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1 デキナイ、そのカードを持たずに生きてきた。周囲のひとから望まれた事毎に ついては、デキナイと、そう口にする、その思考すら持たずに、随分と ミジカクハナイ月日を生きてきて・・・しまった。 その結果・・・が 今なのかもしれないと、それに気がついてしまったら、それはもう 好ましくは無い状況に我が身は有るのだから、アトニハ ヒケナイ。 あっちへ向かって舵を切りたいと、そう強く願う気持ちにブレーキが効かない もはや、効かなくなりつつ・・・有る。
その日は遊園地へ行った。ちいさな遊園地で楽しく一日遊んだ、その帰り道。 カバンに下げていた、ワニ、気に入っていたワニのストラップが無いことに 気がついた。途端に、それに心が向いて、そればかりへ心が向いて、いつのまにか楽しかった一日のことはどこかへ行ってしまって、元来た道を後戻り、落とした ワニを探して、ただただ、もう下を向いて一生懸命に探して歩いた。 失くす、それにとても弱くて、失くしたかもしれないと、そう思った途端に みつけることに向かってまっしぐらに一生懸命になってしま