weekly arekore...②
週のはじめと終わりでは、考えていることが全然違って面白い。noteを1週間かけて書いていると、最初の一文なんて絶対に書き直したくなる。書き直そう。
美しい週末を過ごした。今までの自分が、自分の大事だと思うことを捨てないで曲げないで生き抜いてきたことを、心から祝福したいな。なんて思えるような人たちと出会っていること、肩を並べて笑い合っていること、ここまで歩みを進められているという事実にただ嬉しかった。めちゃくちゃ眠たい週。ホルモンバランスにめちゃくちゃ支配される感あるこの人生ってなんなんだろうと毎回素朴に思う。ちょっとずつ自分に乗りこなせるように頑張ってるからきっと大丈夫。
Furniture Design Studio:
今週はチャイニーズニューイヤーの祝日で月曜の家具デザインのスタジオ授業がなかった。2週連続課題の締め切りが延長されて、結構中だるみしている。その代わり、友人らとニューイヤーの祝日時間を過ごせたからよかったかなとも思う。知り合って1ヶ月とかだけど生涯の友になる予感がしている、愉快で、怖いくらいに多方面で才能溢れるみんなだ。
取り組み中の課題は、家具の選定と配置をもとに空間にどう意味をもたらすデザインをするかというものだ。インテリアデザインという括りが最も近い?
デザイン学科がある、実際の建物のとあるオープンスペースを今回の課題のサイトとして取り組んだ。吹き抜けの天井で風通しもよく、各教室へアクセスするときに必ず通る場所に位置する半屋外のこの空間は、ワークスペースとして、集会場所として、多目的に機能している。
現状、座り心地の悪い椅子と机が若干あるだけで他には何もない空間だったので、作業のために長期滞在できる心地よい椅子を選ぶ+もう少しカジュアルにたむろできる空間を新たにつくる、をマイテーマに取り組む。
空間に対して、自ら積極的に関わり改変できる自由な空間である、ということを伝達したかったため、思わず触りたくなるコルクの小さめのスツール (Cork Family)や、いろんな座り方ができるスツール(STOOL-TOOL)を芝の上に設置する。Jasper Morrisonのコルク素材への着眼はめちゃくちゃいいな〜ズルいな〜と思う。耐久性・軽さ・安価さ・リサイクルみたいな文脈に加え、触り心地や見た目に愛着を持てる感じまで、万能にこなしてしまう素材だと思う。
長時間滞在するワークスペースとしても心地よくするため、ポリウレタンフォームで柔軟性のあるMaartenの.03 を採用した。半屋外の場所にも似合う耐久性も高くありつつ、スタックも可能。座り心地がかなり良い。実際に座ったことのあるデザイナーズチェアの中でも特にお気に入りのものだ。椅子の足が前後で素材・形状ともに違うのも、可愛くて好き。
多少理由はあれども基本は感覚的に選んで配置する、という漠然とした取り組み方になり、これでいいのか…?とよくわからないまま終えてしまった。今週は1人でこもって制作・思考するといった時間をほぼ取らず、遊び呆けてしまったこともあり、不完全燃焼で終えてしまいかなり後悔している。発表はただただ情けなかった。過去には戻れないので、落ち込んでる暇も正当な理由もないと思い、腹を括って授業中の現在に集中して頭を働かせた。学び足りないことがありすぎる。
授業のリファレンスで出てきた「Abstract: The Art of Design_Ilse Crawford: Interior Design」を鑑賞した。AbstractシリーズはSeason2のいくつかを見たけれど、毎話ごとに異なるタイプのデザイナーの仕事・哲学・人生を知れるので、これからデザイナーとしてどう歩んでいくかということについてとても勉強になる。
https://youtu.be/5f7fHHEr_NA
インテリアデザインは、既存のデザインされた家具たち、そして素材(壁紙や床)から、解釈した目的に応じて素材を組み合わせて編集する仕事だ。雑誌編集者的な頭の使い方がすごく必要だと思った。各家具がどのような時代背景や技術のもと、どんな素材を纏って生まれたかという細かな知識に加えて、認知科学や知覚心理学などの学問的知識をも持って、人の無意識をどうデザインするかということを考える必要がある。手を動かして実際のカタチをこねこねするよりも、膨大な知識と分析をもって、既にカタチあるものをどう編集するかということの方が得意だと自覚する私は、interior design could be my thing かも?! と衝撃を受けた。
Materials Studio:
紐を結ぶという行為を通して、自らのデザイン言語を築くという3週間課題が始まった。抽象的な問いに取り組めるのは、かなり楽しいが迷子になる。目の前の素材を見つめて、なんとなく手を動かして、立ち現れた現象に向き合おう、というのが狙いらしいが、どうしても「結ぶ」の歴史とかリファレンス調べに傾倒していってしまい、実質的な制作が進まない。周りのクラスメイトが手を動かしまくっているときにインカ帝国のキープについて調べちゃったりしているので、もう少し手を動かし始める瞬発力が欲しい。
紐は、細長い物体であればどんな素材でもいい。かなり弾性の高いゴム素材からレザーの紐まで、いろいろ試してみてる。まだどんなデザイン言語を確立できるかは見えていない。面白い!と直観した現象に出会ったら、素直にそれに従って深掘りしていく作業が必要かもしれない。こういう課題は、「うまくやろう」といった邪念が入ったらダメで、「何これオモロい」をどこまで持続させて掘り下げられるかだと思う。多少盲信的になってもいいの
で、遊び深めたい。
Woodcraft :
木工芸に使う削り出しの木材を入手するために、シンガポール北部の工業地帯にはじめて足を運んだ。使用する予定だったcherry / beechの木材は、工房に直接問い合わせても応えてもらえず断念。制作のための素材をゲットするのってこんなに難しいんだ。最終的に、Raintree(モンキーポッド)とAngsana(カリン)の、日本ではあまりみない木材2種でスツールを作っていくことにした。箱ランプの方は詳細設計が決まったので切削を始めている。
読んでる本など:
Atelier Oï - how life unfolds
Jasper Morrison - everything but the walls
The Making of Design (by gerrit terstiege)
日々のあれこれ:
2/14 wed
友人ら2人が誕生日だったので、賑やかな鍋やさんでお祝いしたく、シンガポールでは皆のお財布が干からびてしまうので、ちょっと国境を超えてマレーシアまで食べに行った。この日に徹夜で遊ぶために、前日夜にみんなで半分徹夜で課題をやるなんてことをし、とても海外大生っぽいななんて思ったりした。なぜ私の友人は、こんなにも限界系が多いのだろうか。
2/18 sun
あまりにも美しい夜を過ごした。大学の屋上に寝そべって、都会の光を浴びながらも懸命に、ゆらゆら不安定に煌めく星たちを見ながら、陽がのぼるまでただただ話し続けた。自分が今ここにいる理由、見てきた美しい景色、戦ってきたもの、国とか政治とか、宇宙とか。言葉が脳みそを先取りするような感覚と共に自分の口から生まれ、そして相手の言葉とあまりにも自然に溶け合ってゆく、あの感じ。幽体離脱したかのように、言葉という神聖な生き物だけが、自分の体から解放され、夜空を気持ちよさそうに駆け巡っていた。新鮮な、ほんものの、生きた言葉で誰かと深くわかりあう時の深い安らぎがあった。英語という、自分にとってまだ心許ない言語のうえでこの感覚になったのは初めてで、相手にとってもそんな体験だった。ソウルメイトだった。忘れられない感動が全身を駆け巡った。今まで懸命に生きてきたこと、誇らしく思った。世界にまたひとつ、自分が自分らしく帰れる場所が増えた音がした。
〆