哲学をする意味~万学の祖アリストテレス④
昨日は少し話題を変えたが、一昨日はアリストテレスの考える自然についての話をした。続けてみていこう。「階層的自然」という言葉を聞いたことがあるだろうか。まず、土台として4つの元素がある。土、水、火、空気だ。こららは目には見えないが湿、乾、冷、熱の感覚の組み合わせから成る。すなわち土なら冷・乾、水は冷・湿、火は熱・乾、空気は熱・湿の性質を有する。そしてこの土台の上に元素から構成され、目に見える形での非生物の自然物が構成されている。ここを構成するのは石などだ。そしてその上に生物が存在する。この生物もいくつか段階があって植物→動物→人間という順に上位の階層に存在する。
アリストテレスの「人間はポリス的動物」という言葉を聞いたことがあるだろうか。人間が他の動物と決定的に違うのはロゴスを有し、ポリスを形成することであり、人間が人間たる所以だとアリストテレスは考える。ロゴスは論理、言葉などと訳されるが言葉を用いて意思疎通することが人間の特性であることは想像に難くないだろう。ポリスは国家共同体だ。人間は群れて暮らす生き物である。
①でも触れた通り、アリストテレスの厳密な意味での学問というのはほかの選択肢ではありえない万古不変の自然についてが対象だった。③で触れた通り、動植物は「必然的な」あり方でしか生きないし生きれない。しかし、人間はそれに留まらず「人間は如何に生きるか」、「国家はどうあるべきか」といった事を考え、選択することが可能だ。この選択可能な領域が「第二の自然」である。
自然の在り方が一定であるから人間は自然をあるがままに捉えることができる。さらに人間は言葉を通じて思考、考察し、自然について探求することができる。続きはまた明日。
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