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今回の記事は、短めのものとなります。以前から我々の肌感としては感じていたことが、ある程度クリアなデータとして得られたので、ご紹介します。

これまでも9segsで得られるNPIやu-NPIといった指標が、従来用いられてきた認知や好感度といった指標に比べて、将来のブランドのマーケットシェアやリピートと相関が高いという研究結果を発表し、またそれらを扱った論文が国際論文誌に採択される(国内市場での論文米国市場での論文)といった活動をご紹介しました。

マクロミル社と行った共同研究(詳細はリンク先を参照)

今回取得したのは、ノンユーザーから選ばれている規模を示すn-NPIが高い場合、将来より多くの新規顧客を獲得できる可能性が高いというデータです。

n-NPIと新規獲得への影響

以前から、このn-NPIが高まったあとに新規ユーザーの獲得が加速するというケースはしばしば見られていたのですが、今回実際のデータで確認をすることができました。

これで9segsで得られるブランド指標としては3つとなり、9segs analyzerでもこれらを簡単に性年代や、顧客ニーズや習慣に基づくセグメント内でも簡単に見られるようにしています。

  • NPI:現在および将来のマーケットシェアとの相関が見られる、最も重要な指標

  • n-NPI(=non-user NPI):新規顧客として獲得しやすい状態にある顧客のサイズが見られる、新規獲得の指標

  • u-NPI(=user NPI):リピート率や購買頻度、結果としての顧客一人売上との相関が見られる。既存育成の指標


<主な想定利用シーン>

  • 短期的に新規顧客は増えていても、以前と比べてn-NPIが枯渇している場合は成長の頭打ちのリスクが高まりますので、seg9(未認知)やseg8(消極認知未利用)・seg6(消極離反)に働きかけてn-NPIを高める施策への注力度を上げることが望ましいと考えられます

  • 特に、耐久消費財や金融(保険・銀行)など、検討フェーズが長い商材の場合は、n-NPI(=今はそのブランドを利用していないが、次はそのブランドにしたいと思っている人)が高いほど、トライアルのきっかけを提供する販促活動の効率がよくなり、逆にn-NPIが下がってくると販促の効率が悪化する傾向が見られます

  • 無料アプリやファミリーレストランなど、利用したいと思ったら利用するハードルが非常に低いカテゴリーの場合は、カテゴリー全体としてn-NPIが低い(=利用したいと思ったらseg5/seg7に滞留せず、すぐseg3/seg4の一般顧客になってしまう)ケースもあります。


今回ご紹介したウェブサービス以外でも
・自動車でn-NPIが高いブランドは1年後・3年後の新車販売台数シェアが高い
・日用消費財でn-NPIが高いブランドは1年後の世帯浸透率の伸びが大きい
などの傾向が見られており、またどこかの機会で公開できればと思います。


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