見出し画像

人前で話す原稿の作り方は、読み原稿とは異なる。オープニング・メッセージ・クロージングの三部構成が王道。 (10選⑥)

人前での話やスピーチの原稿は、小説や論文などの読むための原稿作りと
根本的に異なります。
なぜなら、小説や論文は読もうとして手にとっています。読む気がある人が、能動的に読んでくれるのです。

ところが、人前での話やスピーチでは、聞く気になっている人は少数で、多くの人は聞こうとはしていません。頭の中は別のことを考えながら、聞くともなしに聞いています。
そんな人たちを聞く気にさせることから始めなければなりません。

三部構成は、漫然と聞いている人に、したたかにメッセージを届ける手立てのために、いわば三段ロケットを発射するためのものです。
(1) オープニング
(2) メッセージ
(3) クロージング
なぜこの三部構成が理にかなっているかを順に説明しましょう。

(1) オープニングは、聞く準備をしてもらう。


一見聞こうとしているような顔つきをしていますが、多くの場合、聞き手は聞く準備ができていません。
当たり前のことです。
話し手は原稿を作ることからはじめ、練習を経てきて、テーマもエピソードもデータもすべて頭の中に入っていますが、聞く方は今日はじめて聞くのです。

ですから、何の話をどのようなエピソードや資料を使って、スピーチするのか予告をしてあげてください。
聞き手は、テーマやキーワードのことなど何の予備情報も持ってはいません。
そこで冒頭に例えば「今日はトラブルを未然に防ぐコツを3つ話します。
サッカーの事例で分かりやすく楽しく話します」という具合に伝えると、

聞き手の人たちは、「トラブル」「防ぐ」「3つ」「サッカー」「楽しい」などの言葉が聞き手の脳に引っかかって、聞く手がかりになり、いくつかの言葉がその人にヒットして興味を覚えてくれたりします。

ここまでで、聞く準備をしてもらうという「オープニングの役割」は、
70%できましたが、あとの30%で完璧に
するためには、
「参加」
してもらいましょう。

ここから先は

1,985字
この記事のみ ¥ 300
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?