【読書記録】2023年10月29日〜11月4日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
11月3日の朝、何気なくテレビを観ていたら「ハウスシチュー」のコマーシャルが・・・。
このコマーシャルを目にすると「ああ、もう冬なんだなぁ」と毎年思うのです。
…あれれ?
そういえば今年は、秋を感じられる期間がやけに短かったような。
11月8日は暦の上では「立冬」。
長すぎたなつと、短すぎた秋に思いを馳せつつ、今週も出会った本たちをざっくりご紹介。
【2023年10月29日〜11月4日に出会った本たち】
⚪️銀鈴探偵社
静おばあちゃんと要介護探偵2
【感想】
名古屋商工会会頭で傍若無人が服を着たような香月玄太郎&清廉潔白を絵に描いたような元判事・高円寺静のゴールデンいや、シルバーコンビ再び!
今回は構造計算書偽造問題や高齢者ドライバーの運転ミス、老人の孤独死などを絡めながら、事件は大きな復讐劇へと展開。
中山作品を読んで毎回感心するのがどんでん返しと他作品とのリンク。この物語は〝さよならドビュッシー〟の少し前。だから残念なことに遥・ルシアと円が出会うことはない。しかし岬洋介は研修生時代に高円寺静の講義を受けて直接会話もしていた。中山ファンとしてはそれだけで嬉しい。
そして、静さんは〝テミスの剣〟のあの事件を、ずっと悔いているんだなぁと。
⚪️嫌な気持ちになったら、どうする?
ネガティブとの向き合い方
【感想】
誰もが持っているネガティブな感情とどう折り合いをつけていくかについて、心理学者や精神科医やカウンセラーではなく、社会学者という立場から、ご自分の十代・二十代の苦い体験や、大学での学生とのコミュニケーションを踏まえつつ解説している本。
悩みを聞いてもらっているはずがいつのまにかこっちが非難されたり、逆に誰かの悩みを打ち明けられているうちになんだかイライラして思わず説教!なんて経験は誰にでもあると思う。この本によればそういう状況になったら「カメ」になってひたすら話を聞くことだそうだが…。コレがなかなか難しい。
⚪️誰の味方でもありません
【感想】
ほとんどテレビを観ないので、残念ながら古市さんのことは存じ上げませんでした。
今回手に取ったのは本当に偶然。新書で面白い本はないかと探していてタイトルに惹かれた感じ。結構難しいテーマを取り上げているはずなのになんだかスルッと入ってくるのが心地よい。こういう文章って一見誰にでも書けそうだけど実は結構難しいと思う。
まさにタイトル通り中立で誰の味方でもない、言い換えればつかみどころがないと言えるかもしれないけれど。
この一歩引いた感じのスタンスがこの方の持ち味か?何はともあれ、チョコの食べ過ぎにはご注意を。
⚪️だから日本はズレている
【感想】
なんでも白黒付けたがる自分にとって、古市さんの言説はとても新鮮。
この本が刊行されて9年。相変わらず日本はズレっぱなし。オリンピック、コロナ対策、etc。それもこれもこの国を動かしているのが「おじさん」だから。
この本によれば「おじさんとは、いくつかの幸運が重なり、既得権益に仲間入りすることができ、その恩恵を疑うことなく毎日を過ごしている人」だと。なるほど確かに。
一番面白かったのは家電メーカーの新製品のズレっぷり。この件については楡周平さんに是非書いてほしい。
最後に書かれていた2040年の未来予測もなかなか。
⚪️正義の味方が苦手です
【感想】
週刊新潮の連載「誰の味方でもありません」の2021年1月〜2022年7月までの記事をまとめたものなので、コロナ騒動、オリンピック、安倍元首相のあれこれなどに大々的に触れているかと思いきや…。実際はそうでもなかった。
まぁ安倍元首相とプライベートでもお付き合いがあったみたいなのでね。
前にも書いたけれど、白黒はっきりつけたい人には物足りないかも。
このシリーズでは記事中にたくさんの書籍が紹介されているので、それを読んでみるのも面白いと思います。私が一番気になったのは、吉岡悠さんの〝0メートルの旅〟。
⚪️絶対に挫折しない日本史
【感想】
確かに挫折せずに読めました。なぜなら年号や人名など受験で頭を悩ませたややこしい事柄はほとんど出てこないから。
前半は日本の歴史を古代、中世、近代、現代そして未来と大雑把に分けて解説。
後半は「米と農耕」「家族と男女」「戦争と平和」などテーマを絞ってまとめられています。
たくさんの資料を引用しながら解説していくのですが、この引用した資料の数の多いこと多いこと。注釈が450以上付いた本なんて初めて読みました。
情報は盛りだくさんですがさすがは古市さん。スルッと入ってくる文章で読了後はなんだか日本の歴史がわかったような気になるから不思議。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今週は中山七里さんの文庫新刊以外全て新書という珍しいラインナップでした。
しかもその新書5冊のうち4冊が社会学者の古市憲寿さんの著書。
本の感想でも書きましたが、私は読書が趣味になってからテレビはほとんど見なくなったので、古市さんのことは存じ上げませんでした。
読んだ感想としては「とにかく参考資料が多いなぁ」というのが第一印象。〝絶対に挫折しない日本史〟なんて、書き上げるまでにどれだけの本や文献を読んだのか。本業やテレビ出演に加え週刊誌の連載も抱えていて多忙でしょうに。いったいどうやってこれだけの資料を探し当て、読んでいるんだろう。もしかして相当の速読家?
引用元も明らかにされているので、興味が湧いたら「元ネタ」をあたってみるのも面白いかもしれませんね。
…で書かれている視点は概ねフラットというか客観的(一部極端な部分はあるような気がするけれど)。歳をとったせいか、それとも元々の性格か、狭い思考に陥りがちな自分にとっては新鮮な見方・考え方を知る機会になりました。
それにしても、新書の書影って地味。「落ち着いたデザイン」ということもできるけど。
最後に
読書っていいよね。