重力

足元を侵食してくる暗色の海水
目を開けても閉じても闇が広がり
真下に向かって落ち込んでいく重力

素足の鋭敏さは恐れを感じない
純粋たる死の予感何者にも訪れる死
いつか青い惑星にも訪れる死

万物を引き込む重力子を発する巨きな質量
母なる大地はすべてを産み
自分の内側に折りたたまれながらすべて圧し殺す

寝台に睡りながらきみたちは夢を見る
形而上的屋上から飛び降りる夢
特に人間を引き寄せる透明な力

詩人の言葉で目眩を起こしたことはないか
中心を欠いた言葉の非連続の連続
ぼくたちが落ちてゆく先は

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久慈くじら
小魔術