
【積読増加注意!】ブックガイドのガイド
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
皆さんは次に読む本をどうやって探していますか?
気に入った、気になった作家さんを追いかける?
好きな、興味のあるジャンルを深掘りする?
流行りを追いかける?
今はSNS全盛の時代なので、その気になればこういった情報はいくらでも手に入るのですが、元々データや情報を集めるのが好きな私としては、たとえば書評家さんや書店員さん、図書館司書さんといった、いわゆるその道のプロが口を揃えて推薦する本は一応押さえておきたいと思ってしまうわけです。
そんな時に役立つのが「ブックガイド」。
…と言うことで、今回は私の本棚に並ぶブックガイドたちをご紹介します。
【私の本棚の一番いいところに居座るブックガイドたち】
⚪️「王様のブランチ」のブックガイド200
著者 松田哲夫(2009年刊行)
【内容紹介】
現在、書評媒体で最も影響力がある、といわれるTBS系情報番組「王様のブランチ」で13年間にわたって「本のコーナー」を担当してきた編集者・松田哲夫さんが、累計800冊近くに及ぶ紹介本のなかから、200冊をベスト・セレクト。
「本を読みたいけど、何から読んでいいのかわからない」人や、「読み忘れていた作品をこの機会に探したい」人などにも最適な、文庫で入手しやすい作品中心のラインアップです。 「泣いた」「笑った」「ドキドキした」「しみじみした」「怖い」「切なくて愛おしい」「青春のときめきを感じた」など、心を揺さぶるジャンルごとのベスト10も多数掲載しました。
実は私とブックガイドの出会いは2018年の夏。
斎藤孝さんの〝だれでも書ける最高の読書感想文〟の中で、「本選びのコツ」について書かれている章があって、その中で紹介されていた一冊でした。
2017年の春頃から趣味として読書をするようになった私ですが、2018年夏頃にはそれまでずっと追いかけていた重松清さんの作品をあらかた読み切り、あちこち手は出してみたものの、どんな作家さんがどんな物語を書いているのかわからない、まさに手探り状態で、次に読む本を決めかねている時期でした。
そんな時に出会った本書。
当時は「王様のブランチ」という番組も、著者の松田哲夫さんも知らないという状態でしたが、第2章のブックガイドのジャンル分けが、
・感動して涙があふれた小説ベスト10
・しみじみとした余韻が残る小説ベスト10
・ドキドキワクワクした小説ベスト10
・笑って元気になる小説ベスト10
・怖いけれど惹きつけられる小説ベスト10
・切なくて愛おしい小説ベスト10
・青春のときめきを感じる小説ベスト10
・不思議な味わいの小説ベスト10
・エッセイ&ノンフィクション・ベスト10
といった感じで、もうその当時の私にどストライクでした。
この本を何度も読み返し、本を探しまわり、読んだ本にはチェックをつけたことを、今となっては懐かしく感じます。
ちなみに、2015年には番組放送1000回記念として、こんな本も刊行されています。
⚪️この作家、この10冊
本の雑誌編集部 編(2015年、2019年刊行)
なんとも直球なタイトルの本に関するエンタメ情報誌「本の雑誌」内の連載記事、「◯◯(作家名)の10冊」を書籍化したもの。
内容はまさにタイトル通り。
書評家さんたちが、古今東西の著名な作家(日本人限定)さんたち総勢100人の、代表的な10冊、つまり2冊合わせると合計1000冊の本をお勧めしてくれているという超豪華なブックガイドです。
はっきり覚えてはいないのですが、何かの本に「ある作家を論じたいのなら、その作家の本を10冊は読め」と書かれていたような。
第1巻が2015年、第2巻が2019年に刊行されています。
最近雑誌でのこの記事の掲載がないのが寂しい限りですが、読書づきなら手にとって損なしの1冊、いや2冊です。
⚪️この経済小説がおもしろい!
著者 堺憲一(2010年刊行)
【内容紹介】
1000冊読んでもやめられない! 経済小説の目利きが、 超定番から話題の最新作までを独自ランキングで一挙紹介。 業種別400作品リスト付
経済の専門家が選ぶ経済小説のブックガイドです。
ちょうど高嶋哲夫さんや真山仁さん、楡周平さん、山本幸久さんなどのいわゆる「お仕事小説」を集中して読んでいた頃に手に入れた本書。
著者の堺さんは、経済小説の醍醐味を以下のように表しています。
①小説ならではのエンタメ性。
②ビジネス書を凌ぐ情報量。
③自己啓発書としての気付き。
巻末には50種以上の業種のお勧め小説リストが掲載されていますので、興味のある業種から手にとってみてください。
⚪️時代小説がもっとわかる!江戸仕事案内
著者 岡村直樹(2018年刊行)
【内容紹介】
時代小説を100倍楽しむためには、
①時代背景を知る、
②生活文化を知る、
③人物を知る、この3点が重要です。
しかし、それ以上に大切なことがあります。それは江戸時代の「仕事」や「職能制度」を知ることです。
江戸時代は世界に類例を見ない幕藩制度に支えられた特殊な時代で、当時の政治体制ならではの「仕事」がたくさん存在しました。
本書は「遊芸・娯楽」「職人・技人」「生活・諸事」「流通・商業」「武家社会」の5つのチャプターにわけ、江戸時代の「仕事」を解説していくなかで、時代小説を読み解いていく、まったく新しい視点の時代小説読本です。
100万人の時代小説読者の机上を飾る、スーパーエンターテイメントになります。
今村翔悟さんの〝羽州ぼろ鳶組〟シリーズや、高田郁さんの〝みをつくし料理帖〟シリーズを読んでいる頃に買い求めた本書。
正確に言えばタイトル通り江戸時代の「仕事」を開設した本ですが、各仕事の説明の最後に推薦図書が併記してあって、これはまさに江戸版「この経済小説がおもしろい!」ではないかと。
とにかく江戸時代というのはなんだかんだ言って平和な、庶民の、豊かな、おまけに環境にやさしい時代だったのだと思います。だからたくさんの職業が生まれたし、それを題材にした物語も生まれるのではないかと。
時代小説は敷居が高いと思っている人に手にとってほしい一冊です。
⚪️作家の値打ち 令和の超ブックガイド
著者 小川榮太郎(2021年刊行)
【内容紹介】
禁断のベストセラーが復活!
現役作家100人の主要505作品を、
気鋭の文芸評論家が<厳正>かつ<徹底的>に100点満点で採点!
あなたの心を震わせる「最高の1冊」に出会えます。
今回最後に紹介するのは、文芸評論家の小川榮太郎さんのブックガイドというか書評集?
いわゆるエンタメ小説家50人、純文学小説家50人の代表作を読み、その本の書評と点数(100点満点)を掲載した本。
普通ブックガイドと言ったら、その本の良いところをピックアップして紹介するものだと思いますが、この本は…。
実に厳しいです。
あくまでも著者の意見なので、点数なんて気にしなくてもいいのですが、自分の推し著者さんの大好きな物語が「0点」とか「採点不能」だったりすると、ちょっと凹むし、なんというか、書誌情報にあったのとは別の意味で心が震えます。
ただ、この本を読んで、そういうふうに感じる人もいるということを知れたこと、それはそれで仕方ないことだと思えたことは、本読みとしては大きな一歩かと。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
正確に数えたわけではありませんが、今回取り上げた7冊で紹介している本は合計2000冊以上!
定番作品でダブっているものもあると思うので、それを考慮しても少なくとも1500冊以上にはなるかと。
まぁ、残りの人生でこれら全部を読むことはまず無理なわけですが、今回紹介した本をきっかけに「新しい作家さんんやジャンルに挑戦する」という楽しみ、「読みたい本リストをつくる」という楽しみ、「読んだ本にチェックを入れていく」という楽しみも、読書の楽しみ方の一つかと。
実は、今回紹介できなかったブックガイドも何冊かあるので、機会があればまたご紹介します。
…って、いったい何冊持ってんだよブックガイド!!
最後に
読書っていいよね。