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私の最も長かった1週間

2月1日。今年も予定通り母校では入試が行われるようだ。母校というのは中学校のハナシ。そう、もう10年以上前の話だが当時自分も中学受験生の一人だった。もうそんな昔の話なので色褪せてきてはいるものの備忘録として、少々大げさではあるがこれまでの人生で最も長い一週間であった当時を振り返ろうかなと思う。

同じく中学受験を経験してきた人はご存じだと思うが2月1日から入試が始まるのは東京都と神奈川県のハナシで千葉県や埼玉県は先んじて1月に始まる。そして本命は2月でも1月のうちに腕試しとして受験をしたりする。斯くいう自分も1月に埼玉県と千葉県の順に1校ずつ受験した。その中で忘れられないのは千葉県の方だ。当時住まいは東京23区西部にあったが、千葉県まで行く訳だから当然朝は早くなる。始発のバスに乗った記憶がある。それから地下鉄東西線で向かう訳だが途中で気持ち悪くなり、日本橋駅のトイレで嘔吐してしまった。この事を母親は「悪いもの、出しちゃったから、もう平気だ」みたいに励ましてくれた。実際に悪いものを出したからかその後は難なく受験できた。緊張とかは特になかったと思う。それからこの日、驚いた事に試験が終わり、帰りの電車に乗ろうとしたところでなんと小学校のクラスメートにエンカウントした。一応前日にお互い受ける事を言ってたので起こり得るとは言え本当に会うとは思わなかったので驚きである。お互いに持ってきたチョコレートの余りを交換した記憶がある。朝にハプニングに見舞われた(?)とはいえ、この2校は合格したので取り敢えず前哨戦は成功という訳である。

前置きが長くなったが本命の2月である。第一志望の入試に自信を持って臨んだ1日は敢え無く不合格。2日も不合格であった。母親は「三度目の正直って言うからね」とか言って励ましてくれた。そして3日である。この日は第二志望の入試だった。2敗の後なので多少なりとも気負ってたような記憶がある。それでも自信を持って試験場の教室に入った。1発目は国語の入試。当時、国語が苦手だったが、自信を持って埋められた事を今でも覚えている。次の算数は最初の計算問題を4度か5度くらい見直した記憶があるが他の箇所も手ごたえが微妙といったところだったと思う。その次の社会は当時の得意科目だったがたまたま直前に参考書で見ていた項目が時事問題だったと思うが出題されたので「ラッキー」であった。最後は理科である。理科では過去問には出てこなかった箇所が出題されギクッとなり他にも埋められない箇所がいくつかあり、正直手ごたえは微妙といったところだった。

しかしこの3日に合格するのである。一旦、家に帰ってから夕方にもう一度発表を見に現地に赴くのだが(前日とその前の日もそれをしたのだから相当体力も使ったのである)、2敗した後だったのでこの時の緊張は凄まじいものだった。校門をくぐり、掲示板から自分の番号を確認した時は狐に摘ままれたような気分すらした。聞けば母親は試験が終わって合流した際に私が放った「国語簡単だったよ!」という言葉に合格を確信したらしい。次の日も第一志望の(最後の)入試があった為、合格証明書と入学手続きに関する書類を貰うと家路を急いだ。

少し気持ちに余裕を持って4日の入試に挑む。どんな問題が出たかもう記憶がないが結構ムズカシかった記憶である。この日は一旦帰る事はせず、合格発表まで某東京名所で時間を潰した。結果は不合格。前日に受かった、つまり第二志望の学校に行く事になる訳である。お世話になった塾に報告をした後、家族でファミレスに行き、一日遅れの合格祝いをしてこの日は終わった。

次の日5日はどこも受験しなかったが学校は休んだ。もし4日までがダメならこの日レベルを下げた所を受けるかどうかって話もあったが結果的に受けないで家でゆっくり休むことができた。その次の6日に最後の学校(第三志望)を受験した。もう既に第二志望の学校に行く事を決め、自分が受験している間、母親は入学手続きを済ませた程だが、出願したから折角なので、という事で受験した。こちらも結構ムズカシかった記憶がある。確か翌日だったかな、発表は確か翌日だったと思うが現地には見に行かないでインターネットで確認した。結果は不合格。3勝4敗、本命に限っていえば1勝4敗。私の人生で最も長い激動の1週間は斯くして終わったのである。

あくまで個人の体験なので余り役に立たないかもしれないが、伝えたい事を幾つか。まずベタではあるが「とにかく最後まで諦めない」事。2敗した後でも入試本番の時は自信を持ち試験場に入りいつも通りに受験をしたことで合格できた訳なのでとにかく最後まで諦めない事は本当に重要だと今でも痛感する。直前に参考書を読んだ事もヒントになった訳でそういった小さな努力も身を結ぶことがある、という事も同時に伝えたい。それから「みんなも難しい」という事。入学後、1年当時の理科の教師が言うには「出てこなかった箇所」はかなり正答率が悪かったらしい。つまり他の皆も出来なかった≒差がつかなかったという訳だ。だから予想外の問題に当たっても「自分だけが出来なかった」とか思わない方がいい。逆に言えば例えば算数の最初にある計算問題なんかは他の皆も出来るから出来なければそれだけで差がつけられてしまう、という訳だ。こういう所の穴はなんとしても塞がなきゃいけないって話。

最後になりますが全ての受験生が本領を発揮し、栄冠を勝ち取れますように。

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