「デザイン」って将来何かの役に立つの?
こんにちは!
9kidslab -ナインキッズラボは「デザイン」を通じて、クリエイティブ領域を横断し、「人生を楽しみながら切り拓く」子どもを育てる、小学生対象のオンラインスクールです。
今回の記事は
【2023.3.31 子どものアート・デザイン教育って何が学べるの?】ウェビナーの内容からお届けします。
今回はその中で、子どものオンラインクリエイティブスクール「9kidslab(ナインキッズラボ)」代表の吉柴本人が、実体験として「デザインをやっていてこんなことが実際に役に立ったな」ということを書きます。
「デザイン」って将来何かの役に立つの?
1.情報を相手(自分)にとって早く効果的に伝えることができる
自分にとって実際に「役に立ったな」「仕事につながったな」と思えたものを、実体験からお伝えしたいと思います。まずは自分の履歴書を紹介します。
左側は一般的によくみられる、いわゆる履歴書で、右側は自分の履歴書として元々使っていたものです。言葉をほぼ使わずに自分が生まれてから今まで何をしてきたかを感覚的にわかってもらえるように作ったものです。実際に海外で自己紹介やアルバイトの面接などで使っていました。
例えば、これは履歴書の表紙と裏表紙の画像です。
「宏美」は私の名前です。名前は個人に紐づいているので、自分の顔が連想されます。苗字の「吉柴」は姓で、それは家族に紐づいているものなので、家族の姿が連想されますね。これはデザイナーが常に頭の中でやっていることなのですが、文字だけで言ってしまえば「吉柴 宏美」だけで終わってしまうものに対して「連想ゲーム」をしているんです。
通常の履歴書の場合は、文字を全て読まなくてはその人のことを理解できないし、理解したとしてもあくまで経歴や数値だけのものになる。
それに対して、ビジュアルで表現することによって、より多くの情報を素早く相手に伝えることができるようになりますし、自分なりの雰囲気も伝えることができるので印象に残りやすい。今多くの大学機関などでも採用されている「グラフィックレコーディング」に似ていますね。
左側がグラフィックレコーディングの例で、右が自分のメモです。
少し違うのは、グラフィックレコーディングが会話された情報をなるべく正確に均等に記録しようとするのに対し、デザイナーのメモはかなり個人的で、その時の自分の考えていたこと、出たアイデアに瞬時に戻れるように描いています。なので、それを見るとすぐにその時の状態に思考を戻せるため、そこからさらに「連想ゲーム」が加速してアイデアをふくらませることができます。
こういったスキルは企業などでも新規事業や新しいアイデアが欲しい時などに大いに役立つのではないでしょうか。
2.見過ごされているものに価値を見いだせる
オンラインスクールをやる前は、東京都北区赤羽で「ICHINICHI」という宿泊施設を運営していました。元々、祖父母が営んでいた築50年の5階建て美容院ビルをフルリノベーションしてホテルにし、2015年にオープンしました。
国内外、たくさんのメディアやTV、書籍に取材掲載いただき、国際的なインテリアデザイン賞をいただいたりもしましたが、実は、オープン前は誰もが見捨てた物件でした。
まず、築年数が古い。
通常賃貸物件を探す時、築年数が古いものはどんどん値段が下がっていきますよね。売買する時も同じです。築50年を過ぎたものは建物(土地ではなく)に関してはほぼ価値は0です。
左の写真はリノベーション前のものです。壁紙は剥がれ、雨漏りはひどい、水道管が古いため赤水が出て飲み水にならない、電気の配線も古く、いつ電気が切れてもおかしくない状態でした。
右側の写真はリノベーション後です。古いものを全て新しくするのではなく、建物のコンクリートの躯体を部分的にそのままにしたり、剥がれかけた壁紙をそのまま残したり、美容院で使用していたお釜(パーマをあてるためのもの)に既存のシャンデリアを取り付けたり、当時の壁紙をそのまま残したり。
建物が元々持っていた歴史・香りをなるべく引き継いで、自分なりに今の雰囲気に昇華できないかなと頭を捻り、使えるものは最大限、再利用して作りました。(もちろんなるべく少ない資金でやるためでもありました)
次に問題になったのは、1階に「窓がない」ということです。
家に住む、となった時に、窓がない家に住みたい人はあまりいないと思います。賃貸やオフィスの一棟貸では当然かなりのマイナスポイントになります。
そこで、1Fは暗くても問題ない(むしろ雰囲気が重要な)カフェバーにすることにしました。
そして最大の問題は、「エレベーターがない」ことでした。
エレベーターのない5階建ての建物に、365日住もうと思う人はほぼいないと思うのですが、「1日だけの滞在だったら?」何とかなるのではないか、さらに、「外国人がメインターゲットだったら?」と考えを変えていきました。
ヨーロッパなどではエレベーターのない施設はまだまだたくさんあるので、それほど違和感がないのでは?マイナスポイントも何とかクリアできるのでは?と考えました。
3.自分なりの解決方法で0→1をつくり出せる
これはデザインする際の思考法と似ていて、
「小さいものを大きくしてみたらどうだろう?」「あれとあれを組み合わせてみたらどうだろう?逆ににしてみたらどうだろう?」そのようなことをデザイナーは頭の中でよく考えます。
そのままだったらただなくなる運命だった建物。親族からも「全く価値のないぼろビル」と言われていた建物だったのですが、マイナスポイントをそのままマイナスと捉えるのではなく、自分なりの発想でプラスに変える。
「見過ごされているものに価値を見いだせる」「自分なりの解決方法で0から1をつくりだせる」ということは、デザインやアートをやっていて、すごく役に立ったところだと思います。
「デザイン」と「ビジネス」は遠いところにあるように見えて、実はとてもつながっている、そう感じます。
今回の話は、アメリカ在住ロジカル思考子育てママ(林さん)とデザイナー兼、子どものクリエイティブスクール「9kidslab」代表(吉柴)が、
「アート・デザインって何?」
「アート・デザインを勉強して一体何の役に立つの?」などなど
海外と日本の子育てや教育の違いにも触れる1時間のトークセッションからの内容の一部をお届けしました。
ナインキッズラボでは、この記事でもたくさんお話した「デザイン」を通じて、自分なりの視点や解決方法を見出し 「人生を楽しみながら 切り拓く」お子さんを育てる 小学生対象のオンラインのクリエイティブスクールです。
体験クラス・無料ウェビナーも随時行っていますので、この記事を見て、少しでも共感いただけましたら、お子さんと一緒にぜひご参加くださいね。
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