【読書記録】2023年3月19日〜3月25日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
せっかく桜が満開なのにずっと雨。しかも寒い!
こんな日はやっぱりお部屋で読書でしょ。
…ということで、早速3月第3週に出会った本たちを紹介します。
【2023年3月19日〜3月25日に読んだ本】
●彼女が天使でなくなる日
【収録作品】
・あなたのほんとうの願いは
・彼女が天使でなくなる日
・誰も信頼してはならない
・子どもが子どもを育てるつもりかい
・虹
【感想】
とにかく主人公の千尋と、パートナーの麦生が真っ直ぐで清々しい物語でした。
この二人、問題を抱えながらも、縁あって託児所併設の民宿に訪れたお客さんたちとも絶妙の距離感を保ちながら、その悩みと真剣に向き合ってくれます。
甘やかすのではなく、上から目線でもなく、そこから生み出される言葉は人間関係に悩むすべての人たちの心を優しく包み込んでくれます。
タイトルにある「天使でなくなる」とはどういうことなのか?
子育てに、親子関係に、友達関係に悩んでいるすべての人にプレゼントしたい一冊です。
●池袋ウエストゲートパーク
【収録作品】
・池袋ウエストゲートパーク
・エキサイタブルボーイズ
・オアシスの恋人
・サンシャイン通り内戦
【感想】
自分が池袋を卒業したのは96年なので時期的にはドンピシャ。だからと言って池袋で派手に遊んでいたわけではなく、ただ専門学校が近かっただけなのですが。
スポーツ選手、お笑い芸人、ミュージシャン、そして不良グループの頭。モテたい10代男子はこの4つのどれかに必ず憧れる。そして自分には無理だと気づく。それが青春。
カラーギャングの抗争を始めとする池袋のゴタゴタを解決するのは実家の果物屋を継ぐ青年マコト。彼はどのグループにも属さない代わりに、どのグループにも、警察にまで顔が効く。今も続く長いシリーズ、今後の展開が楽しみです。
●少年計数機
池袋ウエストゲートパークⅡ
【収録作品】
・妖精の庭
・少年計数機
・銀十字
・水の中の目
【感想】
…ということで続けてIWGP第2弾。
池袋のトラブルシューター・マコトの魅力は強者に媚びず、弱者を蔑まず、高齢者や障害者に対しても実にフラットに接するところ。雑誌掲載は1999年。マコトの生き方って、今で言うところのダイバーシティってやつじゃないか?
とになく魅力的なキャラがたくさん登場し、マコトの人脈はどんどん広がっていきます。
特に心に残ったのは第4話。ミナガワさんがあんな結末だったのはちょっと残念。それよりも何よりもまさかマドカさんが職場復帰するなんて。この人どんだけメンタル強いんだろ。
●星屑
【感想】
舞台は1978年の芸能界。
境遇も性格も容姿も正反対で反目し合う二人が、様々なアクシデントを乗り越え少しずつ歩み寄り結果お互いを認め合うという展開は、ジャンプ漫画か、懐かしの大映ドラマを彷彿させ、どちらも大好物なオヤジとしては、ドキドキ・ワクワクしながらページを捲りました。
●格闘する者に○
【感想】
簡単にいうと女子大生の就活物語ですが、筆記試験での何の役に立つのかわからない一般常識問題、二択でその人の内面を図ろうとする性格検査、何のために聞くのかわからない面接での質問や面接官の態度などに、心の中で激しくツッコミを入れる可南子さんがとにかく痛快です。ただ最後は「えぇっ、これからどーなんの?」というところで話が終わってしまうので、本当にその後どうなったのかが気になるところです。
●秋葉原先留交番ゆうれい付き
【感想】
主人公はなんと「足」だけ(正確には霊感のある人に足だけ見える)幽霊・通称「足子さん」と、東大卒の典型的オタク警官・権田&霊が見えるイケメン女ったらし警官・向谷。
秋葉原で起きるフィギュア盗難事件、抱きつき魔事件などを解決しつつ、足子さんがなぜ足子さんになったのかを解明していくミステリー。2008年に起きた秋葉原の通り魔事件を絡めたり、足子さんが単なる被害者ではなくて、人を傷つけてしまった過去があったりと単なるドタバタで終わらないところがとてもいいというか、実に西條さんらしいというか…。
●出世花
【収録作品】
・出世花
・落合螢
・偽り時雨
・見送り坂暮色
【感想】
高田郁さんのデビュー作。
父の死により天涯孤独の身となったお艶は、江戸近郊にある青泉寺の住職に助けられます。
お艶はその住職に新たにお縁という名前お授けられ、お寺の仕事「湯灌」を手伝うようになります。
湯灌とは今でいう納棺師が担う仕事ですが、お縁はただ遺体を洗い清めて納棺するのではなく、最近でいうエンバーミングも行います。物語が進んでいくと、その経験と洞察力を買われ、死体検案の手伝いもします。
生きるということ、死ぬということ、弔うということ、人の縁について深く考えさせられる一冊でした。
●レジリエンス入門
【感想】
タイトルにあるレジリエンスとは著者いわく「心の自然治癒力」だそうで、まずこのレジリエンスを低下させてしまう考え方を7つに分類し、それぞれについて詳しく解説してくれます。
最後には具体的な事例を挙げながら対処法を探っていくという本です。
結論を簡単にいうと「ものの見方・考え方の視点を変えてみよう」ということ。
ちなみに心の自然治癒力を弱体化させる7つの思考パターンは以下の通りです。
①否定的側面の拡大・肯定的側面の否定
②二分化思考 少なすぎる判断基準 勝ち負け思考
③当然、べき、ねばならない思考
④過剰な一般化
⑤結論の飛躍
⑥劣等比較
⑦他者評価の全面的受け入れ
…どうでしょ。心当たりはありませんか?
私は②と③が強いかな。頭が痛い。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今週は新書1冊、時代小説1冊、そしてエンタメ小説6冊という内訳になりました。
今回の中で一番心に残ったのはやっぱり石田衣良さんのIWGPシリーズ。若者たちの心の云々はもちろんですが、出てくる小道具たちが懐かしくて懐かしくて。これはもう後追い決定ですね。
また読書の楽しみが増えました。
そうそう〝星屑〟と〝秋葉原〜〟は続編熱望!
最期に
読書っていいよね。