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美味しいとこどりでいいじゃない

思い込みというのは、まるでリバーシブルのアウターのようであります。

例えば、人間、心底参っている時は辛いことを辛いと打ち明けることすら出来ないものです。それがより一層辛さを助長しているのですが、それをすぐに直すことが出来ないのがまた人間というものであります。
いや、私の性格の問題でしょうか。
何れにせよ今の私の精神状況はあまり良いと言えないものであることは明確です。

しかし考え方、物事を見る角度を変えること、そして思い込みによって少し心に余裕が出るものだなと今日実感したのも事実なのです。

今日、妹の友人と仕事について語らう時間がありました。

その友人というのが、最早第二の妹と言っても過言ではないぐらい可愛いヤツなのでありますが、少しばかり馬鹿...失敬、頭の弱いヤツなのです。
私の話をその場では聞いているように見えるのですが、その後の行動には全く反映されないという、なんとも残念な一面があります。
(早い話、私の話にあまり興味が無いのでしょう。)

今日はそんな友人と仕事のことについて少し話をしました。

友人は現在フリーターとして働いていますが、そんな友人の夢はネイリストになることだそう。

そんななか、彼女の友人から「個人経営のサロンを開こうと思っているから一緒にやらないか」と誘われたと相談を受けました。

まず最初にその話をする友人を見て、その仕草や言葉から垣間見えていたのは「自信の無さ」。

助言出来るほど私にはネイルの知識はありませんから最初はただ話を聞いているだけでしたが、どんどん話に熱が入り仕舞いには自分で買ってきたという教科書類などを持ち出してきたりして、私に見せて話をし始めました。

自信が無いように見えた彼女の言動と、それまでの関係性の中で、私が勝手に構築した彼女の性格上「やらないだろうな」とタカをくくっていた私でしたが、資料を真剣に読む彼女の姿が、何故か私にはとても刺さりました。

本気でやりたいんだな、と伝わってきたからです。

正直に申し上げますと、我ながら冷たい意見だとは思いますが、別に私は彼女が本気で勉強しようが辞めようが知ったこっちゃありません。私の人生に害はありませんので。

しかしやっぱり「夢」を追う人の姿は見ていて言葉にならない魅力があります。

今回の相談で本気でやる決意をしようが諦めようが、私は彼女のことを嫌いにはならないと思います。先程も綴ったように、彼女は元来私の話に興味は無く、どうせ私の意見が参考になることなど1%くらいしかないでしょうから。

ただ、ここ最近、心身共に鬱々としていてなかなか何も手に付かず、現実逃避をしてみてもそれはあくまで現実逃避でしかない、暗闇のなかをもがくような感覚で過ごしていた私にとって、彼女の真剣な表情は「私もまだ頑張らなければ」と思わせてくれるようなひと時になりました。

思い込みというのは、時に冷たく、時に優しいものです。

「私も頑張らなければ」
そう思うだけでいい。
思い込みでいいんです。
あとは別に、私の制御できる範疇ではないし、私の人生ではありません。

ただそうして、勝手に私を奮い立たせてくれるような言動に出会った時に、美味しいとこどりするだけでいいんだなと。

果たして私の言葉が彼女に響いているかどうかは甚だ疑問ですが、それはそれで結構。
ただ、そう思わせてくれた彼女に感謝です。

そんな時間があった、本日の真夜中でした。

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