溺れる
しばらく心の奥底で眠っていた、満たされない承認欲求が久しぶりに顔を出した。
最近はODもリスカもしないし、メンヘラ仲間と傷を舐め合うみたいなこともめっきりしなくなった。ここ数年でなんだかずいぶん大人になってしまったような気がする。
それは心が健康になったんじゃなくて、この世界を諦めたような。自分を諦めたような。なんだか最近はそんな気持ち。
学生の頃にアパートで見た綺麗な朝焼けはもう見られないし、やりたいこともなくただ不安で、だけど好きな人の煙草の匂いは心地よかったあの時にも、もう戻れない。いや、戻りたくないな。
私は私を諦めないと、生きていけないんだと気付いてしまった。こうやって遅かれ早かれみんな自分を諦めて、なすがままされるがままに、社会を受け入れてどうにかこうにか息継ぎしながら、そうやって生きてるって気付いてしまった。
何もしたくない。夜にずっと沈んでいたい。私は私が可愛くて大切で、傷つきたくないし誰にも傷付けられたくない。
だから、できれば何も受け入れたくない。
生まれついて私は繊細すぎて、感受性が豊かすぎて、それで生きるのが苦しかったんだと最近気付いてしまった。
気づきたくなかった。こんなにものの感じ方が人と違うとは思わなかった。
夜中のベッドに溺れたい。できれば誰でもいいから優しい人に隣にいてほしい。痛みが痛みを忘れさせてくれるから。
気付きたくなかった夜のこと。これから生きていく夜のこと。何度こんなことを繰り返すのだろうか。
どうかどうか、可哀想な私を抱きしめてください。