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シャツはお好きですか?

 シャツって、いいですよね。私は首が短いし丸顔だから、シャツが似合うとはいえないけれど、何はなくとも襟がついているときちんと見えることや、手首のところの始末がいいこと、着脱のときにらくちんなことなどから、わりとシャツに好意をもっています。
 コットンのシャツにアイロンをかけるとあったかいにおいがして、それも好きだし、しわがぴんとのびていくのを見るのは何とも気もちのいいものです。

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 翌日着るシャツにアイロンをかけた。アイロンをかけるときに必ずといっていいほど浮かぶのは、父の姿である。私はアイロンのかけ方、主にシャツについてのそれを父から教わった。

 母がアイロンをかけない人であったわけではなく、それが父の習慣だったからだとおもう。細かいところまであまりおぼえていない。とにかく父に教わった。
 そういうわけで、アイロンをかけていると、畳の部屋でちんまりと正座をしてシャツにアイロンをかける、父の後ろ姿が思い出される。
  だけど、私は適当なところまで覚えて細かいところを詰めきれていないので、シャツにアイロンをかけるのがうまいとは、ちょっと言いきれない。

 もう10年ほども前に購入した、ブルーのオックスフォードのシャツで、身頃や袖、首周りの具合がとてもいいのがある。シャツを新調したいとき、これに似たものを欲しいと思うんだけれど、シャツって実にさまざまなタイプがあって、理想を探し出すのは不可能といって差し支えない。
 ブランドを決めればいいのかもしれないけれど、決めたからといって同じ型の商品をずっと売るというところはほとんどないんじゃないだろうか。気に入っているそのブルーのシャツに似たものをずっと探しているけれど、この10年見つけられずにいる。まあ、ずっとといったってたまに思い出して探すけれど好みに出合えなくてまた忘れる、の繰り返しなだけなんだけれど。
  もう10年も着てるんだナアと思いつつ、まだ着つづけている。

 できることなら20枚くらい、気に入った型のシャツをクローゼットに並べておいて、毎日代わりばんこに着たいとときどき考える。でもそんな人生つまらなそうだし、そういうわけでクローゼットにはデザインもサイズ(というのは首回りとか袖の具合)も色味も生地もぜんぜん違うシャツがいくつかぶら下がっています。

  ところで安西水丸さんなんかは「シャツはしわ(があってこそ)」なんて言っておられたけれど、なかなかまだそんなところにまでは行き着いていないです。

 シャツの話でした。

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今日の「ラテ」:久しぶりに駅で列車を待っています。時間つぶしにシアトルズベストコーヒー(だっけ)でカフェラテを頼んだらけっこうおいしいです。そういうわけで、ちょっと出かけてきます。

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片山 緑紗(かたやま つかさ)
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