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「探究学習」ってすごい。小学生が日本最大級の科学イベントに出展しました。(サイエンスアゴラ2024)

こんにちは!
9kidslab -ナインキッズラボは「デザイン」を通じて、クリエイティブ領域を横断し「人生を楽しみながら切り拓く」子どもを育てる、小学生対象のオンラインスクールです。

「デザイン思考」のステップを取り入れた「探究学習」を通じて、自ら「問い(課題)」を見つけ、自分なりの発想で「答え(課題解決)」を出し、それを「現実にする(実行する)」力を身につけるまでを目指します。

今回は「問いのデザイン(美術×科学)」の子どもたちが、2024年10月26・27日の2日間で、日本最大級の科学イベント「サイエンスアゴラ2024」に、1年間のクラスの発表の場として出展した模様をお伝えします!


サイエンスアゴラ会場の様子 1F

サイエンスアゴラとは?

毎年10月に、東京お台場で実施される国内最大級の科学イベントです。サイエンスアゴラは、あらゆる立場の人たちが参加し対話し、互いの価値観を認め合いながら、これからの「社会とともにある科学」と「科学とともにある社会」を考えるイベントです。

2日間を通じて行われるブースでの展示と、時間を区切って実施されるセッション(体験イベント)があります。「科学とくらし ともに語り 紡ぐ未来」をビジョンに、2006年から毎年行われているイベントです。

2024年度、「問いのデザイン(美術×科学)」クラスの子どもたちが、ゼミスタイルの探究学習を通じ、子ども達1人1人が美術クラス、科学クラス双方で学んできた内容の中から深く掘り下げたいテーマを選び、自ら「問い」を立て、アートとサイエンスの掛け合わせで制作、2日間にわたって発表しました。

サイエンスアゴラでのブースの様子

1年間の「探究学習」の集大成として、3ヶ月間の特別プログラムを組む。

今回出展したのは「問いのデザイン(美術×科学)」の小学生の生徒たちで、普段は「美術」、「科学」それぞれのクラスを交互に受けていますが、年度の最後に、1年間の「探究学習」の集大成として、「サイエンスアゴラ」への出展を位置付けていました。

「サイエンスアゴラ」用に特別プログラムを組み、まるで大学のゼミのように、子ども達1人1人が自ら「問い(課題)」を見つけ、自分なりの発想で「答え(課題解決)」を出し、それを「現実にする(実行する)」ということに、初めて3ヶ月という期間をかけて挑戦していきました。

運営側も「小学生のみんながどこまでできるのだろう?」と、初めてだらけの挑戦でした。その特別プログラムの一部を紹介します。

1. 今ままでのクラス内容から気に入ったものをピックアップ

■ 1. 今ままでの美術・科学双方の内容から気に入ったものを探す
まずは、今ままでのクラスの内容の中から、気に入ったもの、もう一回やりたいものなどをピックアップし、それのどこがどんな風に気に入ったのか?を書き出していくことから始めます。

■ 2. 「なぜ?どうして?」からキーワードを集め、自分が探究したいことを炙り出していく
次に、講師と1 on 1に近い形で、「どうしてそれが気になったんだろうね?」から、「自分はどんなもの・ことを普段から気にしているのか?」「どんな要素を深掘りしていきたいのか?」「立体なのか平面なのか?」「変化するもの・しないものなのか?」などを丁寧に一緒に炙り出していきます。

3. アイデアスケッチ

■ 3. アイデアスケッチをする
出てきたキーワードをもとに発想を膨らませ、自分なりにスケッチし、形にしていきます。同時に必要だと思う材料なども書き出していきます。

途中経過と講師からのコメントの一部

■ 4. 途中経過
スケッチをもとに、まずは仮説を立て、試作品を「小さく」作っていきます。最初から完成を目指すのではなく、やりながら修正を加えます。講師はその都度アドバイスをし、材料も加えたり変更したりしながら、子どもたちは3ヶ月間かけて作品に落とし込んでいきます。

サイエンスアゴラ当日の様子

サイエンスアゴラ 1日目・2日目

当日は、普段オンラインで一緒に学ぶ子どもたちが、初めてリアルで顔を合わせました。全国様々な場所から集まってくれて、あっという間に仲良くなり、運営側もその姿にほっこり。遠方の子どもはオンラインで接続し、会場を案内したり、来場者とオンライン上でコミュニケーションを取りました。

前日の準備日に来てくれる子もいて、作品をどうやって会場に設置するか?高さはどれくらいがいいか?など、来場者のことを考えながら準備することも貴重な学びとなりました。

最初は「平面メインの作品になるのかな?」と予想していましたが、実際は立体の作品を作る子どもたちがほとんどに。

いくつか子どもたちの作品を紹介していきます。

「色のかわる魚たち」 小3の女の子の作品

■ 1. 「色のかわる魚たち」
『わたしは夏に沖縄に行って、海にもぐった時、「わあ!すっごく魚たちの色がきれい!」とおどろきました。その感動を作品にしました。』

事前に魚の絵に「アントシアニン」が含まれるブルーベリーやマローブルーなどで着色しておき、来場者に酸性・中性・アルカリ性の液体から選んで好きな場所に塗ってもらうことで、作品の色がどんどん変わっていく参加型の作品を作ってくれました。

「自分勝手の破壊か共生の繁栄か」中1の男の子の作品

■ 2. 「自分勝手の破壊か共生の繁栄か」
「この作品は僕の考える未来の世界です。下の世界は誰かが自分の欲の為だけに地球を破壊して利益を得ようとして、結果消滅する悲惨な未来です。でも、上は色んな人(のあかしの付箋)が集まり共生し、自分の手で地球を光らせるという明るい未来です。「未来は、私利私欲で破壊か共生社会で繁栄か」の二つです。」

人間が自らの行いによってだんだんと溶けていく様子を、リモネンというオレンジの液体がプラスチックを溶かす原理を使って表現。手回し発電機も仕込まれていて、回すと人間の象徴である人形が抱いている上部の球体(地球)が光る構造になっています。

「すけて光るまほうの花」小4の女の子の作品

■ 3. 「すけて光るまほうの花」
「これは、私の一部の頭の中を見せたくて作りました。私が好きなのは、キラキラや透明なので、この作品になりました。」

偏光板で作ったケースの中に、セロテープのみで作った花を置くことで、光の変化とキラキラで自分の頭の中で見ている世界を表現。偏光板同士は角度を変え続けないと色が変化しないため、中にモーターを仕込んで、花を常にゆっくり回転させています。モチーフとなっているのは、ディズニー映画「美女と野獣」に出てくるバラの花びらとのこと。

子どもたちの「学び」の変化

会場に来てくれた子どもたち

■ 1. 自ら「問い」を設定し、やり切ることを学んだ
普段のクラスは基本的に先生からお題が出て、それを子どもたちが自由な視点で形にしていきます。普段からかなり自由度の高いことをやってはいますが、今回は「自分でやることを決める」という、大人でもなかなか難しいことを、1 on 1 に近い大学のゼミのようなスタイルの探求学習を通じて、「やり切る」ということを学びました。

最初の「何をやるか」を決める工程は、かなり時間がかかる子とそうでない子がいましたが、一度しっかり時間をかけてやることで、次回以降だんだんとスピードアップできるようになっていくでしょう。

そしてこの、自ら「問い(課題)」を見つけ、自分なりの発想で「答え(課題解決)」を出し、それを「現実にする(実行する)」という行為は、子どもたちが社会に出た時に本当に求められることであり、その先のアントレプレナーシップ(起業家精神)にも繋がってくる能力だと思っています。

■ 2. 自分の作品を「他者に説明する」ことで、自らについてを学んだ
自分の作品を「他者にわかるように説明する」、というのも実はなかなかハードルが高く、特に小学生には難しいことです。今回たくさんの来場者と話す中で、「どう言えばより伝わるのかな?」「どういうタイミングで切り出すのがいいんだろう?」といったことを含め、「他者が自分の作品をどう見ているのか?」を直接聞くことは、自分に対するメタ認知にもつながり、彼らにとって更なる学びに繋がります。

■ 3. リアルでの繋がりの大事さを運営側が学んだ
そして何より、今ままでオンラインのみで会話していた子どもたちがリアルで実際に会えたこと。これにはやはり大きな力がありました。一瞬で仲良くなり、本来は1日だけ、数時間だけの参加予定だった子どもも、2日間ずっと参加してくれ、最後も皆帰りたくない、ずっと一緒にいたい、そんな気持ちが伝わってきました。

オンラインであることを有効活用することで、どんな場所にいても学ぶことができる、同じ空間を共有できる、というのも大事な側面である一方、五感をフルに使えるリアルの場でしか共有できないものもある、というのを運営側も学びました。

ということで、引き続きこの「問いのデザイン(美術×科学)」クラスは、来年も1年間の成果をリアルの場所で発表していきたいと思います!

クラスが気になる!という方はぜひ下のリンクから体験クラスに遊びに来てくださいね!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー10年先の価値がここにある
デザインという名の種を蒔こう


私たち9kidslab(ナインキッズラボ)は「デザイン」を通じて、自分なりの視点や解決方法を見出し「人生を楽しみながら切り拓く力」を育む、小学生対象のオンラインスクールです。

子ども達はアート、デザイン、制作、実験、グループワークなどを通して、講師や仲間と対話をし、自分自身で考えながら「自分の好き・得意」を育んでいきます。「非認知能力」に重点を置いた、新しい価値観のオンラインでの習い事です。

「デザイン思考」のステップを取り入れた「探究学習」を通じて、自分で「問い(課題)」を見つけ、自分なりの発想で「答え(課題解決)」を出し、それを「現実にする(実行する)」力を身につけるまでを目指します。

社会に出てから必要になる「自分が何が得意なのか、自分は何者なのか、何を表現できるのか」これを小学生から、第一線の講師と一緒に考えていきましょう!

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