写真

■建物概要

こちら長いけど、全文引用することに意味をなしてくるものであるので、引用する。笑

急峻な箱根外輪山を背に相模湾に臨む小田原市江之浦。かつては蜜柑畑だったこの地に、杉本博司がファウンダーとして、古典演劇から現代演劇までの伝承・普及、古美術品等の保存・公開、現代美術の振興発展を目的とした「小田原文化財団」を創設した。財団のコンセプトを体現する場に建造された建築群が《江之浦測候所》である。

意識が芽生えた古代人が自らの存在を確認する場を天空との関係のなかから測ったことに倣い、「測候所」と名付けた。夏至光遥拝100メートルギャラリー、石舞台、光学硝子舞台、茶室「雨聴天」、明月門、待合棟などから構成された各施設は、太陽の動きや地軸の角度と連動して配置されている。

各施設には、日本の伝統的な建築様式や工法が取り入れられており、日本建築史を通観できる。使用された素材は、近隣から採掘された根府川石、小松石ほか、庭には、早川石丁場群跡から出土した江戸城の石垣用の石を景石として添え、随所に古代から近代までの建築遺構から収集された貴重な考古遺産が配されている。

《夏至光遥拝100メートルギャラリー》は東西に配置され、大谷石の壁面は展示室への直射日光を考慮し南側に配置されている。北側は無柱の上下2辺支持のガラスによって、野趣を帯びる森と原初的な構造物としての石積みを眺めるように開いている。大谷石の壁は、石丁場より掘り出した粗面をそのまま仕上げとし、建築の一部として空積みで構成されている。また、巨石や現場から出土した自然石を用いた野面積みの石垣は、その石肌の風合いを活かし、古代人が人力で積み上げたように面を一様にそろえている。

建築は当然のように現代の構築物だが、3次元CADの台頭やシステム化された合理的な工法による建築とは異なり、これらのディテールは現代においては非合理であり、少し遠回りをすることになるが、一様化する建築への反動として表現の可能性を試みたものでもある。さながら展示物のように北側に広がる風景は、建築と一体の空間となり、人工物と自然が空間を共有し、共生するように佇んでいる。

江之浦測候所の構想当初から計画されていた70メートルにわたる《冬至光遥拝隧道》。長さ6メートルのコールテン鋼をつないでは押し出す工程を繰り返し、海へとせり出した隧道を完成させた。東西に軸を置き、1年をかけた天空運動の終点であり、かつ起点でもある冬至には、この軸上の海面に日が昇り、朝日がまっすぐ隧道を貫くことになる。

海抜100メートルのこの地の眼下には、かつては急峻な海岸線を縫うように走行する鉄道のための、通称「眼鏡トンネル」があった(1972年廃線)。トンネル走行中にも乗客が車窓から海が見えるよういくつもの開口が設けられていたので、このように呼ばれていた。幼少期に、この眼鏡トンネルから見た海が、杉本博司にとっての原風景だという。隧道の枠がフレーミングした相模湾の光景は杉本の原点であり、《海景》シリーズのイメージとも重なる。

榊田倫之

小田原測候所のURLより引用


そんなわけで、この測候所は現代美術家の杉本博司さんの壮大な構想を元に、自然とともに設計された基地とのことで、敷地内には、さまざまな建築手法素材と、アートが配置されている。

■設計:新素材研究所

今回設計を手掛けたのがこの、新素材研究所。こちらは引用にてご紹介をさせていただく。

新素材研究所は、現代美術作家の杉本博司と、建築家の榊田倫之によって、2008年に設立された建築設計事務所です。

その名称に反して、古代や中世、近世に用いられた素材や技法を研究し、それらの現代における再解釈と再興に取り組んでいます。近代化の中で忘れ去られようとしている技術を伝承し、さらにその技術に磨きをかける。全てが規格化され表層的になってしまった現代の建築資材に異を唱え、扱いが難しく、高度な職人技術を必要とする伝統的素材にこだわる。

杉本博司と榊田倫之は、時代の潮流を避けながら、旧素材を扱った建築をつくることこそが、いま最も新しい試みであると確信し、設計に取り組んでいます。

新素材研究所ホームページより


と、こんな感じで、古き伝統も生かしながら今風にデザインされてる世界観が、とても素敵な設計集団なのです。


「旧素材こそ最も新しい」
新しいんだけど、どこか懐かしさもあってというのが、私が今回現地でつくづく感じたことでもあります。


■訪問

参道入口
背筋がぴしっとなるような神聖な場所
まずはこちらの休憩スペースで
この測候所の概要をおさえるために
着いて館内にて早々ひとやすみ←
全面ガラス張りの待合棟にて。
開放的で、すごくすてきな空間
窓越しから見る江の浦の町並み
椅子のデザインも味わいがある
椅子からの窓越しからの江ノ浦
スタッフの方から
閲覧用に渡された美術書をめくってたら
唐突にもこもこの大泉洋さんがでてきたので
記念に一枚とるんだけど、爆笑しました
(大泉さんごめんなさい、、BIG LOVE♡)
休憩所内の
トイレのデザインも素敵だったので一枚
ただ、閉所恐怖症としては恐しさも笑
階段下までくると
侘び寂びみたいな休憩ラウンジ
和歌山県橋本市にあったとされる
道標も見ることができます
柱もすごく細く、情景とマッチする
まるっこい石たち
壁面シリーズ①
ごつごつしていてかっちょいい
それで、続いて向かったのが
こちらいちばんの見どころの
夏至光遥拝100メートルギャラリー!
各海の写真の展示を見ながら海を目指す。
すっごい長いんだよな、これがまた。
※100メートル続きます
ガラス窓はなんと柱の支えがなしで
37枚のガラスが自立しているのである。
これにより自然と一体となった世界観を創出
外から見るとこんな感じ
反射して映る緑もすてき
壁面シリーズ②
こちらも味わいのある石材で
貴重な大谷石を使用したもの。
その先端で撮った一枚
相模湾が一面に広がります
手すりも薄くて自然との一体感に感動
断面で見るとその先端の部分はこんな感じに
持ち出しているのだから
構造的にもかっこよさを感じる。
立ち入っちゃだめと示す
留め石もなんだか可愛らしい
神秘的な空間でした
侘び寂びを感じるようなエリア
風情ですね
茶室「雨聴天」
千利休作の「待庵」をモデルに
侘び寂びの精神を表したものなんだとか
相模湾と木々に囲まれて心地よい風が吹く
檜の懸けづくりの上に、
ガラスが敷き詰められる舞台は
なんだか神秘的で、どきどきした
相模湾を一望する
留め石に着目してみる
留め石付近から撮影
落っこちそうになるの怖いと思いながら感動
サンセットも綺麗なんだろうなぁ
ギャラリーの裏側の道もたのしむ
ギャラリーのその先
床面
カフェでひとやすみ
この景色とともに、
江の浦の柑橘が蜜漬けされたサイダーと
柑橘の皮のピールが入ってて爽やかな
パウンドケーキをたべます
友人が撮ってくれたワタシ←


柑橘系もたくさん見届けてあとにする



■まとめ

小田原測候所で感じたことは、古いものと新しいものの掛け合わせが、とても面白いというか、わくわくするような建物でした!



自然と一体になった建物だからこそ、自然の音、つまるところ、木々が海風に吹かれて揺れる音、鳥たちのさえずり、深呼吸したくなるような木の香りとかとか……。


非日常的な経験ができて、心のデトックスといいますか、すてきな時間を過ごすことができて、サウナみたいななんか整った感覚でした。



良い経験ができた小旅行でした◎



ということで、今後も私自身の好きな建築やらその建物での記憶とかnoteを通じて、ゆるーく発信できたら良いなと思いました。


まだまだいっぱい語りたい建築はあるので、また私の心が元気なうちに語れる時間を作る、がんばりますね。



みなさんのnoteも、このあとゆっくり読ませていただきますね!



それではまた〜^^


chica

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