【読書記録】2024年5月19日〜5月25日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
早いもので今年も「夏の文庫フェア」の時期がやってきました!!
…って、「ちょっと木が早いんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、夏の三大文庫フェア(カドブン、ナツイチ、新潮文庫の100冊)のうち、角川書店の「カドブン」は毎年一足早い5月末にラインナップが発表されるんです。
ということで、「カドブン2024」の公式HPはこちら↓↓
ざっとラインナップをチェックしてみて購入が決まっているのがこの二冊。
📘かぞえきれない星の、その次の星/重松清
📘オオルリ流星群/伊与原新
この二冊は単行本刊行時に読んでいて、読了した瞬間に文庫化したら絶対に買うと決めていました。
次に気になったのがこの5タイトル。
📘ゴールデンタイムの消費期限/斜線堂有紀
📕ギリギリ/原田ひ香
📕闇祓/辻村深月
📕トイレで読む、トイレのためのトイレ小説集/雹月あさみ
📘八犬伝(上・下)/山田風太郎
この5冊については、「ナツイチ」と「新潮文庫の100冊」のラインナップが公開されてから改めて購入するかを考えます。
なにせ6月・7月はこの3社以外にも、気になる作家さんの文庫本が続々刊行されるので。
さーて、これからが本文。今週出会った本たちをご紹介します。
【2024年5月19日〜5月25日に出会った本たち】
⚪️アリアドネの弾丸(上・下)
【感想】
北海道、北陸、関西、四国と全国各地を旅してきてやっと本編に戻ってきました。
舞台は桜宮市。東城大学附属病院にAiセンターなる新しい画像診断施設が設立されるという話。
病院側、警察、監察医、そして桜宮一族とこれまでバラバラだったコマが一箇所に集まってきて、もちろんその中には白鳥や彦根も…。
こんな混沌とした状況で起こる医療機器メーカーのエンジニアの死。そして高階院長の収賄疑惑。裏で糸を引く警察組織。
上巻のページをめくると目次、そして登場人物紹介の後に病院施設の地図まで掲載されていることから、複雑なミステリーということだけは予想できました。
下巻は殺人事件の容疑者に仕立て上げられた高階院長を救うべく白鳥が大奮闘。タイムリミットは72時間。
この3日間のやりとりはハラハラドキドキさせられますが、そんな緊張感を和らげてくれるのが白鳥に対する田口先生の脳内ツッコミ。そして最後はミステリー小説定番の怒涛の種明かし。
見事というかケムに巻かれるというか、一読しただけではどうにも理解が追いつきません。
それはともかく事件の解決の手助けをする便利屋・4Sエージェンシーの城崎と牧村。コレは〝ナイチンゲールの沈黙〟の2人。なんとも懐かしい。そしてほんの数行ですが〝ジーン・ワルツ〟との繋がりも。
⚪️ケルベロスの肖像
【感想】
Ai(死亡時画像診断)システム導入をめぐる桜宮サーガもいよいよ最終章(?)だからなのかオールスター総出演。
ただでさえ濃厚なメンバーなのにここにマサチューセッツ医大の東堂教授や、意外なところで物語の鍵を握る白鳥の部下・砂井戸などさらに大味なキャラが登場しもう満腹。
何よりも驚いたのは事件の顛末ではなくて、モンスター級のMRIを運ぶのに戦車を使い、それに田口先生が乗っていたこと。コレはいくらなんでもやりすぎでは。
〝螺鈿迷宮〟の主人公、落ちこぼれ医大生の天馬君の話とかなんだかあっさりしすぎの部分もあるし、その辺りは〝輝天炎上〟を読めばスッキリするのかな?
⚪️輝天炎上
【感想】
〝螺鈿迷宮〟の続編で〝ケルベロスの肖像〟の対になる物語。
〝ケルベロス〜〟で違和感があったあの人物の種明かしが…。読みながら思わず「ウソっ!」と口に出してしまいました。
それと落ちこぼれ医大生の天馬くんがなぜ田口先生を目の敵にしているのかが、この物語で明らかに。なるほどって気もするけれど、天馬くん、どうにもモテキャラには見えないんだが…。なんて思ってみたり。
桜宮姉妹のその後についてはここに至ってもぼかされた感じだし、シリーズ最終章としてはどうにもスッキリしない。そしてあれだけの事件の後、東城医大はどうなるのか?
⚪️カレイドスコープの箱庭
【感想】
〝ケルベロス〜〟の2ヶ月後、東城医大で起きる誤診疑惑の調査に乗り出す田口&白鳥コンビ。
これはこれで大変な事件だったけれど、驚くのはこれと並行して進むAiの国際会議を東城医大で開催するという話。
物語で会議の中身に触れることはないけれど、それに出席するメンバーが超豪華。田口、島津、彦根などいつもの顔ぶれに加え極北で活躍(?)する速水、そして「バチスタ〜」の桐生が登場!これは懐かしい。
この会議に先駆けて行われたアメリカでの講演会に登場するのが、〝ジーン・ワルツ〟の理恵先生の元夫。シリーズをずっと追いかけてきた読者に対するご褒美みたいな物語でした。
⚪️玉村警部補の災難
【収録作品】
不定愁訴外来の来訪者
東京都二十三区内外殺人事件
青空迷宮
四兆七千億分の一の憂鬱
エナメルの証言
【感想】
「田口・白鳥シリーズ」のスピンオフ短編集。
主人公は警察庁の加納&玉村コンビ。
〝東京都二十三区内外殺人事件〟は東京23区内とその外ではたとえ数メートル違っていても死体の扱いが違うという話。コレは死体に限らずありとあらゆることに起こりうる、いや多分実際に起こっていると思う。
〝青空迷宮〟では加納さんがお得意の電脳紙芝居ではなくGoogle Earthを使って事件を解決しているのに笑った。
〝四兆七千億分の一の憂鬱〟と〝エナメルの証言〟は、犯罪捜査の要とも言えるDNA情報と歯の治療痕が悪用されたらという怖い話。
⚪️玉村警部補の巡礼
【収録作品】
阿波 発心のアリバイ
土佐 修行のハーフ・ムーン
伊予 菩提のドラキュラ
讃岐 涅槃のアクアリウム
高野 結願は遠く果てしなく
【感想】
「バチスタ」シリーズのスピンオフ第二弾。第一弾の〝玉村警部補の災難〟の「人生ロンダリング事件」から5年という設定。
場所を四国に移し加納と玉村コンビは念願だったお遍路の旅へ。
全体として事件よりお遍路の解説にたくさんのページが割かれていて勉強にはなったけれど、正直お遍路への関心が低いのでなんとなく読んでしまった感じ。
それにしても加納警視正のお遍路に対する指摘というかツッコミは、四国の人たちやお遍路愛好家(正しい表現ではない気もするが)が読んだらどう感じるだろうか。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今週も先週に引き続き海堂尊ワールド全開!!
ごれで合計21タイトル(29冊)。
もうここまできたら「海堂尊マラソン」みたいな感じ。
残るはコロナ編、中学生医学生編とコールドスリープ編など。
一つの世界観の人物たちというか歴史を、約40年間追体験できるって、なんかすごい。
それにしても、技術はいろいろ進歩しても、医学の根本にある問題は、昭和の頃からほとんど解決していないように思えるのは私だけだろうか。
最後に、
読書っていいよね。