AIを用いたKJ法お助けアプリ「KJ-GPT」
OpenAIのAPIを使用したKJ法アプリ「KJ-GPT」のプロトタイプを公開しました。
【24/4/28更新】アプリをアップデートしました!詳しくは↑で😉
概要
KJ法とは、文化人類学者の川喜田二郎(1920-2009)が考案した、発想のための技法です。
一見して関係性のない雑多なデータを前にして、それらが訴えかける声にならない志を一つ一つ聞き入れていきます。
KJ法は、混沌とした多種多様の情報を、自ずからそうあるべき姿にまとめ上げるための手段と説明できます。
異質のデータが集まって一つの体系を産み出す過程で、思いもよらなかったアイデアが浮かびます。
頭の中のモヤモヤの整理や、ブレインストーミング後のまとめ、文章執筆のためのアイデア出しなどに使うことができます。
使い方
1. OpenAIのAPIキーを発行する
最初に、OpenAIのアカウントを持っていない場合は作成します。
アカウント作成後、「Log in」をクリックします。
右側の「API」を選択します。
メニューから「API keys」をクリックします。
「Create new secret key」からAPIキーを発行します。
キーを発行したら、課金の設定に移ります。
同じメニューの「Settings」から「Billing」を選びます。
「Add to credit balance」から設定したい金額を入力します。
KJ-GPTは一回あたりの使用に、$1前後かかります。
最後に使用上限を設定します。
「Settings」の「Limits」に移動します。
「Set a monthly budget」が月ごとの使用上限額です。
また「Set an email notification threshold」に入力した金額を越えると、アカウントに登録してあるメールにお知らせが届きます。
2. KJ-GPTにAPIキーを入力
KJ-GPTを開いて先ほど発行したAPIキーを「OpenAI API Key」の欄に入力し、「Enter」を押します。
3. 元データを作成
次に元データを入力します。
元データには、自分の中の興味関心やブレインストーミングで出た意見などを箇条書きで挙げていきます。
箇条書きの項目を書き連ねるには、文の最後を改行するだけで良いです。「・」や「○」を文の先頭に書く必要はありません。
元データを作る際には、それを読んだ人が情景を思い浮かべたり五感を刺激されたりするよう、一つの「志」を持った文章を心がける必要があります。
また、AIが読んでも理解できるように、なるだけ略語や省略は避けて、明確な文章を心がけてください。
以下、良くない例とその修正案について紹介します。
このような元データを合計で10~30個ほどを目安に集めて、「項目ラベル:」の欄へ入力してください。
できるだけ多様な視点を持ったデータを集めると、アウトプットの質が高まります。
4. テーマを入力
次にテーマを記入します。
テーマには、あなたがどのような人で、どのような問題意識を持っていて、どのような解決方法を望んでいるかを、できるだけ具体的に盛り込むことをおすすめします。
テーマが決まったら、「テーマ:」に入力します。
「について」の文字は自動的に追加されるので、入力は不要です。
5. データの統合
元データとテーマが決定したら、いよいよデータの統合です。
まずテーマの欄を入力したら、「決定」ボタンを押します。
次に元データ欄の「データを統合」ボタンを押します。
すると以下のように動き始めます。
元データの数によって変わりますが、2〜6分ほどしたら箇条書きリスト形式で、統合されたデータが出力されます。
6. 文章化
統合が終わると、「階層化データ」の欄へテキストが入力されます。
この状態で「データを文章化」ボタンを押すと、先ほどの統合化されたデータを、箇条書き同士の関係性などを自動的に補って文章化します。
使い方の説明は以上です。
あなたの創造活動の手助けになれば幸いです。
今後は、箇条書きリストからKJ法図解を自動作成したり、累積KJ法を自動化したりできるようなアップデートを予定しています🕵️♂️
具体例
以下にKJ-GPTの使用例を載せています。
今回は、「モヤモヤした悩みを持った高校生が卒業後の進路について悩んでいる」という設定にしてみました。
高校生の悩みや日々の疑問、関心を持っていることなどを元データとして挙げています。
ちなみに、元データ13項目のこの例を文章化まで試した際、APIの使用にかかった金額は$0.53ほどでした。
テーマ
「自分の中でモヤモヤしている悩みと高校卒業後の進路」について
元データ(13項目)
静かな茶室での一服や色とりどりの花々を生ける華道に興味がある
未来を変えるAIのアルゴリズムや先進的なロボットが気になる
大学での専攻をどうしようか迷っている
震災から立ち上がって再び活気づく地元の大人たちがかっこいいと思う
介護福祉士になるために専門学校に行こうか迷っている
なんで中学生の時から教えてくれないのかというくらい、世界史の授業で歴史を勉強するのが好き
音痴で歌うのは好きじゃないけど、バンドでギターを弾くのが得意だ
同級生の女子とどういった話をすればいいのか分からないのが苦手なのが悩み
地域や世界のために力を尽くす、意義深いボランティアは偽善だと思う
TwitterとかTikTokでバズっている同世代を見ると自分のできなさに情けなくなる
クラスの担任が威圧的に自分の正しさばかり強調してウザい
大学に行ってそのあと同じ会社に一生居続けることを考えると絶望する
とりあえず4年制の大学に行ってそこから専門的な職業学校の道に進んだ方がいいのか
統合化データ
(1) AI時代のキャリア展開
AIとロボットの未来に魅了されつつも、変化への適応と自己成長を通して、柔軟で多彩なキャリアを追求したい。
AIやロボットの進化に興味がありながら、未来のキャリアパスについて悩んでいる。
未来を変えるAIのアルゴリズムや先進的なロボットが気になる
大学での専攻をどうしようか迷っている
介護福祉士になるために専門学校に行こうか迷っている
大学から一つの会社に長く留まるのではなく、専門技能を身に付け多様なキャリアを築きたい
大学に行ってそのあと同じ会社に一生居続けることを考えると絶望する
とりあえず4年制の大学に行ってそこから専門的な職業学校の道に進んだ方がいいのか
(2) 劣等感と苛立ち
SNSで成功している同世代に比べて劣等感を感じ、威圧的な担任教師の態度にも苛立ちを覚える。
TwitterとかTikTokでバズっている同世代を見ると自分のできなさに情けなくなる
クラスの担任が威圧的に自分の正しさばかり強調してウザい
(3) ギターコミュニケーション
ギターの弾き手としての自分を活かしながら、コミュニケーションの苦手さを乗り越える方法を見つけたい
音痴で歌うのは好きじゃないけど、バンドでギターを弾くのが得意だ
同級生の女子とどういった話をすればいいのか分からないのが苦手なのが悩み
(4) 地元復興への感銘
震災復興に奮闘する地元の大人たちの姿に心打たれるが、世界を思うボランティア活動には懐疑的である
震災から立ち上がって再び活気づく地元の大人たちがかっこいいと思う
地域や世界のために力を尽くす、意義深いボランティアは偽善だと思う
(5) 茶道の魅力
茶室での静寂と華道の美しさに魅了され、学びたい歴史の深さを若い頃から感じている
静かな茶室での一服や色とりどりの花々を生ける華道に興味がある
なんで中学生の時から教えてくれないのかというくらい、世界史の授業で歴史を勉強するのが好き
文章化
(1) AI時代のキャリア展開
とりあえず4年制の大学に行ってそこから専門的な職業学校の道に進んだ方がいいのか、それとも違う道を選ぶべきなのか、進路について深く考え込んでしまう。(大学、職業学校、それ以外もあるんだろうけど、一体どれが自分にとっての最善の選択なんだろう?って、よく考える。)
大学に行ってそのあと同じ会社に一生居続けることを考えると絶望するという思いが、胸の奥深くに沈殿している。(一生同じ会社で働くなんて、想像するだけで息苦しくなる。多様な経験を積んで、自分自身を成長させていきたい。)
だからこそ、大学から一つの会社に長く留まるのではなく、専門技能を身に付け多様なキャリアを築きたいという願望が強い。(世の中にはいろいろな仕事があって、それぞれに専門性が求められる。自分もそういう専門技能を身に付けて、一つの場所にとどまらず、幅広いキャリアを築いていきたいんだ。)
介護福祉士になるために専門学校に行こうか迷っている。(人の役に立つ仕事がしたいと思ってる。でも、専門学校に行くって決めたら、その道一本で行かなきゃいけないんだろうか…。)
大学での専攻をどうしようか迷っている。(興味がある分野はいくつかあるけど、どれを深く学んでいくべきなんだろう。選択を間違えたら後悔しそうで、なかなか決められないんだよね。)
未来を変えるAIのアルゴリズムや先進的なロボットが気になる。(テクノロジーの進化がすごくて、それに関わる仕事ってのも魅力的に感じる。でも、そっちの世界に飛び込む勇気があるかどうか…。)
AIやロボットの技術が目まぐるしく進化する中、そんな未来の先端をいく分野に心惹かれる自分がいる。(AIが描く未来って、まるでSFの世界みたいで、そこには想像を超える可能性が広がっている。それに、ロボットって人間が手を出せないところにも行けるし、超難しい作業もできるんだよね。)
しかし、ただ魅了されるだけではなく、その変化に適応し、自分自身の成長を通して、柔軟で多彩なキャリアを追求したいという思いも強い。(技術が進んでも、それを使いこなせる人間でいたい。それに、ずっと同じ仕事をしてるだけじゃ物足りない。色々な経験をして、様々なスキルを身につけたいんだ。)
AI時代のキャリア展開について考えると、不安と期待が入り交じる。(AIが進んだら、仕事がなくなるって言うけど、本当かな? 逆に、新しい職業が生まれるかもしれないし、そうなったら自分はどんな道を歩むんだろう。)
(2) 劣等感と苛立ち
SNSで成功している同世代の姿を目にすると、自分のできなさに情けなくなる。(TwitterやTikTokでフォロワー数万人とか、あるいはそれ以上の人たちを見てると、正直「なんで自分にはできないんだろう」と思っちゃうよね。みんなどうやってそんなに目立ってんの?って。)
そんなとき、クラスの担任が威圧的に自分の正しさばかり強調してくると、さらにウザさが倍増する。(先生って、生徒の意見もちゃんと聞いてくれるべきでしょ。自分の意見が絶対みたいに押し付けてくると、もう耳を塞ぎたくなる。)
そういう状況の中で、自分は劣等感を感じつつも、未来には不安と期待が混在している。(確かにSNSでバズることができたらいいけど、それだけが全てじゃないよね。未来の社会って、AIやロボットの技術がどんどん進化していく中で、自分もそれに合わせて柔軟なキャリアを築いていきたい。)
常に成長し続ける自分でありたいと思っている。(だって、今はまだ高校生で、これからの人生でいくらでも学べることはあるはずだから。どんな先生がいようと、バズった人がいようと、自分のペースで、確実に一歩ずつ前に進んでいくんだ。)
(3) ギターコミュニケーション
SNSで成功している同世代の人たちを見ると、時々、自分には何が足りないんだろうという劣等感が湧いてくる。(彼らはキラキラした投稿でたくさんの「いいね!」を集めてるけど、自分にはそれがない。あんな風にみんなに注目されたい…。でも、それで本当に幸せなのかな?)
でも、そんなことを考えていると、未来への不安と期待が同時に頭をよぎるんだ。(今はまだ高校生で、これから先どんな未来が待っているんだろう。技術が発展して、今までにない職業が生まれるかもしれないし、そうなったら自分はどんな風に成長しているだろう。)
だから、同級生の女子とどういった話をすればいいのか分からないのが苦手なのが悩みだ。(コミュニケーションって難しいよね。何を話していいのかわからないときって、本当に焦る。)
音痴で歌うのは好きじゃないけれど、バンドでギターを弾くのが得意だから、そこには自信がある。(ギターを弾いているときだけは、何も考えずに自分を表現できるんだ。)
ギターの弾き手としての自分を活かしながら、コミュニケーションの苦手さを乗り越える方法を見つけたいと思っている。(音楽を通じて、もっと自分と他人とが繋がればいいのにな。)
結局のところ、将来への不安と期待を持って、一歩一歩、成長し続けたいと思っている。(どんなに小さな一歩でも、自分にとっては大切な成長なんだから。)
(4) 地元復興への感銘
SNSで見る輝かしい同世代に劣等感を感じつつも、未来には不安と期待が混在している。(彼らの成功した姿を見るたびに、「自分もああなりたい」と思うけど、同時に「自分にはできないかも…」という不安がよぎるんだ。でも、そんな気持ちの中でも、未来への期待を捨てきれないんだよね。)
コミュニケーションの難しさや、音楽での自己表現の場を通じて、成長を望んでいる。(人と話すのが苦手な自分だけど、ギターを弾いているときは何も恐れずに自分を表現できる。だから、音楽を通じてもっとコミュニケーションの腕を磨いて、成長したいんだ。)
地域や世界のために力を尽くす、意義深いボランティアは偽善だと思う。(世界平和とか大それたことを掲げて活動している人たちを見ると、時々「それって本当に心からのことなの?」って思っちゃう。)
震災から立ち上がって再び活気づく地元の大人たちがかっこいいと思う。(自分の地域が大変なときに、みんなで力を合わせて立ち向かう姿には、本当の強さと美しさを感じるんだ。)
震災復興に奮闘する地元の大人たちの姿に心打たれるが、世界を思うボランティア活動には懐疑的である。(地元の人々が一丸となって困難に立ち向かう姿を見ると、心から尊敬の念を抱く。でも、それとは反対に、遠くの国のことを言うボランティア活動には、どこか信じ切れない自分がいるんだ。)
(5) 茶道の魅力
SNSで輝く人を見て劣等感を感じるけれど、未来への期待も捨てられない。そんな自分の中には、静かな茶室での一服や色とりどりの花々を生ける華道に興味がある部分もあるんだ。(ネットの世界で自分を見失いそうなとき、茶の湯の世界に触れると、ふと穏やかな気持ちになれる。花々の生け方一つ一つにも、その時々の自然の美しさが反映されていて、心が洗われるようだよね。)
音楽でコミュニケーション能力を磨こうとする自分もいる。(ギターの弦を鳴らすことで、言葉にできない想いを伝えられる。音楽で人と繋がる瞬間は、まるで違った世界が広がっていくようだ。)
地元の団結力に感動する一方で、大それたボランティア活動には疑念を持つ。(地域が一つになって困難に立ち向かう力強さは、どんなに離れた場所での活動よりも心に響く。)
茶室での静寂と華道の美しさに魅了され、学びたい歴史の深さを若い頃から感じている。(なんで中学生の時から教えてくれないのかというくらい、世界史の授業で歴史を勉強するのが好きだ。歴史の流れの中で生まれた文化や芸術に触れることで、自分の中に新しい発見があるんだ。)
まとめ
進路についての悩みは深く、多様な経験を通して専門技能を磨きたい。一方で、どこにも留まらない幅広いキャリアへのあこがれを抱いている。介護とか、大学での学びや、AIやロボット技術など、多彩な選択肢がある。どれを選ぶべきか迷っているが、それぞれに興味が湧いているんだ。
AIやロボットの未来に心惹かれつつ、変化に適応する柔軟なキャリアを築くことができればと願っている。不安と期待が交錯する未来を前にしても、自らを成長させ続けることが大切だと思っている。
SNSで輝く同世代の活躍を見て、劣等感を覚えることもある。だが、不安と期待を胸に、成長し続ける意志を新たにしているんだ。SNSでの華やかな生活に圧倒される一方で、コミュニケーションの難しさを感じつつも、音楽を通じた自己表現で成長を遂げたいと願っている。
音楽で自分を表現し、コミュニケーション能力を磨くことにも関心がある。そんな自分がいる一方で、地元の団結力には深く感動している。しかし、派手なボランティア活動には疑いの眼差しを向けることも。
SNSの輝きに劣等感を感じながらも、静寂な茶室や華道の美しさに心が洗われる。音楽に情熱を注ぎ、地元の団結力に感動する自分がいる。大規模なボランティア活動には疑問を持ちつつも、歴史の授業が好きで、文化や芸術に触れる度に新たな発見を喜ぶ。それらは全て、自分の道を切り開くための貴重な感情や経験だと思っているんだ。