超短編詩的小説「空っぽの世界」
眼を開ける。
い、い、じ、ま…
鍵盤楽器のための、練習曲が、轟音の隙間に、聴こえる。
せ、き、す、い、ハイム…
闇が流れる光で照らされていく。
に、く、の、万世…
小さな森の中の灯りに、人が、これまたちいさくみえては消えていく。
85.9…85.6…85.2…
blue brack の色した森。
ど、う、ぶつに、注意…
いま、べつに、生きてることに疑問をもったって、それは罪ではない。
で、ぐち、まで、2キロ…
自由を持て余していたの?
誰にも、答え合わせできない。
そんな問いを抱えて
トンネルをぬける。
夜がやってくる。
終わり。